イースターよりも大切?5月6日「聖ゲオルギの日」の食卓は子羊料理とヨーグルト料理

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ブルガリア人に今も愛される聖ゲオルギ

ブルガリアでは、5月6日が「聖ゲオルギの日」として、国の定める祝日になっています。この日は、数多くの聖人の日の中でも特に重要な日です。今回は聖ゲオルギにまつわる伝説と、聖ゲオルギの日の過ごし方をご紹介します。 聖ゲオルギはキリスト教における聖人の1人で、ギリシャ語では聖ゲオルギウス、英語では聖ジョージと呼ばれています。ブルガリアでは毎日が誰かしらの聖人の日になっていて、その聖人と同じ名前をもつ人たちをお祝いする習慣があります。聖ゲオルギは特に人気が高く、聖ゲオルギの名前を持つ人は18万人にのぼると言われています。男性ならゲナジ、ガンチョ、ガリン、女性ならゲルガーナなどの名前がそうです。聖ゲオルギがここまでブルガリア人に愛されているのには、ある理由があります。

ブルガリアならではの「イコン」に願いを込めて

イースターよりも大切?5月6日「聖ゲオルギの日」の食卓は子羊料理とヨーグルト料理

聖ゲオルギを描いたイコン(聖人画)と言えば、白い馬に乗りドラゴンを槍や剣で刺している姿がおなじみです。その昔、ドラゴンによって生活を脅かされていた人々は、村で一番美しく若い女性を毎年1人ずつ犠牲としてドラゴンに差し出していました。このドラゴンを聖ゲオルギが退治して、若い女性を救い出したという場面を描いたものです。そのため、聖ゲオルギのイコンには時々若い女性の姿も描かれています。 農業国のブルガリアでは、聖ゲオルギは農業を守る聖人、羊飼いと羊を守る聖人でもあります。豊穣をもたらす春の水を運んでくれると信じられていて、この日を境に農業の行事がスタートします。泉で体を洗う儀式を行う地域もあります。この日に雨が降るとその年は豊作になると言われ、「雨は金になる」という言い回しもあるほどです。

ラムとミルク粥そしてヨーグルト料理を食べ過ごす1日

イースターよりも大切?5月6日「聖ゲオルギの日」の食卓は子羊料理とヨーグルト料理

5月6日の聖ゲオルギの日のお祝いは、日付の変わる深夜0時から始まります。この日の朝露には特別な力があると言われ、1年の健康を願いながら芝生に寝転がったり、裸足で歩いたり、地域によっては顔を洗う、飲むという行事もあります。そして、聖ゲオルギの名を持つ人のいる家でお祝いをします。集落全体で祝う地域もあります。この日欠かせないのは仔羊の料理です。仔羊の選び方にはいろいろあって、毛が真っ白の仔羊、その年最初に生まれた仔羊、その日最初に外へ出た母羊の子を選ぶ家もあります。雌は乳を出すので、このような時に食べるのは主に雄の仔羊です。敬虔なクリスチャンの中には、教会の牧師に仔羊を祝福してもらう人もいます。

イースターよりも大切?5月6日「聖ゲオルギの日」の食卓は子羊料理とヨーグルト料理

そうして仔羊の肉を焼き、儀式のパン、搾りたての牛乳、チーズなどを持ち寄って、みんなで食事をします。新鮮なニンニクも必ず食卓に用意されます。祭りの中心はラムのバーベキュー。この日から放牧が始まり、冬の間できなかった乳絞りも再開されるため、この日はヨーグルトが必ず食卓にのぼります。 ヨーグルトの冷製スープ「タラトール」のようにさっぱりした料理も登場します。そして聖ギオルギに関係する歌を歌い、聖ゲオルギの踊りを踊って楽しく過ごします。、これから暑い季節に大活躍する「ラタトール」のレシピをご紹介します。ご家庭でも簡単に作れるので、是非試してみてくださいね。

タラトール (夏の冷製スープ)

[材料:6人分] プレーンヨーグルト:1000g キュウリ:4本 クルミ:20g ディル(無ければパセリ):1束 塩:適宜 サラダ油:適宜 ニンニク:2カケ 水:1カップ [作り方] 1.ボウルでプレーンヨーグルトと水を混ぜ合わす。 2.キュウリをみじん切りにする。 3.ニンニクをすりおろし、クルミを砕いておく。 4.材料をすべて1に混ぜ合わせ、ディルをのせ、冷蔵庫で冷やす。

※掲載情報は 2015/05/04 時点のものとなります。

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ブルガリア共和国大使館

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ブルガリアはバルカン半島に位置し、北はルーマニア、西にセルビア、マケドニア共和国、南にギリシャ、トルコと隣接し、東には黒海があります。北海道より少し大きい国土で、首都はソフィアです。香水用のバラ栽培が世界最大産地ということでも有名です。ブルガリアの食でみなさんはヨーグルトを連想する人が多いと思いますが、さまざまな民族の食文化の影響、特にトルコ、ギリシャ、ルーマニア料理との共通点が多いです。また、良質なワインの産地としても有名です。

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