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「日本一硬いお菓子」との異名を持つ、疫病除けの米菓子
名古屋市近隣に鎮まる津島神社には古来より、こんな言い伝えが残っています。
【のちの弘法大師、空海上人が中国からの修行を終えて、布教のための全国行脚の途中この津島神社に立ち寄った際、そのころ巷で流行っていた疫病退散の祈願をすることになった。奉納されていた供米を揚げ米団子にして神前に供え、参詣の人々にそれを分け与えたところ、たちまち疫病が治った。以来、津島神社の春秋の祭りには「それを食すれば疫病にかからない」という揚げ団子を作るようになった】
こんな伝承を守って現在でも作られているのが、津島神社御用達、天明元年創業の総本家角政さんの「あかだ」です。
「あかだ」とは梵語で無病息災を意味する「阿伽陀」のことだと言われていますが、
うるち米を丸めて揚げた、薄い醤油味のあられのような、とても素朴なお菓子です。
しかし、普通の揚げせんべいと大きく違うのは、その硬さ。
奥歯でゴリゴリと噛まないと割れないほどですので、歯の弱い方にはつらいかもしれませんが、ゆっくり口に含んでいるとその香ばしさが後を引く味わいです。
歯や顎が鍛えられること間違いなし、ですので実はよく噛むことにより健康が促進されて、
疫病も退散するのかもしれません。
現在のような感染症と共存する時代に欠かせない、江戸時代から伝わるホッとするお菓子です。
※掲載情報は 2020/07/30 時点のものとなります。
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キュレーター情報
料理写真家
今清水隆宏
1965年、東京都生まれ。東京造形大学卒業。1988年よりフリーランスフォトグラファーとして独立。
以後、国内・海外、料理研究家・シェフを問わず主に雑誌、料理レシピ、レストランなどの料理およびその周辺の撮影、書籍企画等を担当。他、百貨店等各種カルチャースクール、地方自治体等にて「料理写真講座」の講師、講演等でも活動。社団法人日本広告写真家協会会員。