しんじ湖もなか
御菓子処 岡本堂
島根県は出雲市。出雲大社で有名なこの地方は、城下町松江市を中心に古来よりお茶文化が盛んなこともあり、和菓子が日常に根付いているところでもあります。その中で、出雲市の歴史ある町、平田にちょっと面白いお店がありました。
「午前中でほぼ全部売れちゃう和菓子屋さんがあるんですよ」と。
出雲市平田。かつては木綿産業で繁栄の時代を築き、一畑(いちばた)電鉄雲州平田駅近くには、今も往年の時代をしのぶ木綿街道が残っている歴史ある町。岡本堂は街道沿いにひっそりと佇んでいます。
これからの季節は桜餅が人気だそうですが、まずは定番の宍道湖最中をご紹介したく思います。
まずはこの形。島根県と言えば宍道湖(しんじこ)のシジミが有名ですがその形をした最中。さくっとした食感のあとには、やさしい味わいの粒あんの甘みがふわっと広がっていきます。漉し餡ではなく粒餡の食感が心地よく感じられるところと、やさしい甘さがきっと人気の秘密なのでしょう。毎日食べても飽きない定番スイーツとは、このことかもしれません。
宍道湖最中には上質な煎茶か強めにローストされたコーヒーと合わせるとより深い味わいが広がるでしょう。
出雲の片隅にある地元で大人気の和菓子屋さん「岡本堂」。気になりますよね。ぜひチェックしてみてください。
住所:島根県出雲市平田町5577-2
電話:0853-62-2302
御菓子処 岡本堂
※掲載情報は 2021/02/22 時点のものとなります。
フードビジネスデザイナー
嶋啓祐
全国の農村漁村をくまなく巡り、そこで使うホンモノの素材を探すことをライフワークにしています。ホンモノはいつも隠れています。全国の肥沃な土地で、頑固で不器用な生産者が作る「オーガニックな作品」を見つけて、料理人が少し手を加える。それが「ホンモノの料理」になります。毎月地方に足を運び、民泊に泊まり、地元の方々とのコミュニケーションを作るのが楽しみです。自然豊かな日本全体が食の宝庫です。自然、風土、生産者、素材、そして流通と料理人とその先にいる顧客。食に関わるすべての方が幸せになるような「デザイン」を仕事にしています。1963年に北海道は砂川(日本一になった美味しいお米ゆめぴりかの産地)で生まれ、18歳上京。大好物はイクラ、クレソン、納豆、ハーブ、苦手なのは天津丼などあんかけ系、豚足、焼酎。趣味は全国の神社巡りとご朱印集め。2018年より自宅料理コミュニティ「ビストロ嶋旅館」を主宰。