世界のクリスマスは日本とは違う!?知っておきたい本家と分家の違い

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今回は海外のクリスマス事情についてご紹介します。

 

クリスマスとは「キリスト(Christ)のミサ(mass)」の意味で、イエス・キリストがご生誕された日としてお祝いされています。クリスマスは英語ですが、ラテン語を語源とするフランス語の「Noel」とイタリア語の「Natale」は、「誕生日」を意味する言葉、ドイツ語では「Weihnacht」と呼ばれ、「聖夜(キリストが生まれた夜)」の意味する言葉が使われています。

 

日本のクリスマスは、チキンといちごのショートケーキが典型的なクリスマスディナーですよね。ヨーロッパの国々ではその歴史が長い分、古くからの伝統的な食べ物が多いようです。ドイツのシュトレンやフランスのブッシュ・ド・ノエルなどは日本でも良く知られています。今回は、各国の大使館やキュレーターからご紹介いただいた海外のクリスマスのグルメと共に、それぞれの国のクリスマスの雰囲気をご紹介します。

【ドイツ】ドイツのクリスマスには欠かせないシュトレン

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ドイツでは、地域毎に何百年にもわたり受け継がれてきた様々なクリスマスの習慣があります。クリスマスの時期には、クリスマスマーケットが開催されて、街中がクリスマス一色になります。

 

そんなドイツのクリスマスに欠かせないのが、シュトレン。シュトレンは「アドベント(待降節)」と呼ばれるクリスマス4週間前から作られる事が多く、クリスマスまでに少しずつスライスして食べます。ドライフルーツやナッツの甘みが徐々にパンに浸透していくので、作ってから時間がたつほど、味に深みが出てきます。また、日持ちもよく一般的には3週間~4週間程度なのも特徴的です。最近ではパン屋さんでもシュトレンを作っているところもありますので、チェックしてみてください。

【ドイツ】蜂蜜で味付けするもうひとつのドイツのクリスマス菓子「レープクーヘン」

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ドイツではクリスマス時期にいろいろなお菓子を食べます。クリスマスクッキーもいろいろあり、家庭でたくさん焼いてアドベントの時期には、クリスマスを待ちながら食べたりします。実は、日本では年中食べているご存知バウムクーヘンも、ドイツではクリスマス菓子の一つだそうです。実はこの時期以外には、ある一部の地域を除いては全く食べないそうです。

 

今回ご紹介するレープクーヘン(Lebkuchen)は、牛乳や卵、バターなどの油を使わずに焼くお菓子です。ナッツやスパイスをたくさん入れ、甘みを蜂蜜で付けたお菓子です。アニス、フェンネル、ショウガ、カルダモン、コリアンダー、メース、ナツメグ、丁子、ピメント、シナモンと多数のスパイスを使用したドイツ伝統のお菓子です。

【フィンランド】フィンランド語で「クリスマスのパイ」という意味のパイ菓子「ヨウルトルットゥ」

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サンタクロースの故郷とも言われるフィンランド。フィンランドのラッピ州には、その名も「サンタクロース村」があり、毎年数十万人もの観光客が世界中から訪れます。また、冬のフィンランドでは暗闇の中に浮かび上がる雪景色、空にまたたく星と、氷で作ったランタンが道を照らし、穏やかなクリスマス・シーズンの雰囲気を盛り上げます。

 

クリスマス期間中、もちろん豪華なディナーで食卓を彩りますが、忘れてはいけないのがクリスマススイーツです。ジンジャーブレッドクッキーや、チョコレートはクリスマスの定番ですが、どこの家庭でも作られているのが「ヨウルトルットゥ」です。フィンランド語で「クリスマスのパイ」という意味で、クリスマスツリーの星に見立てた可愛らしい形のパイ菓子です。「ヨウルトルットゥ」で、フィンランドの素朴なクリスマスを楽しんでみませんか。

【ノルウェー】親子で作るジンジャーブレッドハウス

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キリスト教の伝統に基づいたノルウェーのクリスマスは、家の中を隅々まで掃除してクリスマスの飾り付けを済ませ、7種類の異なるケーキやクッキーを焼くのが、伝統的なアドベントの過ごし方だそうです。

 

実はノルウェーでクリスマスツリーの飾り付けをするのは、「リトル・クリスマスイブ」と呼ばれるクリスマスイブの前日だそうです。このリトル・クリスマスイブに作られるのがジンジャーブレッドハウスです。ノルウェーではこのジンジャーブレッドハウスを家で、親と子供たちで作るのが伝統となっているそうです。このジンジャーブレッドハウスの作り方は、以下のノルウェー大使館の記事に記載されていますので、ぜひご参考にして親子で一緒に作ってみてはいかがですか。

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【ポルトガル】メインよりも甘いデザートが主役のポルトガルのクリスマス

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ポルトガルのクリスマスも、ヨーロッパの他の国と同様に一年で最も大きなイベントです。かつてポルトガルでは、プレゼントをくれるのはサンタクロースではなくキリストという設定だったそうです。日付が24日から25日へ変わるとみんなでプレゼントを開き、その後おめかしをして家族揃ってミサへ出かけるのが恒例です。多くがカトリック教徒であるポルトガルではイブの夜は特別で、いつも通っている教会よりも大きな、その町でメインの教会へ足を運んで特別なミサへ参加するそうです。

 

ポルトガルの伝統的なクリスマス料理は、24日のディナーでいただきます。魚の「タラ」を使った料理が豊富で、デザートが重たい分、メインディッシュは比較的軽めのものが多いそうです。ポルトガルのクリスマスの食べ物は、デザートがとても豊富です。今回はその中から「パステル・デ・ナタ」と王様のケーキと呼ばれる「ボーロ・レイ」をご紹介します。

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こちらの「パステル・デ・ナタ」は、「ベレン」というリスボンの中心から少し離れた町の修道院で作られたお菓子。もともとは洗濯した後の衣類やシーツののり付けに卵白を使い、黄身がたくさん余ってもったいなかったので作られたお菓子なのだという逸話があります。

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こちらの「ボーロ・レイ」は、レーズン、くるみ、チェリー、オレンジの皮、レモンの皮がぎっしり詰まった見た目もカラフルで美味しいお菓子です。「ファヴァ」はそらまめの砂糖煮になっています。イーストには自家製酵母を混ぜ、ポルトガルの伝統的な焼き方で仕上げました。作り方にも素材にもこだわったボーロ・レイです。

【ハンガリー】伝統的なクリスマスのお菓子ハンガリー的ロールケーキ「ベイグリ」

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ハンガリーのクリスマスは、住宅街の静かな雰囲気と王宮が魅力のブダ地区に比べて、商店や繁華街が多いペスト地区が華やかなお祝いムードに溢れます。国立オペラハウスでは、連日「くるみ割り人形」の演目が行われ、教会や聖堂では連日コンサートが催され、クリスマス前は街中で冬の芸術を楽しむ人々で溢れるのが、街の風物詩となっています。

 

そんなハンガリーでクリスマスと復活祭には、ベイグリと呼ばれるロールケーキを食べます。ロールケーキといっても日本のロールケーキとは違い、中にクリームが入っているものではありません。胡桃やレーズン、芥子の実などのドライフルーツやナッツを練りこんだケーキで、中にはパンに近いものも。材料に使われる芥子の実は独特の食感で、甘みも抑えられた味わいです。いつもと違ったクリスマススイーツで東欧ハンガリーのクリスマスの気分で祝ってみるのもいかがですか?

【オーストリア】マリー・アントワネットが愛したこの「キプフェル」

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オーストリアのクリスマスもドイツと同様に街中にクリスマスマーケットが開催されて、クリスマスツリーに飾るオーナメントやハート型のクッキー(レーブクーヘン)などさまざまの屋台が立ち並びます。

 

実は、誰もがクリスマスに一度は歌ったことのある『きよしこの夜』。この歌は、ザルツブルクから北に約17km離れたオーストリアの小さな村で生まれたそうです。

 

フランスのルイ16世の元へ嫁入りマリー・アントワネットは、嫁入りの際にオーストリアからお菓子職人を連れて行くほど大のお菓子好きでした。そんな彼女が多くの菓子の中から、特に三日月の形をしたウィーン菓子「ヴァニラキプフェル」をこよなく愛したと伝えられています。「キプフェル」に、バター、粉糖、アーモンドパウダー、小麦粉にヴァニラビーンズを加えて作られる「ヴァニラキプフェル」。粉雪のような砂糖を表面にまぶしたバニラクッキーで、サクサクとした食感と合わせてクリスマスの雰囲気も楽しめる上品なお菓子です。

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【イギリス】英国のクリスマスに欠かせない、クリスマスプティング

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ロンドンで一番のショッピング街リージェントストリートやオックスフォードストリートでは、クリスマスイルミネーションが街を飾り、ハイドパークでは期間限定でウィンターワンダーランドの移動式遊園地や屋外マーケットが開催されます。クリスマスディナーの定番といえば、七面鳥。七面鳥はイブの夜からベーコンを巻かれ、オーブンの中でじっくりとローストされます。

 

そして英国のクリスマスに欠かせないのが「クリスマス・プディング」。スコットランドでは、このクリスマス・プディングの中に、幸せな結婚ができるといわれる6ペンス硬貨や裁縫の指ぬきなどをしのばせて焼き、硬貨と指ぬきを引き当てた独身の男女は運命の相手であるという言い伝えがあるそうです。クリスマス・プディングは単体ではとにかく甘くて、日本人とってはたくさん食べられないかもしれませんが、ブランデーやラム酒入りのクリームを添える食べ方が合っているようです。

【アイルランド】ディナーの始まりにはクラッカーを鳴らして!

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アイルランド人にとってクリスマスは、1年で一番重要なイベントです。移民として国外へ出ている多くの人たちも、国境を越えてふるさとに帰って来ます。12月24日は家中を掃除して忙しく過ごしますが、夕方には落ち着いて食事をします。12月24日の夜中12時からのミサが始まり、ここには普段教会へ足を運んでいない人たちもこぞって参加します。

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アイルランドならではの楽しみとして、ディナーの前に「クリスマスクラッカー」を鳴らします。中にちょっとしたジョークの書かれた紙、小さなおもちゃなどが「おまけ」として入っています。それを一通り楽しんだら、ディナーをいただきます。

【ブルガリア】クリスマスイブは肉類を食せず野菜が中心

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ブルガリアでは、クリスマスの40日前から断食をしてクリスマスに備える伝統があります。そして、クリスマスイブの12月24日と、クリスマス当日の25日では、食べるものが違うのも特徴です。断食期間中は肉類を食べないのが習わしで、乳製品やタマゴも避けます。このように動物性のものをとらない断食は年に2回あり、クリスマス前の断食と復活祭の前の断食がそれにあたります。クリスマス前に断食をしない場合も、24日の食事だけは肉類を避ける人がほとんどだそうです。

 

24日の料理は、いわゆるベジタリアンメニューです。ここで欠かせないのは、儀式につきもの『ピタ』と呼ばれるパンです。各家庭で手作りすることがほとんどで、パンの中にあらかじめコインを忍ばせて焼き上げ、祖母など家族の中で一番年上の女性がみんなの分を切り分けます。この時、コインが入っていた人には、健康と福が訪れ良い年になると言われています。

 

25日のクリスマス当日は肉も食べることができるので、チキンや豚を使った料理が多くの家で食べられています。挽き肉を使った料理もあります。地方の人たちにとってクリスマスは、1年間この日のために育ててきた「豚料理の日」でもあります。

 

そしてもちろん飲み物にはワインが用意されます。ブルガリアのワインの歴史は古く、ワイン作りの起源は4,000年以上前まで遡るといわれています。現在でもブルガリアの人々にとって、ワインはお祝い事などに欠かす事のできない生活の一部なのです。

 

ブルガリア大使館の記事では、ナイペルグ伯爵がブルガリアで手掛けたワインが紹介されています。

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【ブラジル】気温30度を超える真夏のクリスマス

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南半球のブラジルは、気温30度を超える真夏のクリスマスです。気候こそ日本と正反対ですが、カトリック教徒が非常に多い国ですので、クリスマスは国民的なイベントとして盛大に盛り上がります。なかでも南部のリオ・グランデ・ド・スル州の山間の街Gramado(グラマード)市は、世界でも屈指の盛大なクリスマスイベント「ナタウ・ルース(Natal Luz)」が開かれる街として有名です。

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そのブラジルでクリスマスの定番といえば、「パネトーネ」。パネトーネは、もともとイタリア発祥のケーキ菓子。ブラジルでもイタリアから伝わって、すっかり母国の文化として定着しています。それどころか本家イタリアを抜いて、今では世界一のパネトーネ生産国・消費国なのだそうです。

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クリスマスカラーの特大缶入りのものまで幅広く揃って、パッケージも合わせたパネトーネ選びが楽しめます。もっとも、ナショナルブランド以外にも高級チョコレートメーカーが手がけるものや高級ベーカリーやスイーツ店が手作りで仕上げるものなど、上質なものにこだわったパネトーネを買い求めるブラジル人も多いそうです。

※掲載情報は 2016/11/02 時点のものとなります。

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