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ウスターソースとは、イギリスのウスターシャー州の主婦が、野菜と調味料と会わせて保存していたら出来たソースといわれています。そして、ウスターソースといえば、イギリスを代表するリーペリン・ソースがあまりにも有名。
イギリスの植民地であったインドで秘伝を見つけ、薬剤師のリー氏とペリンズ氏が商品開発をして、世界初のソースメーカー「リー・ペリン社」を設立。175年の歴史、イギリス国民の95%が愛用。恐ろしい数字です。
日本での需要は、関西が圧倒的なのだそうです。関東圏では、中濃ソースが主流。
関西は、ウスターソースと、やはりタコ焼き、お好み焼のとんかつソースが人気。
りー・ペリン社に負けないソース作りをされているのが、埼玉県本庄市の高橋ソース。
中濃、とんかつは、水を1滴も使わず、果物と野菜の旨味をふんだんに使っています。
そのなかでも、私の一押しのソースが「ウスターソース」です。主原料である、りんごは、長野県のアップルファームサミーズの特別栽培のフジを使用。高橋ソースでは、な、なんと、30年間も同じ農園のものを使用しています。そして、そのフジの挿し木は本社の玄関脇に植えられ、毎年、真っ赤なりんごがなっている様をみると、原材料へのこだわりを目で感じることができます。トマトは安曇野産、ニンニクは一ノ関、砂糖は喜界島、塩はモンゴルの塩。醤油は川越市のはつかり醤油と凄すぎるラインナップ。「言えない原材料」が何もないソース屋というのは、めったにありません。ソースにすれば、ドロドロなので、正体不明、判別不可能!わからないし、通常は「業務用」という一斗缶のピュレを使うことが多いものです。
ウスターソースの使い方は、スタンダードなものだと、フライの脇の千切りキャベツにかける、中濃では甘過ぎで、キャベツの味を消してしまいます。カレーライスにもかける。
特に甘めのカレーにかけると「大人の味」に変身。
高橋ソースのウスターは、実は、ソースというより、隠し調味料として活用できます。出来損ないのビーフシチュー、今ひとつ何か足りない肉じゃが。全て、ウスターソースが解決してくれます。つまり、野菜と果物の甘味と、醤油の旨味を合体させている和洋中万能調味料なのです。
ウスターソースの裏技レシピを紹介します。薄く切ったバゲットにたっぷりウスターソースをかけます。
それだけでは芸がないので、オレガノなどお好みのドライハーブを少々振りかけます。
チーズをのせて、オーブントースターで焼くだけ。
ウスターソースのフレンチトースト、といいたいところですが、ウスターはイギリスなので、ブリティッシュトーストとしましょう。
ウスターソースを購入するときのコツを最後に紹介します。賞味期間ギリギリのものを選ぶべしです。ウスターソースは作り立てより、寝かせて熟成させることにより、より風味とコクが増すそうです。これも、実は高橋ソースの高橋亮人社長にこっそり教えてもらったのですが。
※掲載情報は 2017/07/17 時点のものとなります。
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キュレーター情報
料理家/フードディレクター
タカコナカムラ
山口県の割烹料理屋に生まれる。
アメリカ遊学中にWhole Food(ホールフード)に目覚める。
日本の伝統食・発酵食、乾物料理の第一人者として、数多くの商品開発や、オーガニックカフェのプロデュースに関わる。
現在、食と暮らしと環境をまるごと学ぶ「タカコ・ナカムラWhole Foodスクール」を主宰。
通信講座(がくぶん)では、
「野菜コーディネーター」「発酵食スペシャリスト」
「AGEフード・コーディネーター」など食と美や健康に関する講座を多数監修。
一般社団法人ホールフード協会 代表理事