ロシア・バシキール産の天然非加熱はちみつ
-
日本の伝統食品を紹介する食展覧会のスタッフとして、11月半ばにニューヨークへ行ってきました。終了後にオフタイムをいただき、ブルックリンやクイーンズのいろいろなエスニックタウンを訪ねて食材店で買い出しを。販売されている食材は移民の人々の生活品なので、豊富な種類と本国とあまり変わらない値段が、私にとっては魅力的なのです。
さて、今回訪れた場所のひとつが、ブライトンビーチにあるロシア人街。キリル文字の踊る看板や、ロシア製品だけのスーパーマーケットなどがある、エキゾチックでちょっと不思議な街です。一番のお目当ては、ロシア南西部のバシキール(バシコルトスタン共和国)産の天然の非加熱はちみつでした。自然豊かなバシキールは高品質なはちみつの産地で、ロシアでは栄養価の高い、滋味あふれる味わいが知られています。中でもバシキール産の野生はちみつは、その希少性で世界一高価といわれているそうです。
こちらは12ドルほどの普通のお値段のフラワーハニー(百花蜜)ですが、コストパフォーマンスが素晴らしい。それに、ロシア正教会の主教様に認証された製品とのことで、スペシャル感があります。
さて、このはちみつを日本で購入できるかどうか探してみたのですが、あいにく見つけることができませんでした。ただしシベリアなど他地域のロシア産はちみつは日本でも買うことができるよう。ロシアは養蜂の長い歴史を持つ、知られざる優れたはちみつの宝庫ですので、もっと日本でも知名度が上がることを願いたいところです。
-
※掲載情報は 2016/12/02 時点のものとなります。
各国・郷土料理研究家
青木ゆり子
雑誌「ぴあ」等の記者を経て料理に目覚め、2000年に「世界の料理 総合情報サイト e-food.jp 」を創設。以後、各国の「郷土料理」をテーマに、サイト運営、執筆、レシピ研究および開発、在日大使館・大使公館での料理人、料理講師等などに携わる。
地方色あふれる国内外の郷土料理の魅力を広く伝えるとともに、文化理解と、伝統を守り未来につなげる地域活性化をふまえて活動を行っている。
「世界の料理レシピ・ミュージアム」館長。著書「しらべよう!世界の料理 全7巻」(ポプラ社)、
「日本の洋食~洋食から紐解く日本の歴史と文化」(ミネルヴァ書房)。