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名店「塩野」の変わらぬ味
桜を愛でる光景が各地で繰り広げられていますね。春の日差しと共に、外出の機会も増える季節。初めてこの最中に出会ったのも数年前の桜の頃でした。シンプルな上品さを醸し出し、日本情緒も感じられるそんな逸品です。
かつては花街として名の知れた東京・赤坂。「塩野」は、昭和22年の創業以来、赤坂の地で時代の流れにとらわれることなく、日本の季節感を生和菓子に表現し、焼き菓子などにも定評のある名店です。
数年前、桜が舞い散る中、友人家族と共に親類の入学祝いをしていた時にいただいたのが、塩野の「栗最中」でした。通常、四角や丸い形状が主流の最中ですが、塩野の栗最中は“数寄屋造り風”の形を模して美しさがありました。日本の建築様式のひとつである数寄屋は、内面を磨いて客をもてなすという茶人たちの精神性を反映したものです。
親類の成長を感じる思い出の逸品
年月が経ち、久々に栗最中を味わってみました。その味は当時と変わらず、美しい数寄屋風の最中の皮に大納言の小豆餡に栗が入った上品な味です。
当時、学生だった親類は、その味の良さがわかる年齢ではなかったのか、口をつけることはありませんでした。しかし、社会人となり、同じ桜の頃に一緒に食べることができたのです。小さなことながらも親類の成長がみられ、嬉しい春のひと時でした。
栗最中は、1個から購入することができ、箱入りも用意されているので、新年度のあいさつ回りの手土産にも最適です。
※掲載情報は 2016/04/13 時点のものとなります。
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キュレーター情報
アジアンフードディレクター
伊能すみ子
アジアンフードディレクター/1級フードアナリスト 舞台制作や民放気象番組ディレクターを経て、食の世界へ。調理師専門学校で調理、食文化を学びながら、食の専門家であるフードアナリストとして活動を開始。メディアを中心に飲食情報の提案やアジア各国料理の執筆、講演、講師、レシピ制作などを行う。
「ASEAN食のコンシェルジュ」、「タイフードコンシェルジュ」、「カンボジア旅のリポーター」などの肩書を持ち、食と旅の提案も手がける。年に数回、アジア諸国を巡り、屋台料理から最新トレンドまで、現地体験を専門webサイトにて多数掲載。書籍『専門店が教える スパイスの基本』(PHP研究所)では、レシピを担当。日本にいながらも他のアジア諸国のおいしい料理を楽しめるような、環境作りを目指す。