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可愛らしいパッケージも魅力
威風堂々とした正統派の和菓子店といった趣き
先日、徳島に行ったんですね。徳島というとラーメンとか阿波踊りとかのイメージが僕の中で強くて、ぜんぜん和菓子って感じが無かったんです。なのに、知り合いに「美味しいお店はどこ?」と聞いたら、帰ってきた答えが「菓游 茜庵」という和菓子やさん。びっくりしましたよ、なんというか、不意打ちをくらったような、というか。調べてみたら徳島市徳島町という地名があることにも気づき、そこに店舗がありました。
徳島城址をのぞんで佇む静かな地。伺えば、屋号は裏千家今日庵副理事長 納屋嘉治氏に命名していただいたのだとか。というわけで、店内には様々な和菓子が並んでいて、奥には裏千家の茶室棟もあります。僕のイチオシは「ゆうたま」という商品です。北川柚子に加え、有機すだち、阿波山桃、美郷梅、ゆこう。四国地産の果実を厳選した、こだわりの錦玉菓子です。「日本の豊かな自然の恵みと和の伝統の素晴らしさを“再発見”する」というのがコンセプトで、最近、誕生した和菓子なのです。この封を切った瞬間に、華やかな5つの香りが、ふんわりただようのです。
まさに、手のひらに“ころん”と乗せたい、愛らしい小さなお菓子。そうっと口にすると、カリっとしたお砂糖の殻を破って、甘酸っぱい、たっぷりとした風味が、口いっぱいに広がっていきます。さわやかな後味も魅力の一品です。「良い材料を使い、良い菓子を作る。素材を活かしきるための手間暇を決して惜しまないこと」それがモットーなのだとか。そんな心意気が、パッケージの可愛らしさにも表れています。
※掲載情報は 2015/10/12 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードジャーナリスト
はんつ遠藤
東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は8000軒を超える。全国のご当地グルメの知識と経験を活かし、ナムコのフードテーマパーク事業にも協力し、現在、東京・大手町のご当地やきとりテイスティングパーク「全や連総本店 東京」の名誉館長も務める。『日経トレンディ』にてトレンドリーダーにも選出。「週刊大衆」「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』(幹書房)、『おうちラーメンかんたんレシピ30』『おうち丼ぶりかんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』など25冊。