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巨峰から生まれた黄緑色のぶどうを発見!
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どうやら今年も残暑が厳しそうですが、ぶどうが美味しい季節になりました。デラウエアや巨峰をはじめ、今人気のシャインマスカットなど、ぶどうには多種多様な品種があります。そんな中で、今年初めて出会ったのが、この黄緑色をしたぶどうでした。
一見するとマスカット。実はこれ『常陸青龍(ひたちせいりゅう)』という新しい品種です。あまり聞きなれない名前ですが、茨城県の県北部に位置する、常陸太田(ひたちおおた)市のオリジナルブランド。これがじわじわと口コミで人気が広がっており、今注目の品種なんです。まだ生産量が少ないため、東京ではお目にかかるチャンスがありませんでしたが、銀座にある茨城県のアンテナショップ『IBARAKIsense』でも販売されています。
常陸青龍は、昭和53年に市内のぶどう農家さんが巨峰の自然交雑実生から育成して誕生しました。あの紫黒色の巨峰からこんな黄緑色のぶどうが生まれるなんて、何とも不思議ですね……。JA常陸 常陸太田ぶどう部会青年部が中心となり、研究・調査を行い、苗木を育成して、平成16年に品種登録されました。現在では、人気をうけて市内の生産者の9割が栽培しており、徐々に生産量が増えています。
注目の『常陸青龍』 そのお味は・・・?
巨峰に引けを取らないプリッとした大粒の黄緑色の果実が美しく、うっとりしてしまいます。実際に食べてみると、口の中に溢れる果汁、爽やかな香り、そして広がる甘さ!さっぱりとしていて食べ応えがあるので、夢中で食べてしまいました。巨峰と食べ比べてみると、その味の差がわかりやすいのですが、巨峰由来のぶどうであっても、酸味や渋みが少ないのが印象的です。ちなみに常陸青龍の糖度は「巨峰と同等・やや高い」そうです。
そのままフレッシュな果汁感を楽しむのはもちろんですが、実の皮離れが良いので、凍らせてシャーベット状にしていただくのも、暑い日のおやつとしておすすめです。
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常陸太田市は、阿武隈山地の南端に位置する水はけの良い丘陵地で、土質がミネラル分を多く含むことからぶどう栽培に適しているとされており、茨城県最大のぶどうの産地となっています。そんな土地から誕生したこの常陸青龍が、県外の人にももっと食べられるようになることを願います。
※掲載情報は 2020/09/08 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ご当地グルメ研究家/リサーチャー/日本外食リサーチ&PR協会
椿
日本全国の美味しいモノを世の中に残すために日々奮闘中。「その地域で長く愛されているローカルフード」を探し、そこに如何に根付いているのかを研究。
テレビ番組、WEB、雑誌、イベントで、地域の食や最新グルメ情報のリサーチ・取材・寄稿・レシピ提供・情報発信などを行っている。
2013年より気仙沼の海の中に純米酒を沈めて熟成させる「海中貯蔵プロジェクト」を行う。