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大栗と柚子の香りが活きる餡としっとりスポンジが三位一体
愛媛県に行くと、よく売られているというか、メジャーなお菓子に「タルト」があります。実は歴史が古いお菓子で、江戸時代の寛永12年に松山藩主となった松平定行公が長崎奉行として長崎に赴任した際、カステラでジャムを巻いたドール菓子「トルタ」に魅了されて、城下の菓子職人に作らせ、ジャムの代わりに餡を巻いた「タルト」が誕生したのだとか。それが明治時代になって愛媛の一般の菓子店で製造されるようになり、広まりました。なのでいろんな会社が製造しているのですが、僕のイチオシは「畑田本舗」です。 昭和8年に新居浜市で創業して以来、お菓子の製造・販売と喫茶営業を通して、「さらにおいしく、さらにサービス良く、 ほどほどの価格で楽しく生きる人々へのお手伝い」を会社理念として、躍進中です。こちらのタルトは栗が入っています。というか、昭和50年にタルトとして初めて、餡の中に栗を入れたのが「畑田本舗」。以来、大ヒット商品となっております。商品としては2種類あって、刻み栗入りタイプと、高級バージョン的な大きな栗入りタイプ。僕が特に好きなのが大きな栗入りタイプの「御栗タルト」。食べやすいように11切れ分にカットされていて、どこを食べてもまるまるとした大粒の栗が入っています。その栗の美味しさもさることながら、餡には伊予特産の柚子の香りも活き、それをくるりと巻き上げたスポンジもしっとりなめらか。モンドセレクション最高金賞、受賞!全国菓子大博覧会も、もちろん名誉総裁賞を受賞! 栗がしっかりと主張しているからか、お茶はもちろん、紅茶でも、コーヒーでも合うのもスゴいです。
※掲載情報は 2015/04/16 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードジャーナリスト
はんつ遠藤
東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は8000軒を超える。全国のご当地グルメの知識と経験を活かし、ナムコのフードテーマパーク事業にも協力し、現在、東京・大手町のご当地やきとりテイスティングパーク「全や連総本店 東京」の名誉館長も務める。『日経トレンディ』にてトレンドリーダーにも選出。「週刊大衆」「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』(幹書房)、『おうちラーメンかんたんレシピ30』『おうち丼ぶりかんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』など25冊。