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こりっ、あまっ、潮の香り漂う旬の赤貝には、閖上の蔵、復興した「宝船浪の音 純米酒 閖」
赤貝が旬だ。
お寿司屋さんでは間違いなく高級ネタ。
だけど、食べずにはいられない繊細ながら旨味凝縮の魅惑的な貝だ。
産地は北海道以南から全国に広がる。昔は赤貝の名産といえば江戸前。千葉の浦安、木更津、船橋、羽田沖と言われていたけれど、江戸前寿司といわれる店でさえ、今はほとんど見ることがない。
赤貝で知られるのはなんといっても宮城県の「閖上(ゆりあげ)」だろう。
東京の高級寿司店では、みな「うちは閖上です」と自慢げに答える。「閖上」の赤貝がいい理由は、粒が大きいこと。もちろん、歯ごたえがあり、甘味もミネラル分たっぷりだ。いい赤貝は、昆布の香りと味がするものねぇ。餌がいいのかもしれない。3・11東日本大震災では多大な被害をこうむった場所だけれど今は元気に復活しているとのこと。本当にうれしい限り。
先日、丸ごとの赤貝を買って自分でさばいてみた。こーれーがー大変。貝といってもヤツは真っ赤な血を流すのだ。こ、怖い。それに慣れないとどこまでが食べられてどこが食べられないのかがわからない。お寿司屋さんで出されるお造りを思い出しながら頑張りました。
しかし、さばいた後山盛りをほおばったおいしさと言ったら。こりっ、さくっ、旨味じゅわ~で感動ものだった。ヒモはもっと歯触りがよく海苔巻きにすると風味倍増。やめられません。
さてお酒。
ちなみに、ワインだと赤ワインがいい。赤貝だけに……という洒落ではなく、味わいのバランスとして赤ワインがいいのだ。先にも書いたように赤貝は赤い血を流す貝。ミネラル分も豊富で意外に味わいが濃い。さらにお醤油をつけるし、時には海苔巻きもある。貝だからと言って白ワインでは負けてしまうのだ。もちろんあまり渋い赤はよくないが、熟成したピノ・ノワールあたりはベストマッチ。本当。
日本酒ならば、同じ産地同士を組み合わせよう。おすすめがある。
同じ閖上の蔵、その名も「宝船浪の音 純米酒 閖」である。100年以上の歴史を誇る地酒蔵だ。が、実は3・11で被害を受け蔵はなくなった。しかし、『復興は継続』の信念で翌々年には別の場所で酒造りを再開している。
季節のしぼりたては、地元産米「トヨニシキ」を使用した、すっきりと軽快でフレッシュながらコメの旨味が感じられる一本。初夏の気持ちいい風のような味わいだ。赤貝の旨味を引き立ててくれるのに最適。
お試しあれ。
お取り寄せ、お問合せは電話かファックスにてお願いいたします。
TEL:022-385-0053 FAX:022-381-9050
※掲載情報は 2016/04/19 時点のものとなります。
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キュレーター情報
トータル飲料コンサルタント/ソムリエ
友田晶子
米どころ酒どころ福井県に生まれ。ソムリエとして酒類業界に携わり、ワイン・日本酒・焼酎・ビール・カクテルと幅広く取り扱う。業界25年のキャリアと女性らしい感性を活かし、一般向け・プロセミナー、飲食関連イベントの企画・開催、PR事業アドバイス、輸入業者や酒販店・料飲店・ホテル旅館などプロ向けコンサルティング、観光PR支援等を行っている。各種専門家がガイドを務める人気のインターネット検索サイトAll Abouの日本酒・焼酎・ワインガイド。「わかりやすい説明」には定評がある。公式HP内で連載中の「おいしいラク学講座」では、日本酒や焼酎、ワインやビールやスイーツ、チーズにまつわる役立つコラムとおつまみレシピなどを常時更新中。田崎真也氏オーナー、ワインバー「アルファ」(銀座)代表。「シュヴァリエ・ド・タスト・フロマージュ」(フランスチーズ鑑定騎士団)。 日本料飲ビジネス研究会会長/東京芸術学舎 非常勤講師/ふくい食のアンバサダー・福井ブランド大使/球磨焼酎大使/著書「世界に誇る国酒~日本酒~」が、グルマン世界料理本大賞グランプリ受賞!/日本ロシアフォーラム2014「食と農」パネリスト