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キリストの生誕にちなんだカラフルなケーキ
ポルトガルでは、クリスマスイブから新年1月6日の「王様の日」にかけて食べられるのが「ボーロ・レイ」(王様のケーキ)と呼ばれるケーキです。名前の由来はキリストの誕生を祝って駆けつけた東方の三博士(王)が贈り物を捧げたというエピソードにちなんでいます。ナッツやドライフルーツがふんだんに使われており、見た目はとてもカラフルな円形のケーキでクリスマスや新年の食卓を彩ります。
ケーキを取り分け指輪が出ればアタリ!
ボーロ・レイの特徴は、ケーキの中に「ブリンデ」と呼ばれるおもちゃの指輪(アタリ)と「ファヴァ」と呼ばれるそらまめ(ハズレ)が入っている事です。そして食べる時にケーキを取り分けゲームがはじまります。このゲーム、実は誤飲の危険性があるため指輪を入れる事は禁止されましたが、指輪が入っていなければボーロ・レイではないと、購入者のクレームが絶えず結局、今でもこの伝統は受け継がれているのが実情のようです。 アタリを引いた人はその日から1年間を幸福に過ごせると言われ、そらまめ(ハズレ)を引いた人は来年のボーロ・レイを準備する係になります。日持ちのするケーキなので、少しずつ食べる事ができ、薄くスライスして冷凍したものを朝食にトーストして食べても美味しいです。今年のクリスマスや新年にかけてワイワイとゲームで盛り上がりながら幸せが訪れる楽しみを味わってみるのもいかがでしょう。
ポルトガル菓子店「ナタ・デ・クリスチアノ」のボーロ・レイ
レーズン、くるみ、チェリー、オレンジの皮、レモンの皮がぎっしり詰まった見た目もカラフルで美味しいボーロ・レイです。「ファヴァ」にはそらまめの砂糖煮になっています。イーストには自家製酵母を混ぜ、ポルトガルの伝統的な焼き方で仕上げました。作り方にも素材にもこだわったボーロ・レイです。
※掲載情報は 2014/12/12 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ポルトガル大使館
ユーラシア大陸の最西端に位置するポルトガルは、日本が初めて出会った西洋の国です。1543年の種子島到来をきっかけに日本に南蛮文化を伝えたポルトガルは、日本人の日常生活や食文化に深い影響を残しました。皆様も歴史の授業でポルトガル人到来は勉強されたのではないでしょうか。
鉄砲、西洋医学、絵画で使われる西洋技術、西洋音楽・洋楽器、天体観測機、パンや菓子等、この時代にポルトガル人が日本に伝えたものは数多くあります。カステラ、金平糖、ボーロなどは語源もレシピもポルトガルからもたらされました。パン、コップ、ボタン、てんぷら、おんぶ、かっぱ、ばってら、じょうろ、チャルメラ、オルガン、カルタ、シャボン、タバコ、ビロード、ビードロ等、日常語として定着している数多くの言葉がポルト ガル語由来なのです。
歴史的建造物、自然景観、多彩な食文化、温暖な地中海性気候、15箇所の世界遺産と、無形文化遺産に認定された民謡「ファド」などの多様な魅力に魅せられ、ポルトガルを訪れる観光客はリピート率が高いことで有名です。「初めて訪れるのに懐かしい国」と多くの日本の皆様に親しまれるのも、470年以上にわたるおつきあいがあるからかもしれません。