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各地にある個性豊かな美酒の中で、ユニークでちょっとおもしろいお酒
日本食の軸にある「米」と質の高い豊かな「水」は、日本の自然の力で「発酵」が促され、様々な美味な食品を生み出してきました。日本酒もその一つですね。
各地にある個性豊かな美酒の中で、ユニークでちょっとおもしろいお酒を見つけたので、ご紹介します。
その出会いは2年前に丹後を訪れた時のことです。道の駅でふと目に止まった美しい琥珀色の日本酒。古酒かと思うばかりの深い色で、ラベルにある名前は英語です。江戸時代の酒造りを再現した蔵付き酵母の生酛作りの純米酒で、その杜氏はイギリス人というストーリーに惹かれ、一本買ってみることに……。
このお酒の名前はTime Machine 1712
タイムマシーンに乗って1712年（江戸時代）に行き、当時のように醸した酒という意味なのでしょう。ラベルには当時の酒造りの様子が描かれていますが、よく見ると酒蔵のロゴを顔にしたロボットたちが一緒に働いている遊び心ある絵なのです。
キャップを開け、一口含んでみると、濃厚なアミノ酸の味わいが広がる甘口酒です。酒米は兵庫県の北錦を使っています。精米歩合は88%なので、なるほど米の力強い香りがしっかり感じられます。88とは末広がりの八が重なるめでたい数字。ここにも造り手の遊び心が見つけられます。
私のお勧めの飲み方は二通り
一つは、食前酒としてお気に入りの小さなリキュールグラスに注ぎ、酒肴と共に味わうこと。個性的なお酒なので、味のしっかりした肴を組み合わせるとグッドマッチングします。写真は、ほっき貝とカラフトししゃもの卵の粕付けと組み合わせています。粕の濃厚な味とのバランスが良いです。
冷酒としてはもちろんですが、燗もOKです。
江戸時代には酒を水で割って飲むのが一般的でしたので、当時を気取って、炭酸水で割れば軽い口あたりになり飲みやすくなりますよ。
もう一つの最もお勧めの使い方は、デザートとコラボさせること。
特にバニラアイスクリームにひとかけすると絶品です！お酒を飲まないサロンの生徒さんたちにも好評の一品でした。
「手前には手作り豆腐入り白玉団子を添えて」
また、焼きたてスポンジケーキにたっぷりかけると、大人のお洒落デザートになります。写真は焼き上がり直後の熱々チョコレートケーキにTime Machineをかけてしみ込ませて、トライフルにしました。ホイップクリーム＋ブルーベリーと合わせています。
「クリームともチョコレートとも馴染む不思議な日本酒」
日本酒の枠を超え、古きを大切にしながら新しい感性溢れる日本酒＝Time Machine。
みなさんのアイデアで自由自在に味わって頂きたい一本です。
※掲載情報は 2016/01/28 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ライフスタイルデザイナー
長尾典子
日本伝統の知恵と美を取り入れた現代の食と暮らし方”Nippon Stylish Life”を提唱。
西宮市内のサロンと各地で、テーブルコーディネート・料理・英語・食文化をテーマに幅広く活動中。
季節開催「Japan Cool Seminar in Tokyo」では伝統美味食をテーマに、レストラン・料亭を会場に、その日だけのオリジナル料理を味わい学ぶ講座。
旅館・ホテルの食空間提案、英語による和食文化、テーブルコーディネートセミナー、オリジナル食器デザイン販売も手掛ける。
著書『12か月のLifestyle Book 食卓からしあわせは始まる』エピック
『和食の力に魅せられて 伝統美味食の世界』エピック
食卓文化研究家、食空間コーディネート資格認定講師、卓育インストラクター、カラーコーディネーター、英語講師。
食空間コーディネート協会理事
京都文教短期大学、大阪夕陽丘短期大学非常勤講師。
奈良女子大大学院生活環境修士。現在、現在、龍谷大学博士後期課程。
mail：nagao@a-de-v.com
