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清らかに育ってます
沖縄県は養殖車エビの生産量が日本一。その中でも久米島が生産量トップだそうな。しかし誇るべきは生産量じゃない。久米島の車エビがすごいのは、海洋深層水で完全養殖されていることであります。
海洋深層水の定義は水深200メートル以下だが、久米島はさらに深い水深612メートルから取水している。それだけ深い場所は陸や大気の汚染を受けにくい。表層の海水に比べて細菌や微生物類はわずか1〜10％しかいないというから、まさしく清浄そのもの。
その清浄な海水で生まれた健康な稚エビが、島内各地にある車エビ養殖業者に供給される。各業者はその稚エビを、愛情を込めて大きく育てるわけだ。
冷凍にしたワケ
久米島の車エビ業者は、基本的には生きた状態で発送するのをウリにしている。ただし期間が決まっていて、気温の低い11月から4月末くらいまでしか発送していない。エビちゃんが暑さに耐えられないからだ。
しかし「久米総合開発（株）」の久米島エビ養殖場では、独自の技術で冷凍した車エビも販売している。生きている状態から一気にマイナス50度まで急冷することで、いわば活け締め状態にしているのだ。
冷凍にしたことで、1年を通していつでも販売できるようになった。我々消費者側としても、選択肢が増えたのは嬉しいことであります。
解凍は「流水に30分さらせばOK」だそうで、とても簡単であります。流水にゆれる車エビは、まるで生きているようでドキリとする。
僕のおスススメの解凍法は、1リットルの水に重曹と塩（それぞれ大さじ1）を溶いたところに浸けておく方法。温かい時期なら20分くらいで解凍できる。
流水に比べて身がプリプリするし、皮から身が剥がれやすいという利点もありますぞ。
いずれにしても、解凍したら刺身で食べられるほど、この車エビは新鮮かつ衛生的。ミソだって食べられるのだ。冷凍でこの鮮度感はすごいことだと思う。
といいつつ、刺身よりも塩焼きが好きなので焼いてしまう。
解凍後の車エビは丸くなるので、伸ばして串を刺してやる。滑らぬようにしっかり押さえないといけないが、頭のとげとげで指を刺さないよう注意が必要。
焼く前にオリーブオイルを掛けるのは僕の好みであります。皮がぱりっと焼き上がるのだ。オイルを掛けたあとに塩を振り、間髪を置かず魚焼きグリルへ。強火でさっと焼き上げると、皮があまり固くならない。
かくのごとし。
身にかぶりつくと、むちむちとした肉が歯の間で弾む。臭みはまったくなくて、ほのかな甘みを伴った車エビの美味しさがよく判る。エサと水に気を配って育てた証しだ。
ガーリックシュリンプも美味
ガーリックシュリンプにしてもウマかった。
最高の車エビをこういった料理に使うのはちょっとだけ気が引けたが、作ってみたらやっぱり美味しかった。素材が良ければ料理自体の格が上がるのだ。
お値段は車エビのサイズで変わる。今回のは「超特大 約19cm」の500g入り（10尾〜14尾入り）というやつで、クール便の配送料と消費税を含めて5,130円。
直販サイトはないが、メールかFAXを送れば注文に応じてくれますぞ。
久米総合開発（株）久米島エビ養殖場
MAIL：info@kume-group.com
FAX：098-985-4385
※掲載情報は 2017/06/21 時点のものとなります。
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キュレーター情報
缶詰博士
黒川勇人
昭和41年福島県生まれ。平成16年から世界の缶詰を紹介する『缶詰blog』を執筆。缶詰に精通していることから"缶詰博士"と呼ばれ、TVやラジオ、新聞など各種メディアで活躍中。国内外の缶詰メーカーを訪れ、開発に至る経緯や、製造に対する現場の“思い”まで取材するのが特徴。そのため独自の視点から缶詰の魅力を引き出し、紹介している。
著書は『おつまみ缶詰酒場』（アスキー新書）、『缶詰博士・黒川勇人の缶詰本』（タツミムック）、『缶づめ寿司』（ビーナイス）、『日本全国ローカル缶詰 驚きの逸品36』（講談社プラスアルファ新書）『缶詰博士が選ぶ！「レジェンド缶詰」究極の逸品36』（講談社プラスアルファ新書）、『安い！早い！だけどとてつもなく旨い！ 缶たん料理100』（講談社）など。小曽根マネージメントプロ所属。
お問い合わせ Mail:k-k@kosone-mp.com
