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南蔵
豆のたまり つれそい
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愛知県を中心とした中部地方に「溜醤油」という醤油があります。一般的な濃口醤油は原料に大豆と小麦を半分ずつ使用するのに対して、大豆の割合を多くするのが溜醤油の特徴です。そして、溜醤油の産地である知多郡武豊町には大豆と塩のみの溜を手掛ける蔵元が集まっています。
南蔵商店を訪れると歴史を感じる木桶が並んでいます。この中であしかけ三年かけてゆっくりじっくり大豆のタンパク質がうま味に分解されていきます。
桶の底部分に栓が付いていて、ゆっくりとゆるめると溜醤油が滴り落ちます。うっとりするほど綺麗な赤い表情をしています。
そして、もう一つの溜の特徴が仕込みに使う塩水の量です。一般的な濃口醤油は麹の量に対して120~130%の塩水で仕込みますが、溜は100%以下。例えば、左が麹の量に対して同量(100%)の塩水で仕込んだ十水仕込み。右が半分(50%)の塩水で仕込んだ五分仕込み。塩水の量が少なくなるほど、うま味も凝縮されていきます。
五代目の青木弥右衛門さんご夫妻。
口数が少なくて頑固な職人のような雰囲気がありますが、ひとたび溜醤油の話になると多弁になります。「価値あるものをつくっていると思えるから頑張れる。」麹づくりの頻繁な温度管理など、手間と時間と根気が必要な作業の繰り返しです。お客さんが美味しいと言ってくれる、そして、自分自身が自信を持てる商品でないと、とてもじゃないけどできないというわけです。味と信用が大切。一度食べたらまた食べたくなる溜醤油を目指して。
※掲載情報は 2015/06/20 時点のものとなります。
職人醤油 代表
高橋万太郎
1980年群馬県前橋市出身。立命館大学卒業後、(株)キーエンスにて精密光学機器の営業に従事し、2006年退職。(株)伝統デザイン工房を設立し、これまでとは180度転換した伝統産業や地域産業に身を投じる。現在は一升瓶での販売が一般的だった蔵元仕込みの醤油を100ml入りの小瓶で販売する「職人醤油」を主宰。これまでに全国の300以上の醤油蔵を訪問した。