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さまざまなお酒を薄いお砂糖の膜で包んだお菓子、ボンボン。口に入れるとほろりと溶けて、ふわりとお酒の芳香が広がり、そのあとにアルコールの苦味やうまみが感じられる、大人のお菓子です。
最近はあまり見かけることが少なくなりましたが、先日訪問した北海道で、美しい宝石のようなボンボンを見つけました。
彩りも味もバラエティ豊か
可愛らしい花柄に彩られた、掌にすっぽり収まるくらいの小さな円形の缶に目を惹かれたのは、「バターサンド」などの銘菓で知られる、北海道のお菓子の老舗「六花亭」の店頭でした。
上品な砂糖の膜の中に、ワイン、ブランデー、うめ酒、ペパーミント、コアントロー、ハスカップのリキュールが入っており、それぞれに色が異なるので、見た目にもとても華やか。
1粒はとても小さく、直径1cm足らずのふんわりしたドーム型の粒は、口にいれてしばらくするとさらりと溶けて、中からお酒が溢れ、舌の上にその香りと味が広がります。
薄い砂糖の膜はちょっとの衝撃でも壊れてしまうため、1粒1粒が専用の仕切りの中に収められていて、さらにその上にはクッションも敷いてあります。さらに、受け渡しの時にも「とても壊れやすいものですので、お気をつけてお持ちください」と言葉を添えていただきました。その大切に扱われているその様子から、このボンボンがとても丁寧に作られたものであることが想像できて、「本当に食べる宝石のようだなあ」と、さらに美味しさが増すように感じました。
ボンボンの楽しみ方
ボンボンの名前はフランス語の「bon(良い)」を2つ重ねたものに由来し、イタリア菓子職人が最初に作ったと言われています。このボンボンを入れるためのボンボニエールという容器が発達したほど、贈答品として珍重されていました。
日本では1874年に風月堂本店が「宝露糖」と名付けて商品化したことにより、一般消費者にも流通するようになりました。現在では、ウイスキーボンボンのように砂糖の代わりにチョコレートでアルコールやリキュールを包んだもののほうが主流になっていますが、身体にするっと浸透するような上品な甘さは、やはり砂糖のボンボンならではではないでしょうか。
疲れている時など、寝る前に1~2粒口に入れると、上品な甘さと少量のアルコールが緊張した身体や心をほぐしてくれるように感じます。また、ブランデーやコアントローは紅茶との相性もいいので、紅茶に4~5粒入れて溶かすと、適度な甘さと風味がついて、また一風違った紅茶を楽しむことができます。紅茶に添えてお客様にお出しすれば、会話も盛り上がりますし、見た目も美しいので、おもてなしにぴったりです。
大人のひそかな楽しみ、ボンボン。ぜひ、その豊かな風味と癒しをお楽しみください。
六花亭製菓株式会社
住所:北海道帯広市西24条北1丁目3-19
電話:0120-12-6666
※掲載情報は 2016/09/09 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ソルトコーディネーター
青山志穂
東京都出身、沖縄県在住。
大手食品メーカー勤務から一転、塩に魅せられて塩の道へ。塩の専門店で社内資格制度の立ち上げなどを行ったのち、2012年に(社)日本ソルトコーディネーター協会を立ち上げて独立。現在は、塩のプロフェッショナルであるソルトコーディネーターの育成のほか、全国を飛び回りながら、塩の基礎知識や使い方などに関する講座や講演、テレビやラジオ、雑誌などへの出演、塩売場のコーディネートなどを行いながら、塩の啓蒙活動に努めている。有名シェフとの塩をテーマにしたコラボレーションイベントや食品メーカーの商品企画も手掛ける。著書に「塩図鑑」(東京書籍)「琉球塩手帖」(ボーダーインク)「日本と世界の塩の図鑑」(あさ出版)など。