40年以上に渡り受け継がれてきた伝統あるホテルメイドのチーズケーキ

40年以上に渡り受け継がれてきた伝統あるホテルメイドのチーズケーキ

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40年以上の歴史を誇るチーズケーキ

40年以上に渡り受け継がれてきた伝統あるホテルメイドのチーズケーキ

今回は、港区・高輪の旧ホテルパシフィック東京の開業当時から、ということは40年以上の歴史を誇るチーズケーキを紹介しよう。デンマーク産クリームチーズ・イタリアのパルミジャーノレジャーノ、2種類のチーズを用いているのが特徴。じっくりと2時間蒸し焼きしたケーキを更に1日寝かして落ち着かせる。仕上げに熱いアプリコットジャムが塗り艶を出す。

 

ところで、昨今ホテル業界では人手不足が深刻だ。宿泊部門はもちろんだが、料飲部門においては更に拍車がかかる。スタッフの引き抜きも日常茶飯事のこと。

 

収益率の悪い料飲部門を切り離した「ビジネスホテル」が成功しているのを見ればわかる通り、今やシティホテルにとって料飲部門は足かせだと言われる。バブル華やかなりし頃と比べると隔世の感。ブッフェレストランには行列が出来、人手不足に加え、伝統的な料理を提供するレストランなしでは、そもそもホテルの文化、スタッフが育つ場すらない、と嘆くベテランホテルマンは多い。

 

反面、そこが自分の居場所であると長年留まるホテルマンもいる。特にシティホテルにとって、伝統的なレストランの味を守ることは大切。レシピに加えヒューマンは重要な要素なのである。

40年以上に渡り受け継がれてきた伝統あるホテルメイドのチーズケーキ

そのような意味でも「ホテル グランパシフィック LE DAIBA」の山田太統括シェフはいぶし銀だ。1981年ホテルパシフィック東京へ入社、83年にペストリー配属。以来、30年以上に渡り、現在に至るまで、ホテルパシフィック一筋で伝統を守ってきた。パフォーマンスも派手さもない。ただ、ひたすら仕事のクォリティを追求する真摯な姿勢。そんな山田シェフが守ってきたものの一つに、パシフィック伝統の「チーズケーキ」がある。

40年以上に渡り受け継がれてきた伝統あるホテルメイドのチーズケーキ

口に含んでみると、まずそのしっとり感に驚くが、同時に広がる芳醇なコクと香りに、今まで知っているチーズケーキとは別物だということがわかる。更に気になる食感が。これはアーモンドだ。周囲にはカリとしたアーモンドをまぶしてある。チーズケーキという定番のケーキだからこそ、守られてきた「伝統」という言葉がしっくりくる逸品である。

40年以上に渡り受け継がれてきた伝統あるホテルメイドのチーズケーキ

山田シェフは言う。「ここには多くの先輩たちが磨き上げたエスプリが有ります。自分にとってここが一番ですから」と。

 

こうして伝統のチーズケーキの歴史は積み重ねられていく。

 

※2016年7月にホテル名がグランドニッコー東京 台場になっております。掲載は変更以前ですので、文章も当時の記載ままです。

※掲載情報は 2015/06/12 時点のものとなります。

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キュレーター情報

瀧澤信秋

ホテル評論家 旅行作家

瀧澤信秋

ホテル評論家、旅行作家。All About公式ホテルガイド。ホテル情報専門サイトHotelers編集長。日本旅行作家協会会員。日本を代表するホテル評論家として、利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。フィールドは、ホテルステイからホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題までと幅広い。テレビやラジオ、雑誌などへの露出も数えきれず、業界専門誌への連載も手がけるなどメディアからの信頼も厚い。また、旅行作家としても旅のエッセイなど多数発表、ファンも多い。2014年は365日毎日異なるホテルへチェックインし続ける365日365ホテルを実践中。「365日365ホテル 上」(マガジンハウス)として上半期のホテル旅の記録をホテルガイドも兼ねて上梓した。著書に「ホテルに騙されるな!プロが教える絶対失敗しない選び方」(光文社新書)などがある。

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