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厳選牛肉を伝統の“割下”で漬け込んだ一品
1895(明治28)年に吾妻橋で牛鍋屋として創業し、その後浅草に場所を移した今半本店。今半の名はすき焼きやしゃぶしゃぶの名店として広く知られています。1952年(昭和27年)に浅草今半の日本橋支店として開業したのが人形町今半です。同店は今半本店をルーツとする店の中で、飲食店舗はもちろん、精肉店や惣菜店、弁当など、手広く事業展開を行っています。そんな同店の豊富な惣菜や土産類の中で私が注目したのは、「黒毛和牛ジャーキー」です。そもそもジャーキーは、アメリカの先住民が作ったものが起源と言われています。その後、日系アメリカ人の手によって“テング”ブランドのビーフジャーキーが生まれ、旅行客の手土産人気もあり、日本に輸入されるようになりました。私を含めてビーフジャーキーの基本!? となるほどテングブランドは人気を博しています。
そんなアメリカ発のものが市場を席巻する中、人形町今半のジャーキーは、その名の通り厳選した黒毛和牛のみを使用し、“すき焼きの割下”でじっくり漬け込み仕上げています。旨味ある牛脂を感じるツヤのある見た目。少しちぎって口にすると……少し甘めの味わい。化学調味料未使用ながら、今半伝統の割下が上手く作用していますね。長らく食の安全が叫ばれ、国産品に光が当たっています。神戸牛を始めとする和牛の美味しさを目がけて来日する外国人も多数いる中、日本発のビーフジャーキーが人気、という時代が来てもいいような流れを感じます。ビールやスモーキーなウイスキーにぴったりの黒毛和牛のジャーキー。牛を専門に扱う老舗店の逸品を、手土産にいかがでしょう。
※掲載情報は 2015/03/03 時点のものとなります。
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キュレーター情報
コピーライター、グルメガイド
菅野夕霧
コピーライター、PRコンサルタント、Yahoo!ニュース配信元の『市ケ谷経済新聞』編集長。グルメや酒、沖縄離島旅が趣味。特にランチは“狙い”を定め、日々電車に乗って都内を中心に食べ歩いている。甘いモノを苦手としている関係で、“甘くない”土産の逸品を追求中。現在、All Aboutグルメガイドとして老舗店を紹介する「100年店ランチ」、日本トランスオーシャン航空の機内誌『Coralway』にて、「小さな島の小さな食堂」を連載中。著書に『ヤフートピックスを狙え』(新潮社)など。