もちもち三角バター餅
みうら庵:住所 秋田県北秋田市小又字堂ノ下21-4
「小腹すいちゃったなぁ」というときに嬉しいおやつのひとつ、秋田県の『バター餅』。初めて口にする人は、とにかくその食感に驚くと思います。フワフワで、にゅ〜っとよく伸びるのが特徴。知らずに食べて『すあま』と間違える人もいらっしゃいますが、もっとクリーミーでふんわり甘いお餅とでも言いますか……。その正体は、お餅にバターと卵黄、お砂糖を加えたもの。バターがしっかり入っていても脂っこくはありません。ハワイにも『バター餅』という食べ物がありますが、それとは別モノです。
『バター餅』は、北秋田市のごく一部、地元でも知る人ぞ知る食べ物でした。元は冬に狩猟をするマタギの携行食だったんです。秋田の冬を想像していただければおわかりかと思いますが、おにぎりや普通のお餅はカチコチになってしまいます。「お餅にバターを入れると時間が経ってもお餅がかたくなりにくい」ということで、狩りのために山に入るときに重宝したようです。
数年前にテレビ番組で紹介されてから一気に知名度が上がり、地元でも大人気。現在はいろんなメーカーが製造・販売しており、美味しいバター餅を競い合う『BM -1グランプリ』(BM=バター餅)が行われるほどになりました。
卵黄が入っているので夏場は常温保存が難しいですが、そんなときは冷凍をおススメします。さすがマタギの携行食だけあってかたくならない!食べたいときに取り出してすぐに食べられるので、とっても便利です。お子さんのおやつにもピッタリ。但し、冷たいのはどうにもなりません(笑)。大人はカロリーがちょっぴり気になりますが、一度食べるとそんなこと考えられず、つい「もうひとつ……」と手が出てしまう美味しさですよ。
特に印象に残っているのは、このみうら庵の「もちもち三角バター餅」。バター餅は何種類か食べていますが、大抵は四角で三角形のものは初めてでした。また2012年に設立されたバター餅協会主催の、「BMセレクション2012プロコンテスト」で上位4点の一つに選ばれています。皆さんに支持されているだけあって、ふんわりとした柔らかさと優しい甘さが、ひときわ魅力的です。
みうら庵:住所 秋田県北秋田市小又字堂ノ下21-4
※掲載情報は 2015/05/17 時点のものとなります。
ご当地グルメ研究家/リサーチャー/日本外食リサーチ&PR協会
椿
日本全国の美味しいモノを世の中に残すために日々奮闘中。「その地域で長く愛されているローカルフード」を探し、そこに如何に根付いているのかを研究。
テレビ番組、WEB、雑誌、イベントで、地域の食や最新グルメ情報のリサーチ・取材・寄稿・レシピ提供・情報発信などを行っている。
2013年より気仙沼の海の中に純米酒を沈めて熟成させる「海中貯蔵プロジェクト」を行う。