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ハバナの伝説のバーの味を日本の家庭で再現
もうすぐ訪れる、うだるような暑い夏。そんな日には、ミントとライムが清涼感たっぷりのキューバのラム・カクテル「モヒート」が恋しくなるのですが、ミントを今から栽培しておこうと苗を探していたら、まさにモヒートに使うミントとして知られる「キューバ・ミント(イエルバ・ブエナ)」が販売されているのを発見。さっそく購入しました。ちなみにスペイン語のイエルバ・ブエナ hierba buenaは、直訳すると“よいハーブ good harb”という意味です。
私がモヒートのおいしさに目覚めたのは、キューバの首都ハバナを旅し、1942年創業のバー「ラ・ボデギータ・デル・メディオ」を訪ねたときでした。「老人と海」などで知られるアメリカの小説家で、キューバに長く暮らしたアーネスト・ヘミングウェイがモヒートを飲みに通ったという伝説のバーです。店では創業以来、変わっていないというモヒートのレシピを惜しげもなくお客に公開。それをざっと翻訳すると……。
円筒状のグラスにグラニュー糖を小さじ2杯入れ、絞ったライムのジュース半個分(実際は1個分入れた方がいいと思います)、ミント2枝分、冷たい炭酸水90mlを加えて、小さなすりこぎでミントをつぶし、さらにラム酒(「ハバナ・クラブ」のホワイトラム、3年熟成ものがよい)40~50mlと、氷4個を加えて、マドラーでよくかき混ぜる。
このレシピにキューバ・ミントを使えば、「ラ・ボデギータ・デル・メディオ」のモヒートが、日本でもほぼ再現できるはず。実際に作ってみると、ちょっとした日本のバーで飲むモヒートよりもずっとおいしくでき、ホームパーティーなどに出してみたくなりました。この夏は、スペアミントよりも青々しい清涼感があり、かつマイルドな風味のキューバ・ミントを育てて(葉のみを販売しているところもあるようです)、ぜひ本場のモヒートの味を楽しんでみてください。
※掲載情報は 2015/06/16 時点のものとなります。
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キュレーター情報
各国・郷土料理研究家
青木ゆり子
雑誌「ぴあ」等の記者を経て料理に目覚め、2000年に「世界の料理 総合情報サイト e-food.jp 」を創設。以後、各国の「郷土料理」をテーマに、サイト運営、執筆、レシピ研究および開発、在日大使館・大使公館での料理人、料理講師等などに携わる。
地方色あふれる国内外の郷土料理の魅力を広く伝えるとともに、文化理解と、伝統を守り未来につなげる地域活性化をふまえて活動を行っている。
「世界の料理レシピ・ミュージアム」館長。著書「しらべよう!世界の料理 全7巻」(ポプラ社)、
「日本の洋食~洋食から紐解く日本の歴史と文化」(ミネルヴァ書房)。