「時間」までも、しっとり食べる治一郎のバウムクーヘン

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職人技に酔いしれるバウムクーヘン

「時間」までも、しっとり食べる治一郎のバウムクーヘン

「バウム」は「木」、「クーヘン」は「ケーキ」。だから樹の年輪のようなこのケーキを「バウムクーヘン」と呼ぶのです。年輪は長い時間の成長の記録。それが縁起がいいとされて慶事の送りものによく使われます。神戸に近い西宮で育った私にこのケーキはとくになじみが深く、誕生日やクリスマスパーティの定番としてみんなで食べたものです。

 

その時間を積み重ねた形のケーキを「買った日の翌日まで」には食べ切ってほしいというのが「治一郎」の「切りたてバウムクーヘン」。フレッシュであることを徹底追及した結果、店頭で切ったものを密封せずお客様に手渡すスタイルになりました。

 

大きなバウムクーヘンを買って、二人家族で食べきれるかなぁと考えていたら、仕事仲間がこうささやく。「大丈夫です。信じられないくらいしっとりしてますから。パサパサじゃないのですぐに食べちゃいます。」

 

説明書を読めば「飲みものいらずで、食せるほどのしっとり感」と書いてあります。本当かな?大切に平らに持ちながら静岡から帰宅。飲むものも用意せず、早速口に運んでみました。「噛む」という行為ではなく、上の歯を下の歯にめがけて、ゆっくりおろしていくだけで、バウムクーヘンがやわらかく形を変えながらついてきます。

 

心地よい微弾力のしっとり感に続いて濃厚な香りが広がり、バウムクーヘンによくあるパサパサ感はまったくありません。それでいて、噛むほどに軽妙で、重厚で、甘くて、さっぱりしているおいしさが口全体に広がっていきました。

 

さすが「職人技の傑作」と銘打つだけのことはある。きっとこれを作るまでに「治一郎」は、おいしさの年輪を積み重ねてきたのでしょう。

 

うまかった。「幸福な時間」までをもしっとりと、ずっしりと頂いた気分になりました。

※掲載情報は 2017/05/07 時点のものとなります。

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キュレーター情報

ひきたよしあき

スピーチライター/コラムニスト

ひきたよしあき

(株)博報堂で、広告クリエーターとして働くかたわらで、「朝日小学生新聞」などにコラムを書いています。出張、撮影、講演で全国を回りながら、おいしいものを送ったり、頂いたり。誰かに何かを送ろうとする時、そこに素敵なエピソードが生まれます。高い安い、有名無名に関わらず、できればその一品にまつわる物語までお伝えしようと思っています。皆さんからの情報もお待ちしています。主な著書「あなたは言葉でできている」(実業之日本社)「ゆっくり前へ ことばの玩具箱」(京都書房)「大勢の中のあなたへ」(朝日学生新聞社)

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