【中部地方の大人気銘菓】山栗の味そのまま 岐阜「中津川すや」の栗きんとん

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東海道中山道の昔から伝わる秋の訪れを感じる伝統の栗きんとん

【中部地方の大人気銘菓】山栗の味そのまま 岐阜「中津川すや」の栗きんとん

「掌にのせて
ほろほろと味はひました。
まつたく山栗の味そのままが、
秋の山で食べるそれと
少しもかはらない味で
口にふくみを覚えます」
吉川英治(中津川すや・栗きんとんの栞より)

 

9月の声を聞くと嬉しいのが、栗を使ったお菓子の発売。もちろんモンブランや栗パフェにも目がありませんが、真っ先に食べたいのが「中津川すや」の栗きんとん。

 

都内では高島屋にて購入できるそうですが、名古屋は松坂屋、JR名古屋高島屋、丸栄などで購入でき、松坂屋で購入したものを田町の教室でお出ししました。たまたま名古屋出身の20代の生徒さんが2名いらっしゃり、「懐かしい~!!」と大喜びでご賞味くださいました。

 

そうなのです。愛知・岐阜・三重在住の方々にとっては赤福、安永餅、栗きんとんが御三家といっても過言ではないほど地元ではポピュラーなお菓子。ご存知の方も多い通り、「川上屋」「恵那すや」他にも何店かあり、皆様それぞれ贔屓の「栗きんとん」店をお持ちです。お遣い物としても人気でワンシーズンに何度もいただきますが、東京に来るとなかなか目にする機会がありません。東京では「栗羊羹」のほうがポピュラーなのかもと思い、以来、東京の方々へのお遣い物としても重宝しています。

【中部地方の大人気銘菓】山栗の味そのまま 岐阜「中津川すや」の栗きんとん

お店の栞を手にしながら栗きんとんを戴くと、「ぎこちないお菓子」と書かれています。
確かにシンプルで素朴。包み紙を開くと、ちょこんと現れる小さなお菓子。飾りといえば絞った布巾のあとのみ。肌にはブツブツと細かな栗の粒。けれどもこの「ぎこちない」お菓子を口に含んだ時の幸福感がたまりません。山里の秋の栗の味そのものが、柔らかく溶けて、栗の香りが残ります。いつの間にか食べてしまっていて、「あ、もう食べてしまった」と少々残念に思うのも常のこと。もう一個、とつい手が伸びてしまいます。

 

蒸した栗の実を潰して少量の砂糖を加えながら煮、茶巾絞りにするだけの素朴なお菓子なのですが、どんな凝ったお菓子よりも魅力を感じるのが不思議です。江戸に帰る弥次さん喜多さんも、京に向かう貝原益軒も木曽路の中津川宿でひといき入れて十八屋(すやの前身)で栗きんとんを食したとか。時代の移り変わりを越えてこれからも愛される逸品であり続けることでしょう。

【中部地方の大人気銘菓】山栗の味そのまま 岐阜「中津川すや」の栗きんとん

※掲載情報は 2015/09/14 時点のものとなります。

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キュレーター情報

磯部作喜子

料理研究家・テーブルコーディネーター

磯部作喜子

英語教師を経て食の世界へ。「ル・コルドン・ブルー」にてパン・洋菓子ディプロム取得。今田美奈子製菓コース師範・テーブルセッティングディプロマ取得。花・芸術文化協会テーブルコーディネートディプロマ取得。同認定校。世田谷のブーランジェリー「シニフィアン・シニフィエ」で研修。志賀勝栄氏にパン作りを学ぶ。現在は東京と名古屋で料理・パン・テーブルコーディネートの教室「ル・サロン・ブラン」を主宰。毎月100席以上の講座をこなし、現在までのべ9000人の生徒におもてなしの極意を伝えてきた。「おもてなしの心は食卓を飾るすべてに宿る」というコンセプトのもと、料理・パン・コーディネートなど食に関する内容をトータルに楽しく学べるサロンを目指す。予約待ちの教室をかかえる一方で、各企業とのコラボレート、料理教室や食卓芸術の外部講師としても活躍中。女性誌やライフスタイル誌を始めメディア取材も多い。著書「ル・サロン・ブランの本格パン」(主婦と生活社)「Le Salon Blanc ランチタイムのおもてなし」(ハースト婦人画報社)アメブロ:http://s.ameblo.jp/salon-blanc/

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