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トリュフを楽しく秋冬の贅沢グルメ
最近はサマートリュフといって、夏に出回るトリュフも多いですね。しかし、黒トリュフが本当に美味しいのは旬である1~2月だと知っていましたか?
トリュフが1年中流通する現代、あえて旬の短い黒トリュフに拘ってみました。
トリュフと言えばフランス料理の高級きのこ。キャビアやフォアグラと並ぶ世界の3大珍味とも言われる高級食材のひとつ。地中に巣立つトリュフは人間では見つけるのが難しく、犬やメス豚の嗅覚にたよります。トリュフの香りが、雄の豚が発するフェロモンに似ているからと言われています。豚は探すとすぐ食べてしまうらしく、現代では主に犬の嗅覚をもとに収穫します。中世では媚薬の一つとしても有名でした。
黒いダイヤとも呼ばれる、フランス産のペリゴール・トリュフ(黒トリュフ)とイタリア産の(白トリュフ)が特に珍重されます。トリュフはマツタケ同様「香り」が命。その場でスライスしてサラダや料理に振りかけるとその素晴らしい香りとサクサク感が楽しめます。香りだけでなく感触も味わいの一つです。それにはある程度の量を贅沢に使います。飾りに少し乗せても真価は発揮しません。キャビアも同じですね。
そのトリュフが真価を発揮する温度は60度前後が最適といわれています。繊細な味わいを満喫するには、温かい料理にのせたり、出来たてのパスタの上からたっぷりスライスしながら振りかけるのが最高ですが、パイ包み焼きの中に仕込む、また日本流に土瓶蒸しなども良いでしょう。
今年はフランスの黒トリュフが不作ですが、イタリア産も品質の良いものが出回っており、やはり食欲の秋には堪能したいものです。トリュフの香りを閉じ込めた「トリュフオイル」や、マデラ酒に漬けこんでおいて作った「トリュフジュース」などを料理に振りかけても、トリュフの香りを手軽に楽しめます。
フレンチではトリュフと相性の良いマデラ酒のソースと合わせた「ペリグースース」が有名。イタリアの作曲家「Rossini」が好んだ、牛フィレのロッシーニ風は美食家にも有名な料理で、お祝いの席などに供されます。
勿論シャンパンとは最高の相性です!
※掲載情報は 2015/10/23 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ホテル・レストラン運営コンサルタント
川尻倫明
日本を代表するフレンチレストラン「銀座レカン」を皮切りに、世界№1ソムリエ田崎真也と共にホテル西洋銀座のレストラン部門を立ち上げる。その後各地でホテル副総支配人、ホテル総支配人等を歴任。パリ「マキシム」、カンヌ「ムーラン・ド・ムージャン」、ロスアンジェルス「ベル・エア」等、海外三ツ星レストランでのサービス実績ほか、エドモンドロスチャイルド等のVIP担当経験など、世界トップレベルのサービスとホテル・レストランマネジメントのエキスパート。「広島から世界へ」をコンセプトにグローバルに活躍できるサービスパーソンの育成を目的に各地で指導を行っている。
Orientarl Hotel広島 スーパーバイザー / キュリオシティ㈱シニアコンサルタント / F&Bマネージメント代表