Montagne(モンターニュ)
パティスリー リエルグ
パティスリー リエルグさんは、東花園駅(近鉄奈良線)から徒歩10分。大阪のやや郊外にありながら、プティガトーやカラフルなマカロンがジュエリーのように煌めくショーケースが大人気のお店です。
オーナーシェフの小森理江さんは、2002年に辻調フランス校を卒業。その後東京のパティスリー、そして大阪・日根野にあるシャルルフレーデルで修業を重ね、2008年11月に独立オープンされました。店名の「リエルグ」の由来は、辻調フランス校のあるリエルグ村と、お名前の「りえ」をかけた造語で、名付け親は師匠であるシャルルフレーデルの門前シェフという素晴らしい師弟関係にも恵まれています。
でも実は、美しいプティガトーよりも、カラフルなマカロンよりも私がリエルグさんでトキメクのが、平台にずらりと並べられた焼き色の美しいタルトの数々! 常時プティサイズが10数種類、アントルメサイズも4、5種類が取り揃えられています。
カフェ ノア、アマレナ ピスターシュ、キャラメル オランジュ、ポム ショコラ、ユズ レザン マロンなど魅力的なネーミングのタルトが並ぶ中、私が一番心魅かれたのは『モンターニュ』。白くこんもりとしたまさにモンターニュ=山のようなシンプルなビジュアルと、じんわりと広がる滋味深い味わいのギャップが驚きの一品でした。
パートシュクレの中にキャラメルソースを流し、クレーム・パティシエールとリンゴのコンポート、クルミのキャラメリゼを合わせたアパレイユ、シュクセ生地を重ねて。サクッ、ねっとり、とろっ、クシュッ、ふわっ!とベースの生地のエッジのきいた食感のコントラストの中に、カリッ、シャクッ!と響くフィリングの食感がアクセントに。
ほろ苦いキャラメルと、香ばしいクルミ、リンゴの酸味。香ばしくクリーミーなシュクレ生地と、クシュッ、ふわっと崩れるシュクセ生地のバランスが秀逸で、ビジュアルから想像するよりも軽やかなテクスチャーに仕上げられています。
実はこのお菓子は、南仏の伝統菓子タルト・セブノールからインスパイアされたものだそう。タルト・セブノールは、その地方で採れるアブリコやレーズンなどのドライフルーツや栗、クルミをミルクジャムのようなアパレイユと一緒にシュクレ生地に詰め、上にダックワーズ生地を重ねたタルト。
リエルグさんのモンターニュはフルーツをシンプルにした分、クレーム・パティシエールを加えることで、よりリッチなテイストに仕上げられています。
こちらのタルトの賞味期限は、常温保存で3日間。プティサイズのタルトは9個入りBOXも販売されているので、手土産やプレゼントにも、ちょっとした持ち寄りパーティーにもピッタリです。脱酸素剤が入っている個包装の焼き菓子のように長く日持ちはしませんが、焼き菓子好きの方にはぜひお薦めしたい、焼き菓子本来の香ばしい食感と、しみじみと広がりゆく粉やバターの旨みを感じられるタルト。
箱を開けた瞬間に、わ~っと歓声が上がること間違いなしの本物志向の方にお薦めの逸品です!
パティスリー リエルグ
※掲載情報は 2015/05/24 時点のものとなります。
スイーツコーディネーター
松本由紀子
スイーツコーディネーター&ライター。
一般雑誌、菓子専門誌、TV、ラジオ、webサイトと多岐にわたり、ライター&コメンテーターとしてスイーツ情報を発信。スイーツ関連メーカーのコンサルティングを務め、商品開発、コラボ商品の企画、マーケティングに携わる。スイーツ講座(定期/単発)の講師も務める。
10名のパティシエの珠玉の一品!を集約したDVD 『Sweets美術館』をプロデュース&出演。
http://www.amazon.co.jp/Sweets美術館-2012-松本由紀子/dp/B00BPJSFF2
百貨店催事やイベントをプロデュースし、「スイーツコーディネーター松本由紀子セレクション」なる冠催事を展開。
*2012年11月~:フランスフェアー@JR大阪三越伊勢丹
*2014年2月:サロン・デュ・ショコラ@JR大阪三越伊勢丹
*2015年2月:アムール・デュ・ショコラ@大阪高島屋
*2015年10月~:松本由紀子セレクション@阪急うめだ本店
ORIGINE KOBEの広報を務める。
http://r.gnavi.co.jp/ippin/article-2060/