無農薬で栽培された希少なエゴマから作られたマヨネーズ風ソース

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優しい味の安心安全な万能調味料

時代劇で薄暗い部屋に油皿がほのかに火を灯した場面がよくある。ロウソクは高価なもので、庶民は菜種油を使って、さらに安い油は、臭いのきつい魚油を使っていたのだ。行灯の油を化け猫が舐めるというのは、魚油は鰯油が使われていて猫が好きなのは当然といえば当然である。

 

菜種油が普及してくるのは江戸以降で、庶民は暗くなると寝てしまう生活が普通であった。
さらに、菜種油以前に灯りの油といえば「エゴマ」から油を絞り使っていたエゴマ油だったが、菜種油に取って代わられたのだった。そして、エゴマやエゴマ油は段々忘れ去られた食材になっていったのである。エゴマは漢字では「荏胡麻」と書くが「荏(え)」荏原など荏のつく地名にはエゴマが栽培されていたという。さらに、縄文時代の遺跡からもエゴマの種子が検出されて、加工されて縄文人が食べていた。そのくらい古くからあって、エゴマ油として利用されていたが忘れ去られていた存在が再び脚光を浴びた時代が来るのである。

 

1990年代後半に、エゴマ油の成分に人体に不可欠な必須脂肪酸の「a-リノレン酸」を、他の食用油と比較しても類を見ないほど豊富に含んでいることが検証されて、一躍健康によい成分を持つ食材としてことが注目された。「a-リノレン酸」は体内で合成することが出来ない必須脂肪酸で食品として摂取するとEPA、DHAへと代謝される。健康に良いという食材でエゴマやエゴマ油の商品はこの20年でずいぶん増えて、以前のippinでも「エゴマスタード(浅沼醤油店)」(https://ippin.gnavi.co.jp/article-1223/)を紹介したが、その時は、エゴマがつぶつぶ状態のマスタードだった。

無農薬で栽培された希少なエゴマから作られたマヨネーズ風ソース

今回の紹介はエゴマを使った「マヨネーズ」で、岩手県の南西北上山地のふもとで栽培をしている高橋一男さん夫婦が栽培から搾油まで2人で行っているのである。夏に盛岡で岩手の食材を紹介する「大商談会」で高橋さんにはじめてお会いして、試食をさせてもらってところ、あまり期待もしていなかったのだが、想像以上に美味しい味だった。

無農薬で栽培された希少なエゴマから作られたマヨネーズ風ソース

何度も,何度も味見させていただいてこれは、サンドイッチに塗って食べたいと思った。マヨネーズと書いているがこれは「JAS規格には該当しない「マヨネーズ風」なのである。高橋さんから話を伺うと健康について、食品の安全について考えていたときに、エゴマとの出逢い、生産の盛んだった福島で勉強し、2004年から岩手で本格的に生産を開始したのだと。

無農薬で栽培された希少なエゴマから作られたマヨネーズ風ソース

エゴマは無農薬栽培で、5月下旬から6月。400aの土地に、約8000本植えて、収穫の時期をずらすために、一気に植えるのではなく、早生(わせ)・中生(ちゅうせい)・晩生(おくて)と少しずつ時期をずらして栽培しているが、流通している国産品は生産量も少ない希少だそうだ。さらに、絞り方は低温圧搾法にこだわり一切熱をかけずに圧搾するために、風味も見た目も良く、栄養もそのまま封じ込めることができると。

無農薬で栽培された希少なエゴマから作られたマヨネーズ風ソース

原材料の油は国産の「食用米油」を使い卵黄、りんご酢、砂糖、食塩にエゴマ粉とからしからしを加えて一切のケミカルな成分は入っていない。個人的には健康に良いと言っても美味しくなければ食べたくはないが、これは、さっぱりしてクドくないが、また食べたく後を引く味である。

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有限会社アルバ

※掲載情報は 2018/10/02 時点のものとなります。

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後藤晴彦(お手伝いハルコ)

アートディレクター・食文化研究家

後藤晴彦(お手伝いハルコ)

後藤晴彦は、ある時に料理に目覚め、料理の修業をはじめたのである。妻のことを“オクサマ”とお呼びし、自身はお手伝いハルコと自称して、毎日料理作りに励んでいる。
本業は出版関連の雑誌・ムック・書籍の企画編集デザイン制作のアート・ディレクションから、企業のコンサルタントとして、商品開発からマーケティング、販促までプロデュースを手がける。お手伝いハルコのキャラクタ-で『料理王国』『日経おとなのOFF』で連載をし、『包丁の使い方とカッティング』、『街場の料理の鉄人』、『一流料理人に学ぶ懐かしごはん』などを著す。電子書籍『お手伝いハルコの料理修行』がBookLiveから配信。
調理器具から食品開発のアドバイザーや岩手県の産業創造アドバイザーに就任し、岩手県の食を中心とした復興支援のお手伝いもしている。

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