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みかんのフタを絞っていただく夏味のバラちらし
「茶巾(ちゃきん)寿司」や「ちまき寿司」が有名な、赤坂・茶懐石寿司の「有職」。各界の著名人のファンを抱え、皇室主催の園遊会、お茶会、観劇などにも利用される1933(昭和8)年創業の老舗店です。同店はまた、いわゆる“茶巾ずし”発祥の店としても知られています。茶巾やちまきも、見た目が美しく店頭で目を引きますが、わたしが注目したのは、夏の季節メニューである「夏かん寿司」です。
黄色い包み紙の丸形状。こちらもなかなかインパクトのあるビジュアルですね。包み紙を開くと、大きな夏みかんが現れます。同品はこの夏みかんが“器”代わりとなっているバラちらし寿司です。夏みかんの上部の“フタ”を外すと、鯛、エビ、穴子、サケ、枝豆、かんぴょう、シイタケ、玉子など色鮮やかな具材が酢飯の上に敷き詰められています。そして“フタ”は夏みかん果肉が付いたままの状態……そうです、こちらのすしは、食べる直前に“フタを絞って”いただくことになります。酸味のある果汁と酢飯は、相性が悪いワケがなく、より清々しい夏らしい口当たりに。具材の種類も豊富なので飽きが来なく、スイスイと食べ進められます。それほど量はありませんが、見た目も含めて老若男女に喜ばれそうですね。同寿司は、季節ものの“器”を使う関係で8月上旬くらいまでと期間限定。一見、みかん?はっさく?グレープフルーツ?と思わせながら、実は“すし”というサプライズ演出も可能な逸品を、手土産にいかがでしょう。
※掲載情報は 2015/07/02 時点のものとなります。
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キュレーター情報
コピーライター、グルメガイド
菅野夕霧
コピーライター、PRコンサルタント、Yahoo!ニュース配信元の『市ケ谷経済新聞』編集長。グルメや酒、沖縄離島旅が趣味。特にランチは“狙い”を定め、日々電車に乗って都内を中心に食べ歩いている。甘いモノを苦手としている関係で、“甘くない”土産の逸品を追求中。現在、All Aboutグルメガイドとして老舗店を紹介する「100年店ランチ」、日本トランスオーシャン航空の機内誌『Coralway』にて、「小さな島の小さな食堂」を連載中。著書に『ヤフートピックスを狙え』(新潮社)など。