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長崎で江戸時代から続く蔵元は、国指定有形文化財
日本酒好きとしては、全都道府県の純米酒を飲んでみたいと思う今日この頃。しかも、江戸時代から続く蔵元の作品と聞くと、それだけでワクワクしてきます。東京ではあまり知られていないかもしれませんが、長崎にも歴史ある蔵元があります。そのうちの1軒が、今里酒造株式会社。創業は1772年(安永元年)ごろというから江戸時代後期ですね。長崎県の北東部佐賀県境に位置する東彼杵郡波佐見町は周囲を山に囲まれた静かな盆地。その波佐見町に残るただ一社の醸造会社です。建物が凄い。増築を繰り返して現在は十数棟からなる醸造建物群を形成しています。しかも、その内6棟の建物が国の登録有形文化財に登録されています。銘柄は昭和9年に誕生した「六十餘洲」という日本酒。以前日本には60余りの国々があったことから、日本全国という意味合い。日本中の皆様に飲んでいただきたいという想いをこめて名付けられたそう。純米大吟醸、大吟醸、純米吟醸、吟醸、純米酒、特別純米酒、本醸造、本醸造生貯蔵酒、そして季節限定の、にごり酒。
山田錦100%、精米50%なのにお得な価格設定
このうち僕が特にオススメするのが「六十餘洲 純米吟醸 山田錦」。全体的に長崎のお酒は、やや甘めのタイプが多いです。ですが、今里酒造のそれは、たしかにやや甘めながらどっしりとした深みもあるのが特徴。特にこちらは山田錦100%なので、山田錦本来の旨味がしっかりと感じられます。それでいて、精米50%というのもあって、フレッシュな後味が楽しめます。ちなみに「SAKE COMPETITION 2015」の純米吟醸部門で、GOLD受賞。さらに凄いのは、これだけの高スペックでありながら、720mlで1600円(税別)というお得な価格設定なのです!
※掲載情報は 2016/11/30 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードジャーナリスト
はんつ遠藤
東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は8000軒を超える。全国のご当地グルメの知識と経験を活かし、ナムコのフードテーマパーク事業にも協力し、現在、東京・大手町のご当地やきとりテイスティングパーク「全や連総本店 東京」の名誉館長も務める。『日経トレンディ』にてトレンドリーダーにも選出。「週刊大衆」「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』(幹書房)、『おうちラーメンかんたんレシピ30』『おうち丼ぶりかんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』など25冊。