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塩が違う、唐辛子も違う、達人の目利きで魅了する白菜キムチ
キムチを愛し、キムチにこだわり、キムチ博物館まで作ってしまった店があります。1993年創業の「妻家房」は、東京にある四谷本店のほか、首都圏、名古屋、大阪、福岡などにも支店を展開している有名店。どころか最近は本場である韓国にまで里帰り進出を果たしているほどです。
中でもおすすめしたい大久保店は、従来の店舗よりも高級感のある作りになっており、メニューも豚肉の韓国味噌しゃぶしゃぶや、ノクトゥペクスク(茹で丸鶏と緑豆粥)など、ここだけの特別な限定品を用意しています。店の1階にはキムチ博物館を備え、キムチの歴史を学べたり、キムチを漬ける体験プログラムを実施。さらには普段あまり見ることのない珍しいキムチも買えるとあって、韓国ファンにとっては必須の立ち寄り場所となっています。しかもよくよく話を聞いてみると、ずいぶんなこだわりが詰まっているんですね。
お店のオーナーであり総料理長でもある柳香姫(ユ・ヒャンヒ)さんによれば、キムチに使う素材は韓国全土から集めた名品ばかりとのこと。「塩は西海岸のコムソでとれた天日塩、唐辛子は慶尚北道の青松(チョンソン)産、アミの塩辛は広川(クァンチョン)産」。鍋料理に使って美味しいムグンジ(長期熟成した白菜キムチ)は、江原道産の高原白菜を用い、ハンアリと呼ばれる伝統的な甕に貯蔵するなど、本場と同じ製法にこだわっています。
また、こうした素材を仕入れるために全国を回っているので、各地から取り寄せた名品も売場で販売。奥行きのある風味が素晴らしい大根の酵素漬けは水原(スウォン)在住の名人作、甘酸っぱさほどよく食感の瑞々しい青梅漬けは淳昌(スンチャン)在住の名人作、柔らかでクセのない味わいのチャンジャ(スケトウダラの内臓の塩辛)はアミの塩辛と同じく広川からと、まさしくマニア垂涎の品揃えです。本格キムチを買いにいくついでに、ごはんのおともハンティングというのはいかがでしょうか。
※掲載情報は 2015/11/14 時点のものとなります。
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キュレーター情報
コリアン・フード・コラムニスト
八田靖史
コリアン・フード・コラムニスト。慶尚北道栄州(ヨンジュ)市広報大使。1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。韓国料理の魅力を伝えるべく、2001年より雑誌、新聞、WEBで執筆活動を開始。最近はトークイベントや講演のほか、企業向けのアドバイザー、韓国グルメツアーのプロデュースも行う。著書に『魅力探求!韓国料理』(小学館)、『新大久保コリアンタウンガイド』(晩聲社)、『かんたん、ヘルシー韓国おつまみ』(大空出版)ほか、語学テキストも多数。2014年7月には韓国の地方グルメを紹介する『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理』(三五館)を発売し、ソウルだけに留まらない韓国地方旅行の可能性を大きく切り開いた。韓国料理が生活の一部になった人のためのウェブサイト「韓食生活(http://kansyoku-life.com/)」を運営。