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ワインとチーズとハチミツのマリアージュ
1980年代は東京のフレンチが人気になりはじめた頃で色々なことを教わりました。食事の〆はチーズとデザートですが、本来は残った赤ワインを飲むためにチーズをたのんでデザートを頼むともう、お腹が一杯で食べられなくなってしまいます。
そんなある時に、食事をしていたレストランで、シェフに「チーズをいただくと、お腹が一杯でデザートはもう食べられない、でも、甘いものも欲しい」と、言ったところ、シェフが、良い方法を教えてあげましょう、と、ブルー(青カビのチーズ)の脇に黄味がかったものが添えられたもの出されたのです。
シェフに「この黄味ががったものは、ハチミツ?」と聞くと「美味しいからチーズの上にハチミツをかけてみてください」と、言われるがまま、ブルーチーズにハチミツをかけてみました。
するとこれが、びっくりするくらいに美味しかったのです。ブルーの独特の香りと味が、ハチミツの優しい甘味とマッチングして、デザートに変身した瞬間でした。
それ以来、このチーズとハチミツの組み合わせが気に入り、最近はレストランではオーダーしませんが自宅で食後の楽しみに専らワインではなく、ウィスキーのお供にしています。
日本のレストランで海外からのチーズをいち早く紹介して輸入した会社に、フェルミエがあります。ここフェルミエのオーナー本間るみ子さんなくしては、チーズの世界を語れないと言っても過言ではないほど本当の先駆者なのです。
1985年に(株)フェルミエを設立し渋谷のお店を開店して、今では全国に直営店が5店舗もあり、フランスから、チーズに貢献し、多くの名誉叙勲をいただいているのです。
フランス料理の最後にチーズがなければ全く“しまらない”ものになります。フェルミエの本店は愛宕山にあり、ここは、NHKの放送の最初の発信地でもあるのです。その本店でチーズを見ていた際に、見つけたものが今回ご紹介するハチミツなのです。
名前でホレた!シャンパーニュ産ハチミツ
まず、名前に引かれたのです。「シャンパーニュ産ハチミツ(MIEL DE LA CHAMPAGNE)」。もう、頭の中ではシャンパンの泡とチーズの香りにハチミツの渾然一体となったマリアージュが浮かんで、喉がごくりとなりました。
シャンパーニュ地方で季節の花々から採取されるハチミツは、あまりクセのない穏やかな風味なのです。シャンパーニュ地方のハチミツは、ひまわりから蜜蜂が採取してくるモノが多く、フランス人はひまわりミツを「太陽のミツ」と呼ぶのだそうです。
やはり、ワイン作りの産地ではハチミツも多く採れるようです。これから、ワインの生産地のワインと地元のチーズに、そこで採れたハチミツの組み合わせは楽しそうです。
フェルミエの本間さんにお話を伺うと、今はだんだん食後にチーズを食べない傾向にあるそうです。元々チーズは食後と決まっている訳ではなく、アペリティフやオードブルでも良いのですと。
世界的にミツバチがだんだん生存しにくい環境変化や養蜂業者の減少等で大分危機的な状況のようです。美味しいハチミツはよりより自然環境があって成り立ちます。花々とミツバチの共存出来るようになりたいものです。
※掲載情報は 2017/04/07 時点のものとなります。
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キュレーター情報
アートディレクター・食文化研究家
後藤晴彦(お手伝いハルコ)
後藤晴彦は、ある時に料理に目覚め、料理の修業をはじめたのである。妻のことを“オクサマ”とお呼びし、自身はお手伝いハルコと自称して、毎日料理作りに励んでいる。
本業は出版関連の雑誌・ムック・書籍の企画編集デザイン制作のアート・ディレクションから、企業のコンサルタントとして、商品開発からマーケティング、販促までプロデュースを手がける。お手伝いハルコのキャラクタ-で『料理王国』『日経おとなのOFF』で連載をし、『包丁の使い方とカッティング』、『街場の料理の鉄人』、『一流料理人に学ぶ懐かしごはん』などを著す。電子書籍『お手伝いハルコの料理修行』がBookLiveから配信。
調理器具から食品開発のアドバイザーや岩手県の産業創造アドバイザーに就任し、岩手県の食を中心とした復興支援のお手伝いもしている。