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四季にあわせてカカオの配合を変える日本発のショコラ
この時期、コンビニでもスーパーでも、あちこちで見かけるのがチョコレート。そう、明日はバレンタインデーなのだ。先日、途切れることなくチョコを求めに来る人で賑わうお店を見つけた。今回はバレンタインデーの歴史とともに、そこで心を打ったかわいいチョコレートをご紹介したい。
日本では、女性が男性への愛の告白としてチョコレートを贈る。これは昭和30年頃にさかのぼる。バレンタインデーにチョコレートを購入すると時計が当たるなど、当時は豪華な景品を用意したメーカーもあったという。こうして、多くの製菓メーカーのプロモーション活動により、好きな男性にチョコレートを贈る習慣が定着していった。
一方、海外での聖バレンタインデーは、バレンタイン司祭の死を悼む宗教的な行事だった。3世紀、バレンタイン司祭は当時の皇帝が強兵策として兵士の結婚を禁止していたことに反対。多くの兵士たちを結婚させたことが皇帝を怒らせることとなり、殺されてしまったのである。この日をローマカトリック教会では祭日として、バレンタイン司祭を敬う日とした。14世紀になると愛の告白をする日として、その意味は変化をとげていく。
好きな人にプロポーズをしたり、告白をしたりする海外。女性がバレンタインデーにチョコレートを贈るのは日本独自の文化。同じバレンタインデーでも、その意味は全く違うのだ。GODIVAなど海外のメーカーも、バレンタインデー用にゴールドに輝くパッケージのチョコレートを取り揃えている。その中で、11年前に日本で生まれた初のショコラ専門店がある。代官山に第一号店をオープンさせ、今では16店舗へと成長。海外のチョコレートメーカーが一年中同じ材料を使うところ、BEL AMERは日本の四季に合わせてカカオを配合。一年を通じて常に味に変化をさせることで、日本人の味覚に合わせている。もちろん、バレンタインデーの2月には、それに合わせた配合で、最高の愛の告白を演出してくれる。それが、BEL AMERのパレショコラボヌールだ。
BELは「美しい」、AMERは「苦み」という意味を持つ。まさに、カカオの苦みを美しく表現。パッケージのリボンの結び方が愛らしく、目を引く。
BEL(ベル)は美女と野獣に出てくるヒロインの名前でもある。魔女により醜い野獣に姿を変えられてしまった王子。その魔法を解くには「真実の愛を見つけること」。そんな野獣の前に現れたベルは、時間をかけて野獣を心の眼でまっすぐ見つめることになる。ハッピーエンドに思えた瞬間、二人には死という試練がおとずれる……。
「BEL AMER」=「美しい苦み」。恋愛は、せつなくて苦い。それでも、そこに心躍る瞬間があるから、人は人を愛さずにはいられない。純粋で真実の愛を見つけた時、人は少し強くなれる。でも、それが相手に受け入れられると思えるまでは、苦みがともなう。
この本命の相手に何も言わずにそっとパレショコラボヌール渡し、もしこのフランス語の意味を理解してもらえたとしたら。
バレンタイン限定のパレショコラボヌールには、5種類のショコラが入っている。社名は日本人の心が隠されているが、ショコラは全身で愛情を表現しているように見えた。ミルクチョコ、ビターチョコをベースにし、個性的なデザインと鮮やかな彩り。その中で、私が一番心を惹かれたには「ハートローズノワール」。BEL AMERオリジナルのカカオ分68%ビターチョコをベースに、ハート型をしたローズの香りのホワイトチョコが上品に添えられている。パールのような輝きが、深紅のハートを囲むように散りばめられている。
パールは母貝の苦しみの中から生まれる宝石と言われ、困難を克服し美に変えると言われている。それがハートを包み込み、見守っているようだった。一口目は甘さ控えめに感じるが、二口目になるとちょうどよい甘さが口に広がる。ウィスキーなどと一緒に食べると、ほんのりとウィスキーの香りが広がるのが分かる。甘いものが苦手な男性にもおすすめだ。
告白をすることは、ちょっと怖い。でも、それこそが「美しい苦み」なのかもしれない。
※掲載情報は 2017/02/13 時点のものとなります。
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キュレーター情報
発酵料理研究家/観光連盟アドバイザー
高橋香葉
「日本人の体を健康できれいにするには、日本伝統文化の発酵食が一番良い」として発酵料理の研究に取り組む。テレビ、雑誌、書籍などを通じて、発酵食品の良さを伝える普及活動を行っている。
日本で初めて、米麹と醤油をあわせた新調味料「しょうゆ麹(醤油麹)」の作り方とレシピを公開し、発酵業界に新しい風を入れた。その活動は、フードアクションニッポンアワード販促部門を受賞。その後、読売新聞にて「オンリーワン」として掲載された。
現在は、日本全国を回り、全国の発酵食品だけでなく温泉巡りをし、日本の伝統文化を勉強している。
自治体の観光連盟アドバイザー、特産品開発審査委員などを歴任。市場調査から、販売戦略、プロモーションなどのマーケティング講師も行っている。フードアナリスト協会「食のなでしこ2016」。
主要著書:
◎「しょうゆ麹と塩麹で作る毎日の食卓」(宝島社)
◎リンネル特別編集「しょうゆ麹で作る毎日のごちそう」(宝島社)
◎「知識ゼロからの塩麹・しょうゆ麹入門」(幻冬舎)
◎おとなのねこまんま555(アース・スターブックス)等