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パッケージデザインも秀逸
缶界のトレンドはアヒージョ! ということで、アヒージョ缶特集第2弾をお届けしたい。これは鹿児島の黒豚生産・販売を手掛ける鹿児島ミートグループが開発した「黒豚のアヒージョ」缶であります。
パッケージの愛らしさにまず、注目したい。黒豚が白ワイン片手にゴキゲンだが、これすなわち「白ワインに合う缶詰ですよ」と謳っているのだ。
六角形の紙パッケージを開けると、内フタには肉質の特徴や使っている部位、簡単なアレンジメニューが書かれている。
外部側面にも、この缶詰を使ったアレンジメニューが6種類、きれいな写真で紹介されている(下の画像)。どれも、この缶詰の開発を担当した社員によるお手製である。自分の商品に並々ならぬ愛情を持っていることが判るではないか。
様々な部位を使う理由
鹿児島といえば焼酎の一大産地でもある。焼酎を作る過程で出るエキスやもろみには様々な栄養成分があるので、鹿児島ミートグループは地元酒造メーカーからもろみを仕入れてえさに配合しているそうだ。また、休耕田を利用して作られた飼料米なども食べさせて、うまみとコクを向上させている。
養豚場から出る堆肥は、逆に地元農家に供給し、その堆肥を栄養にして米、芋などが作られ、それで飼料ができたり、焼酎が作られたりする。鹿児島ミートグループは循環型農業を目指しているのであります。
こうして地域が一体になって育てた黒豚だから、余さずきちんと食べてあげたい。だから、これまで市場にあまり出回らなかった部位も積極的に活用していきたい...とは担当者の言葉。このアヒージョ缶もそのひとつで、使っているのはハツ(心臓)、タン(舌)、ガツ(胃)の3種類だ。
いろんな味が楽しめてオトク
かくのごとし。前回と同じく、耐熱容器に入れて熱々に温めてある。味付けはけっこうピリ辛である。見れば輪切りの唐辛子がたっぷりと入っている。にんにくスライスもけっこうな量で入っているから、ピリ辛にんにく味が好きな人ならたまらない味付けである。
ハツはむちむちとした歯応えで、特有の臭みはまったくない。タンは脂が乗ってうまみ強し。ガツは噛んでいると次第にねっとりして、コクが湧き出てくる。ひとつひとつの風味を確認したあと、2種3種まとめて食べたほうがウマいことに気付いた。柿の種&ピーナッツを一緒に頬張るのと同じ原理であります。
この缶詰は、これまで鹿児島県内の限定販売だったという。しかし年内には全国発売も目指しており、ここで紹介した六角形パッケージはそのために作られたニューバージョンだ(従来は四角いパッケージ)。
アヒージョのほかにも「黒豚軟骨の甘辛醤油煮」が既発であり、来年にはトマトソース煮や白ワイン煮込みなど、黒豚を使った新商品がぞくぞく登場するようである。そちらはまた、次の機会にご紹介したいと思う。
ごちそうさま!
※掲載情報は 2015/11/11 時点のものとなります。
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キュレーター情報
缶詰博士
黒川勇人
昭和41年福島県生まれ。平成16年から世界の缶詰を紹介する『缶詰blog』を執筆。缶詰に精通していることから"缶詰博士"と呼ばれ、TVやラジオ、新聞など各種メディアで活躍中。国内外の缶詰メーカーを訪れ、開発に至る経緯や、製造に対する現場の“思い”まで取材するのが特徴。そのため独自の視点から缶詰の魅力を引き出し、紹介している。
著書は『おつまみ缶詰酒場』(アスキー新書)、『缶詰博士・黒川勇人の缶詰本』(タツミムック)、『缶づめ寿司』(ビーナイス)、『日本全国ローカル缶詰 驚きの逸品36』(講談社プラスアルファ新書)『缶詰博士が選ぶ!「レジェンド缶詰」究極の逸品36』(講談社プラスアルファ新書)、『安い!早い!だけどとてつもなく旨い! 缶たん料理100』(講談社)など。小曽根マネージメントプロ所属。
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