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そのまま味わいたくなる
これは北海道で作られているコンビーフ。国内では希少な「ブラウンスイス牛」が使われていて、そのお味は、ひと言で申せば「スーパーナチュラル」。何しろ原料が肉、牛脂、塩だけなのだ。
コンビーフは定番缶詰なれど、人によっては「脂が多すぎ」「牛肉の匂いがきつい」などと敬遠されている。というのも、従来のコンビーフは塩、コショウを利かせたスパイシーな味付けが定番だったからであります。
それに対してこのブラウンスイス牛コンビーフは、まるで茹でた牛肉をほぐしただけのような味わいである。
もしこのコンビーフを入手したら、まずはそのまま食べてみてほしい。
耐熱容器に入れてラップをし、電子レンジでほんの20秒ほど加熱する。熱々にする必要はなく、常温で固まっていた牛脂がつやつや輝き出せばOK。(加熱し過ぎると牛肉特有の匂いが強まる)
ひと口頬張ると、舌の上に牛脂がじわっと湧き出てくる。この脂がうっとりするほど甘く、かつクドくない。それを味わっていると、今度は赤身肉の香ばしい匂いが立ち上がってくる。それが鼻から抜けていく時にはモー、恍惚となってしまう。脂と肉のバランスがいいのだ。
缶詰そのままの味を賞味したら、今度はちょいと料理してほしいのであります。缶詰博士おすすめの「コンビーフ・タルタル」というメニューであります。
ナチュラルな味は料理にも使いやすい
かくのごとし。
玉ねぎ(小)1/2をみじん切り。ピクルス2本もみじん切り。ケッパー小さじ1もみじん切りにして、ほぐしたコンビーフと一緒にボウルで混ぜる。
これを皿に盛りつけてレモン汁をたっぷり絞り、黒コショウを散らせば缶成である。
このメニューは、フランスのステーキ・タルタルという料理を食べたときに思いついたもの。ステーキ・タルタルは生の牛肉を使うが、それをコンビーフで代用したのであります。
本来はこの写真のように、ナイフとフォークで食べるものだが、パテのようでもあるから、バゲットに挟んで食べても美味しい。なお、今回はみじん切りパセリをあいだに挟んで彩り&風味をプラスしてみた。とにかく材料をみじん切りにしてしまうのが、この料理の缶所(勘所)であります。
ブラウンスイス牛コンビーフは2014年11月に発売され、税抜730円で販売されている。十勝コスモスファームの直販サイトでは3缶セット2,500円(税抜)で買えますぞ。
ごちそうさま!
※掲載情報は 2016/09/15 時点のものとなります。
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キュレーター情報
缶詰博士
黒川勇人
昭和41年福島県生まれ。平成16年から世界の缶詰を紹介する『缶詰blog』を執筆。缶詰に精通していることから"缶詰博士"と呼ばれ、TVやラジオ、新聞など各種メディアで活躍中。国内外の缶詰メーカーを訪れ、開発に至る経緯や、製造に対する現場の“思い”まで取材するのが特徴。そのため独自の視点から缶詰の魅力を引き出し、紹介している。
著書は『おつまみ缶詰酒場』(アスキー新書)、『缶詰博士・黒川勇人の缶詰本』(タツミムック)、『缶づめ寿司』(ビーナイス)、『日本全国ローカル缶詰 驚きの逸品36』(講談社プラスアルファ新書)『缶詰博士が選ぶ!「レジェンド缶詰」究極の逸品36』(講談社プラスアルファ新書)、『安い!早い!だけどとてつもなく旨い! 缶たん料理100』(講談社)など。小曽根マネージメントプロ所属。
お問い合わせ Mail:k-k@kosone-mp.com