記事詳細
紹介している商品
かつお出汁を世界に発信する出汁取りセット
世界で和食がブームといっても、当の日本人はどれほど日々、和食を食べているかは甚だ疑問です。日本人ほど、敏感な味覚をもっている民族はいないのではないでしょうか。「甘い・辛い・酸い・苦い・塩辛い」の五味の他に、「旨味」を感じる繊細な舌は、添加物や化学調味料といった作られた旨味により、狂ってきているといわれています。
東京の晴海には東京鰹節センターがあり、蕎麦屋、料理屋、専門店向けに様々な鰹節屋が軒を並べ、競りもここで行われています。そのなかの1軒に『かつお節のタイコウ』があります。かつおの一本釣り製法にとことんこだわる一匹狼、いや一匹鰹?
昨今の発酵食ブームでも意外にも知られていないですが、「かつお節」は世界でも有数の固い発酵食品です。正しくは、カビ付けされた本枯れ節のみが発酵食品なのです。
「美味しい出汁取りのコツは?」と『かつお節のタイコウ』の代表の稲葉泰三氏に尋ねると、「素材を越える加工方法はないからな」と答えられました。つまり、出汁は取り方より、「素材」が優先されるということです。そこで稲葉氏が考えついたのが「だしこころ」。ド素人でも上級者の美味しい出汁が引ける簡易出汁セットです。
稲葉氏は、世界に日本の出汁を伝えたいとの想いから、このセットには、出汁の取り方の英語説明文が入っています。稲葉氏は、かつお節問屋の傍ら全国各地で年間30回以上も「出汁取り講座」を開催しています。
昨年、稲葉氏からのお誘いで鹿児島県枕崎市のかつおの入札会、本枯れ節の生産者である名匠・宮下誠氏の元まで同行しました。その製法、包丁さばきは“お見事!”という他ありませんでした。そんな本枯れ節をこんなパックに詰めてよいのかと思うほど。
実際に出汁を取ってみると、その味合いは本格的で驚きます。「出汁取り」と表現していますが、本当は「出汁を引く」と言います。つまり、素材の旨味を引き出すものが出汁なのです。商品説明書の最後に、「普段から出汁に親しんでいる方は買わないでください」との粋な文章に、思わず“くすっ”と笑ってしまいました。
天然真昆布、一本釣りかつお節を粉砕加工したパック、見かけはめっぽうインスタント。でも味は本格的!海外の方へのお土産に、出汁を取ったことのない出汁取り初心者の方の教材としていかがでしょうか?
問い合わせ先
商品内容:一本釣りかつお節(枯れ節)2袋、天然真昆布1枚
価格:1,000円(税抜き)
電話番号:03-3533-4834
※掲載情報は 2017/03/04 時点のものとなります。
- 5
キュレーター情報
料理家/フードディレクター
タカコナカムラ
山口県の割烹料理屋に生まれる。
アメリカ遊学中にWhole Food(ホールフード)に目覚める。
日本の伝統食・発酵食、乾物料理の第一人者として、数多くの商品開発や、オーガニックカフェのプロデュースに関わる。
現在、食と暮らしと環境をまるごと学ぶ「タカコ・ナカムラWhole Foodスクール」を主宰。
通信講座(がくぶん)では、
「野菜コーディネーター」「発酵食スペシャリスト」
「AGEフード・コーディネーター」など食と美や健康に関する講座を多数監修。
一般社団法人ホールフード協会 代表理事