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「旅する料理人」と呼ばれている太田哲雄シェフ。シェフは、主にイタリア北部に13年ほど、その後スペインのエルブリ、ペルーのガストン・アクーリオの元で料理修業をし、昨年帰国しました。この1年は出張料理人、そして、イタリア家庭料理教室を開催。時々は小さな私の家でお料理教室などをやってくださっていました。
お料理に対して、そして主に食べに来る生徒のみんなに対して、惜しみなく愛情を注いで丁寧に教え、また、お料理してくださいました。
シェフのお料理は、家庭料理を基本にしているのでとてもやさしいのです。もちろん最高に美味しくて、いつまでも食べ飽きない味。あ〜、今思い出しても食べたい(笑)。
そして、最近ついに太田シェフのお店が完成しました。1階がレストラン、2階がお料理教室とお菓子を作る工房になっていて、そちらでシェフとパティシエの2人でひとつひとつ丁寧に作っています。
それがこの「フォンダンカカオ」。主要な材料になるカカオは、シェフ自らペルーのカカオ村に行って、輸入する手はずをつけました。そう、現地の生産者さんの農園に行き、直接やり取りして選んでいるのです。完全無農薬のクリオロ種という珍しい種類のカカオだそうです。
昨年、太田シェフがペルーにいらっしゃるとのことで、リマでご一緒しました。いろいろ美味しいところを案内していただき、南米最大の食の博覧会にも連れて行っていただきました。それはとても楽しい未知の経験でした。リマは都会ですが、シェフはアマゾンのカカオ村で、アマゾンの川の水を飲み、現地の人たちと寝食を共にします。私も友人とリマに行く前にアマゾンに4日間ほど行っていたので、どんなにハードなものだったか、容易に想像がつきます。すごい!シェフ。
かんじんのお菓子の話に戻って……。
このフォンダンカカオは、カカオ100%。粉を使わず、カカオ、バター、牛乳、卵、きび砂糖、カカオパウダーで作っています。ネットでオーダーすると、このあたりの日程に届きますよと返信が来て、待ちに待ったお菓子が冷蔵で届く仕組み。
袋をあけると、魅力的な濃いピンクのボックスに”FONDANT CACAO”のラベルが。センスいいな、このピンクにまず惹かれます。
箱をあけると、しっとりどっしりしたダークブラウンのお菓子が登場です。ナイフで切ると、やわらかいのでどうしてもスッとは切れない。
なんとか切り分けて、お皿に盛ってひとくち。濃厚な香りと舌触りですが、舌の上ですっと溶けていきます。
少し重いムースみたいな感じですが、後味はさわやか。これがカカオ100%のすごさなのでしょう。
あ〜、美味しい。
カカオの風味を生かすためなのでしょうか。甘さが控えめなので、お茶ばかりでなく、ブランディなどのお酒にも合いそうですし、食後の甘口ワインPassitoなどにも合いそうです。
私はお茶の時間、このお菓子にマリアージュ・フレールのマルコポーロのストレートティーを合わせるのが好きです。
ちょっと一段落したときのお茶の時間に、このお菓子があったら幸せ。デザートに小さな一切れがあったら幸せ。
みなさんにこの幸せを、おすそわけしたいなぁ。
※このほかにカカオニブ入りキャラメルポップコーンもあります。
これも大人のキャラメルポップコーンで、止まらない美味しさです!
PACHAMAMA(パチャママ)
フォンダンカカオ (1本¥3,024【送料別】)
※掲載情報は 2017/02/18 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードカルチャープロデューサー
博多玲子
東京生まれの東京育ち。上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒業。
なんとなくポルトガル語学科に入ったのと同様、大手出版社に入社。仕事をしてみたら、編集の仕事の面白さに目覚め、『LEE』『Marisol』などの創刊に携わる。以来、長年女性誌、ビジネス書などの単行本の企画・編集を手がけた後、独立。担当範囲は、食、住、旅など。
現在は、書籍や雑誌の企画編集ライティングを手がけるかたわら、玉川高島屋・玉川テラスにてエディターの目線で面白いテーマを取り上げる「博多玲子サロン」で、セミナーをほぼ毎月開催。
個人的には、人気シェフのお料理教室や、「ぐうたら料理サロン」にて自身の料理教室や食事会を不定期開催。また、企業のアドバイザーなども手がける。
今まで地方にたびたび取材や旅行に行き、素晴らしいものが埋もれていることを実感。これからは本当に役立つ地方活性に力を入れていきたい所存。
手がけた書籍:
『タニアのドイツ式整理術完全版』(集英社)
『ザ・サンドイッチ・レシピ』『HOME PARTY 料理と器と季節の演出』(世界文化社)
『りんごLovers』『まいにち、パン。』(主婦と生活社)など