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日本の北欧、会津から生まれた『べこの乳』
会津は日本の北欧だと、こっそり提唱しています。義母が会津出身でたびたび来訪しているのですが、訪れるたびに北欧と共通する部分を見つけます。例えば、寒さの厳しい会津でもニシンやタラを干したり酢漬けにして保存食にしています。また、北欧にはニシンを漬けておくための専用容器があるのですが、面白いことに会津にも同様のニシン鉢があります。会津では「ニシンには山椒」、北欧では「ニシンにはディル」。そんな黄金の組み合わせがあるところも似ています。
工芸品を見ていても「お！」と思うことがしばしば。素朴な色の組み合わせと単純なパターンながら目を引く会津木綿はマリメッコのヨカポイカシリーズを思わせますし、会津の家庭に一つはあると言われる赤べこは、あの心を掴む造形といい、地元の人にとっての存在感といい、スウェーデンのダーラヘストとどこか似ています。
ちなみにノルウェーの画家、ムンク生誕150周年の折には、会津の起き上がり小法師にムンクの叫びを組み合わせた「起き上がりムンク」が発売されるという、そんなつながりもありました。会津生まれの起き上がりムンクは、日本での発売時には注文が殺到し、後にノルウェーの美術館でも発売されるなど両国で人気者となりました。他にも会津には、日本ではまだ珍しい北欧料理専門のレストランや、北欧デザインを取り入れたホテルがあったりと、じつは北欧指数が高いのです。
さて本題です。会津には北欧級の乳製品があるんです。そう、北欧といえば酪農国家のデンマークをはじめ乳製品大国。牛乳、バター、チーズ、ヨーグルトなどスーパーマーケットで普通に売っている物のレベルが高く、牛乳たっぷりのカフェラテや生クリームたっぷりのケーキもぺろりといけてしまいます。そしてそんな北欧的絶品乳製品が忘れられない人でもきっと満足するであろうと自信を持っておすすめしたいのが会津中央乳業の『べこの乳』シリーズです。
会津産の原乳だけを使い、牛乳からヨーグルト、アイスクリームまでさまざまな製品を揃える『べこの乳』シリーズ。じつは全国にファンをもつ、会津が誇るブランドであり、中でもとくにおすすめは濃縮ヨーグルト『会津の雪』。ひと口食べて驚くほど濃厚なのですが、クリームなどを加えて濃厚にしているヨーグルトとは違い、搾りたてヨーグルトをさらに搾ることでおいしさを凝縮しています。濃厚なのにさっぱり。酸味がきいたシンプルな味わいは、北欧で食べた味を思い出します。『会津の雪』には加糖・無糖の２タイプがあり、無糖タイプに北欧ベリーのジャムをのせて食べるのが私の至福の組み合わせです！
牛乳瓶には牛乳が作られるまでの工程が味のあるイラストで描かれていたりと懐かし可愛いパッケージもいいんです。ちなみにトレードマークの女の子は、創業者のお嬢さんがモデル。じつはそのお嬢さんは戦時中に栄養失調で亡くなったという悲しい裏話があるのですが、「すべての子ども達に健康に育ってほしい」との思いをこめて会社のトレードマークとなったそうです。
『べこの乳』シリーズの一部商品は首都圏のスーパーマーケットなどで販売している他、通販でも購入可能です。そしてこの記事を書いている間にわかったのですが、『べこの乳』シリーズになんと間もなくチーズも加わり、新発売されるとか。うーん、それを食べるためだけに会津に行きたいくらい……気になります！
※掲載情報は 2015/07/16 時点のものとなります。
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キュレーター情報
コピーライター・北欧BOOK代表
森百合子
コピーライター。北欧BOOK代表。著書に『北欧のおいしい話』『コーヒーとパン好きのための北欧ガイド』『3日でまわる北欧』シリーズ（スペースシャワーネットワーク）、『北欧レトロをめぐる21のストーリー』（主婦の友社）など。フィンランドやスウェーデン大使館との仕事を通じて北欧の暮らしや文化への知識を広げ、執筆の他、監修、トークショーなど幅広く活動。定期的に北欧諸国を訪れて取材を重ね、食やコーヒー文化、ビンテージの生活道具などユニークな切り口で北欧の魅力を紹介している。東京・田園調布で北欧ビンテージ雑貨の店『Sticka スティッカ』も運営。http://hokuobook.com
