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週に一度日曜日のみ。しかも焼肉屋さんのオープン時間前に店先を借りて、という珍しい営業スタイルの「マモン・エ・フィーユ」さん。 てづくりのお菓子を娘にあたえた‘母’と、そのお菓子を食べて成長し、パリのル・コルドン・ブルー本校で製菓を学んだ‘娘’。お菓子づくりのスピリット(精神)は母から学び、スキル(技術)はパリから学んだ娘。そんな母と娘の二人で作る焼き菓子工房が「マモン・エ・フィーユ」さんです。 このような営業スタイルなので、今まではお菓子を入手するのが大変困難だったんですが、百貨店催事に出店したり、今年に入り芦屋の「グランドフードホール」さんでケーク2種類を販売するようになり、少しずつ入手できる機会が増えてきています。 こちらの2種類のケークは今流行りの“熟成系”で、マモン・エ・フィーユさんのお菓子の中でも特にお薦めの逸品。 まずは一切れ。 そして一週間後、二週間後、一ヶ月後と、刻々と味わいが深く変化していく“熟成感”を愉しんでいただきたいケークなんですが、熟成させたいのに誘惑に負けて、させる間もなく食べきってしまうという罪な美味しさです。 自分へのご褒美やスイーツ好きな方へのプレゼントにはもちろん、目上の方に差し上げると株が上がること間違いなし!の母娘の愛情がこもったippinです。 【購入方法】 ・「マモン・エ・フィーユ」 電話にてお取り寄せ可能 http://blog.livedoor.jp/gateauxmichiko/ 075-721-6937(焼肉いちなん内) ・「グランドフードホール」 店頭販売 http://grand-food-hall.com/
一度目で心を射抜かれ、二度三度目で病みつきになる秘伝の味。
長年‘母’が作りあたため続けてきたフルーツケーキが、オープンから4年を過ぎた昨年の秋、満を持して登場しました。
大きさは?フルーツの量は?パッケージは?など様々な事を考え過ぎてしまい、今まで「マモン・エ・フィーユ」さんでは一度も販売されることのなかったというこのフルーツケーキ。 母娘は二人ともお菓子作りが大好きですが、性格も全く違うので得意なお菓子も違い、また同じお菓子を作っても違う仕上がりになるのだそう。ルセットが同じでも、作り手が違えばできあがるお菓子の味や食感も違う。そこがまたお菓子作りの面白さでもあり、魅力でもあるわけですね。 実はケーク系は‘母’の得意分野。 でも‘娘’のお菓子作りのコンディションがすこぶる好調なことを察した母の計らいで、初登場には、二人のフルーツ漬けをブレンドし‘娘’が焼き上げたフルーツケーキが登場しました。
パリで学んだルセットで漬けている‘娘’のフルーツ漬けは、トルコ産の白イチジク、プラム、サルタナレーズンなどのドライフルーツに、アーモンド、クルミなどのナッツ、アニス、シナモン、クローブ、胡椒などのエピスを合わせ、さくらんぼのブランデーに漬けて。ここに、長年継ぎ足し続けている‘母’のフルーツ漬けを‘娘’の好みでブレンドし、オリジナルのフルーツケーキが誕生しました。これがマモンさんの熟成ケークの美味しさの秘密!まさに母から娘へと引き継がれていく大切な秘伝の味!という訳です。
ナイフでカットするのが難しいくらい、生地はしっとり、ほろほろっ。今までに食べたことのない、とてもレアなテクスチャーに仕上げられています。そして余韻に長く続くフルーツとエピスの香りが、なんとも上品で贅沢!芳醇な香りのマリアージュに暫し陶然。でも不思議とどこか懐かしさも感じる、ほっこりと温かみのあるテイスト。お紅茶はもちろん、キリッと冷やしたシャンパンや日本茶とのマリアージュもお薦めです。
熟成するオレンジの香味と芳醇なショコラのマリアージュ。
ヴァローナ社のカカオと発酵バターの生地に、ヴァレンシアオレンジのセミコンフィとサルタナレーズンを、アルザス地方のオレンジコニャックとオレンジピューレで漬けこんだ‘自家製の漬けこみオレンジ’をたっぷりと混ぜ込んで。焼き上がると熱いうちに、さらにオレンジコニャックのシロップをアンビベし、爽やかで、華やかなオレンジの香りを纏わせています。
オレンジのセミコンフィは地中海沿岸の温暖な地域で収穫されたヴァレンシアオレンジをフランスで加工したもの。砂糖と水飴のみで加工した最高級品で、フランスらしい濃厚な風味が特徴です。 レーズンはトルコ産の優しい甘さのサルタナ種。サルタナレーズンは、強い日照下に短時間で天日干しされるので食感は柔らかく色は少し薄めです。ヴァローナ社のカカオは赤褐色で純度が高く、力強いカカオの風味が特徴。とシンプルながらもこだわり抜いた素材の数々が使われています。 こちらのオレンジのタネは、秘伝のうなぎのタレのように継ぎ足し、継ぎ足しで使われ、それぞれのエッジがたった香味から、全てが混然一体となった奥ゆきのある丸みを帯びた味わいへと変化していきます。
カットすると、ナイフでよけるのが難しいほどたっぷりのオレンジコンフィが顔をのぞかせます。コニャックとシロップがかなりたっぷりと染み込まされているので、ほろほろっとやわらかく崩れ落ちる生地感も魅力的。お口の中でパッと鮮やかにオレンジが花開き、ショコラの芳醇な香りの余韻が続いていきます。ウィスキーやブランデーとのマリアージュもお薦めです。
※掲載情報は 2015/03/30 時点のものとなります。
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キュレーター情報
スイーツコーディネーター
松本由紀子
スイーツコーディネーター&ライター。
一般雑誌、菓子専門誌、TV、ラジオ、webサイトと多岐にわたり、ライター&コメンテーターとしてスイーツ情報を発信。スイーツ関連メーカーのコンサルティングを務め、商品開発、コラボ商品の企画、マーケティングに携わる。スイーツ講座(定期/単発)の講師も務める。
10名のパティシエの珠玉の一品!を集約したDVD 『Sweets美術館』をプロデュース&出演。
http://www.amazon.co.jp/Sweets美術館-2012-松本由紀子/dp/B00BPJSFF2
百貨店催事やイベントをプロデュースし、「スイーツコーディネーター松本由紀子セレクション」なる冠催事を展開。
*2012年11月~:フランスフェアー@JR大阪三越伊勢丹
*2014年2月:サロン・デュ・ショコラ@JR大阪三越伊勢丹
*2015年2月:アムール・デュ・ショコラ@大阪高島屋
*2015年10月~:松本由紀子セレクション@阪急うめだ本店
ORIGINE KOBEの広報を務める。
http://r.gnavi.co.jp/ippin/article-2060/