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マジパンって?
日本ではまだそれほどたくさん食べることのないマジパン。ドイツ語から来たマルチパンという言い方も知られているようですが、ドイツ語ではMarzipan(マルツィパン)と書きます。名前の由来はいくつかあるようで、ラテン語のMarci panis(マルコのパンの意味)、ペルシャ語のmarzbānまたはmärzäpan(辺境伯の意味)、さらにギリシャ語のmazaまたは massa(粉で作った粥のようなもの)から来ているという説があります。
マジパンはアーモンドと砂糖でできたペースト状のスイーツまたは製菓材料。土台となるマジパンをドイツではマジパンローマッセと呼び、ここにさらに砂糖、ラム酒などを加えて成型したり、用途によってはさらに色を付けて数々のフィギュアを作ったり、チョココーティングしたりします。甘すぎると感じる人もいるようですが、丁寧に作ったマジパンはとても美味しいのです。
ドイツ人はマジパンが大好き
ドイツ人はマジパンが大好きです。チョコに入ったり、デコレーションケーキをコーティングしたり、あるいはそのまま食べたり、日本でもおなじみのシュトレンにも入っていますね。
ドイツにはマジパンで有名な町があります。一つは北ドイツのリューベック。リューベッカー・エーデルマルツィパン(Lübecker Edelmarzipan、エーデルは高貴な、優良な、の意味)という名称は保護されており、リューベックあるいは周辺の特定の地域で作られたものだけに付けられます。またマジパンローマッセが90%以上、砂糖は10%まで使われていることが条件です。
もう一つ有名なマジパンはケーニヒスベルク、現在ロシアのカリーニングラードのケーニヒスベルガー・マルツィパン(Königsberger Marzipan)です。こちらは原産地保護には指定されていませんが、型抜きし、砂糖やフルーツで飾りつけをして、表面に焼き色を付けるのが特徴です。
ベルリン、レムケ社のマジパンから新商品
ベルリンでおよそ100年前に創業したレムケ社。日本へも輸入され、製菓材料として愛用されています。
先日大阪で開催されたモバックショウに出展されていたのを発見。なんと新商品として、チェリージュースやペースト、果肉を練り込んだチェリーマジパンが紹介されていました。
早速試食をさせてもらうと、甘いマジパンにチェリーの酸味が重なり、とってもいい味わい。さらにきれいな赤紫色にも惹かれます。このまま薄く伸ばしてハート型などでくり抜いてお菓子のデコレーションなどに使えますね。
マジパン好きもそうでない人も、ぜひ一度お試しください。
※掲載情報は 2017/03/10 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ドイツ食品普及協会 代表
森本智子
ドイツ在住11年、日本帰国後はドイツ農産物振興会日本事務所にマーケティングマネージャーとして勤務。2010年同団体の解体を機に独立、株式会社エルフェンを立ち上げドイツ食品・飲料の輸入・販売サポート、展示会の出展サポート・コーディネート、ドイツの展示会、会社訪問のガイド・コーディネート、ドイツ食文化セミナーの開催、ドイツの食の情報発信に関わる活動を行っています。
株式会社エルフェン:http://elfen.jp/
一般向けのイベントではドイツ大使館主催「ドイツフェスティバル」の立ち上げ、運営メンバー。
日本ではただひとり、ドイツ ドゥーメンス・アカデミー認定ディプロム・ビアソムリエの資格を持つ。
なかなか日本では知られていないドイツのおいしい物をご紹介していきたいと思っています。
著作:フォトエッセイとイラストで楽しむ ちいさなカタコト*ドイツ語ノート 国際語学社
ドイツパン大全 誠文堂新光社
http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=5380