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「コンフェイト」と聞くと、なにそれ?となる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこれ、「金平糖(こんぺいとう)」の語源です。1569年に宣教師ルイス・フロイスの手によって織田信長に献上され、ポルトガルから西日本に伝わったと言われており、ポルトガル語の「confeito」が「こんぺいとう」になったとか。その後、主に献上品として活用され、庶民の間に広まったのは18世紀になってからでした。
それもそのはず。まるみのある角のついた姿が可愛らしいお菓子ですが、作るのにはとてつもない手間がかかります。グラニュー糖などの小さな粒を芯にして、シロップをかけながら加熱し大きく育てていくのですが、直径1.5㎝の金平糖を作るのには約2週間もの時間が必要です。しかも、熟練技が必要なため、一人前になるには20年かかるとも。そのためか、現在ではすべての工程を手作りで行っているのは京都の1軒だけになってしまったそうです。その一方で、多くのメーカーでは機械の導入により量の生産ができるようになったこともあり、私たちの口に入りやすくもなりました。
誰かにあげたくなる金平糖
今回ご紹介するのは、日本の伝統菓子の製造・販売を行う「星果庵」の金平糖“コンフェイト”シリーズです。
「大阪の食文化を世界へ」をモットーに、お土産品の開発などの様々な事業を展開する(株)ムーランが展開しているブランドなのですが、さすがお土産品のプロによる開発で、数ある金平糖の中でも、「駅や空港でぱっと買えて、ちょっとしたお土産に最適」という意味では、群を抜いています。
お土産品として購入・プレゼントする場合、中身のおいしさはもちろんですが、見た目や購入後の持ち運びのしやすさ、もらった人の使いやすさもとても重要ですよね。そういう意味で、この金平糖はすべての要件を兼ね備えてくれているのです。(そしてついでに言うと、売る側の都合もきちんと考えられている設計で、本当にプロだな!と感心しきりなのです)
まずは、可愛らしい見た目。
手のひらサイズのアルミ缶に入っています。金平糖は直径5mmに満たないくらいの小粒です。
パッケージも、ちょっと懐かしさもありつつ、おしゃれ。
次に、美しい色合いと興味をそそる味。
プレーン、抹茶、ほうじ茶、塩、ワイン、和三盆などがあり、それぞれ色が異なります。
私はやっぱり塩「SHIO(塩)」を購入。美しい水色で、砂糖蜜と塩でほどよい甘じょっぱさです。
これはこれでとても美味しいのですが、ワガママをいうなら、ぜひ地元産の塩を使ってほしいなあ(お隣の兵庫県にはいい塩がたくさんあるので……)。
価格も500円~とお手頃。(缶入り)
しっかりした贈答用には、瓶入りも。こちらは、織田信長がフラスコ型のガラス瓶入りの金平糖を贈答されたという話に基づいて、フラスコ型の可愛らしい瓶に入っています。
販売場所は、伊丹空港、関西国際空港、新大阪駅、大阪駅の土産品店や、大阪府下のお土産品店など。大阪に出張で出かけた時にほぼどこか1つは通るような場所で購入できるので、とても便利です。
お疲れの男性陣にも好評
なお、私が購入した“コンフェイト”は、サラリーマンとして日々仕事に励む何人かの男性の友人・知人にプレゼントしましたが、その後どうだったかを聞いてみたところ、「会社のデスクに忍ばせておいて、残業の時など疲れた時に食べていた」、「鞄に入れておいて、移動の合間とか疲れたなーと思った時につまんでいた」、「甘すぎないし口が粘つかないのでチョコレートとかよりも食べやすい」とのことでした。
そう、金平糖は、砂糖が主原料なので、疲れた時の糖分補給にもおすすめなのです。しかも、可愛らしい形と彩りで、ストレスの軽減も期待できるとか。また、口の乾きやすい時は、口の中でコロコロと転がすことで唾液の分泌を促進してくれるので、プレゼンや講演など、人前で話す時にもおすすめだったりします。
そんな理由から、陸軍の携帯食(レーション)の中にも入っていたそうで、陸上自衛隊でも活用されているとか。可愛らしいお菓子ですが、実は戦う男のためのお菓子でもあったんですね。ちなみに意外にもお酒との相性もいいので、私はたまにウイスキーのおともにしています。
関西方面にご出張の際には、ぜひ売店を覗いてみてくださいね。
※掲載情報は 2016/04/23 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ソルトコーディネーター
青山志穂
東京都出身、沖縄県在住。
大手食品メーカー勤務から一転、塩に魅せられて塩の道へ。塩の専門店で社内資格制度の立ち上げなどを行ったのち、2012年に(社)日本ソルトコーディネーター協会を立ち上げて独立。現在は、塩のプロフェッショナルであるソルトコーディネーターの育成のほか、全国を飛び回りながら、塩の基礎知識や使い方などに関する講座や講演、テレビやラジオ、雑誌などへの出演、塩売場のコーディネートなどを行いながら、塩の啓蒙活動に努めている。有名シェフとの塩をテーマにしたコラボレーションイベントや食品メーカーの商品企画も手掛ける。著書に「塩図鑑」(東京書籍)「琉球塩手帖」(ボーダーインク)「日本と世界の塩の図鑑」(あさ出版)など。