記事詳細
紹介している商品
旬の「鰻料理」には、夏のにごり酒「杜の蔵 夏生 夢一献」！
鰻が旬を迎える。いや、正確に書けば、鰻を食べたくなる季節である、が正しいだろう。なぜならば、鰻の旬は夏ではなく冬だから。冬眠を前にしっかり脂を蓄えるのが秋から冬。通人に言わせれば、鰻は夏ではなく秋から冬に食べるものなのだ。
でもでもでも……、この時期になると、どうしても鰻、食べたくなっちゃうんだよねぇ。かの平賀源内先生が「土用の丑の日に鰻」という名キャッチコピーをお作りになって以来、日本人の脳内に「夏には鰻」が定着してしまったようだ。実際、鰻は一年を通じて栄養価が高く、夏負けしやすいこの時期の夏バテ防止特効食としては理にかなっている。
まずは、豊富なタンパク質とビタミンA。さらにビタミンB1、B2、D、E、カルシウム、鉄分がバランスよく含まれる。気になる脂も不飽和脂肪酸のEPA（エイコサペンタエン酸）やDHA（ドコサヘキサエン酸）で体にいい脂分といえる。猛暑が続く昨今の日本の夏には、栄養価の高い鰻はますます必要なのだ。
そ、れ、に。日本の鰻料理のおいしさといったらないでしょ。あっさりとした「うざく」、卵と絶妙なコラボ「う巻き」、鰻そのものの味を体感できる「白焼き」、ねっとりとした歯触りの「肝焼き」、そして何と言っても「かば焼き」「うな重」「うな丼」。世界に誇るべき芸術料理といっても過言ではない。
昔フランス、ボルドーで「鰻のボルドレーズ（ヤツメウナギの赤ワイン煮）」を食べたが、ぶつ切りの鰻をどろりとしたソースで煮込んだもので、まるででっかいサバの味噌煮缶みたない感じだった。脂っぽくて味のない身を食べながら、日本のかば焼きって最高だなぁと再確認したものだ。
で、お酒。あっさり味から濃厚な味まで、さらにはご飯ものまである鰻料理全般に合うのは、「適度なコク」「脂を流してくれるドライな味わい」「しかし、夏酒としての軽快さもある酒」ということになる。
このすべてを兼ね添えるのが福岡県の「杜の蔵」だ。とくに、夏限定の『夏生 夢一献 二の矢』、純米のうすにごり酒をお勧めしたい。
「杜の蔵」の純米酒は本来お燗酒がおいしいのだが、夏向きに造られたこの「夏生」、一口目なスッキリと軽快な口当たりなので「うざく」や「う巻き」にぴったりだ。中盤から後半にかけてはしっかりと米由来のコクと酸味が楽しめるから「肝焼き」「白焼き」にばっちり。そのうえ心地いい苦みのある辛口ゆえに鰻の脂分をきれいに洗い流してくれるからタレの味の強い「蒲焼」にぐっと寄り添ってくれるし、ご飯ものではあるは「うな重」「うな丼」ともイケル。鰻料理にこれ一本となればまさにおすすめの一本となる。
鰻の濃さにも負けないコクと生酒の軽快さを持つ福岡の生うすにごり酒の組み合わせは、今の季節しか体験できない組み合わせ。
お試しあれ！
※掲載情報は 2015/07/24 時点のものとなります。
- 5
キュレーター情報
トータル飲料コンサルタント／ソムリエ
友田晶子
米どころ酒どころ福井県に生まれ。ソムリエとして酒類業界に携わり、ワイン・日本酒・焼酎・ビール･カクテルと幅広く取り扱う。業界２５年のキャリアと女性らしい感性を活かし、一般向け・プロセミナー、飲食関連イベントの企画・開催、PR事業アドバイス、輸入業者や酒販店・料飲店･ホテル旅館などプロ向けコンサルティング、観光ＰＲ支援等を行っている。各種専門家がガイドを務める人気のインターネット検索サイトAll Abouの日本酒・焼酎・ワインガイド。「わかりやすい説明」には定評がある。公式HP内で連載中の「おいしいラク学講座」では、日本酒や焼酎、ワインやビールやスイーツ、チーズにまつわる役立つコラムとおつまみレシピなどを常時更新中。田崎真也氏オーナー、ワインバー「アルファ」（銀座）代表。「シュヴァリエ・ド・タスト・フロマージュ」（フランスチーズ鑑定騎士団）。 日本料飲ビジネス研究会会長／東京芸術学舎 非常勤講師／ふくい食のアンバサダー・福井ブランド大使／球磨焼酎大使／著書「世界に誇る国酒～日本酒～」が、グルマン世界料理本大賞グランプリ受賞！／日本ロシアフォーラム2014「食と農」パネリスト
