爺ちゃんが残した幻のレシピで作る“艶”みりん。杉浦味醂の「純米本みりん」

爺ちゃんが残した幻のレシピで作る“艶”みりん。杉浦味醂の「純米本みりん」

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愛知県碧南市は、発酵醸造の蔵が集まる地域です。
矢作川の良質な水、豊かな穀倉地帯という地の利を生かして、特に味醂づくりが発達してきました。
三州三河みりん、九重みりんなど、日本を代表するみりんメーカーが集まるこの街。各蔵それぞれに、個性あふれるみりんを製造しておられます。
今回とりあげる杉浦みりんは、大正13年創業。現在の当主である杉浦嘉信さんは三代目です。
みりんは照りを出たり、煮崩れを防いだり、臭みをとったりと、和食にはなくてはならない調味料です。杉浦みりんでは、それに加えスイーツの甘みとしてみりんをつかおうと発信している、ユニークなみりん蔵です。

AGEを抑える新世代の甘味

みりんを甘味料に?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
その答えとしてまず注目して頂きたいのは、今話題の老化物質AGEについて。
AGE、日本語では「終末糖化産物」と訳されます。
糖とタンパク質が結びついてできるAGEは、糖尿病だけではなく、様々な生活習慣病を引き起こし、しわやシミの原因になり、果ては薄毛の原因にもなりうるということが、医学的に検証され始めています。

 

ショ糖を成分とする砂糖より、日本の伝統発酵甘味料であるみりんを甘味につかいましょうと勧めるのは、AGEの研究者である、久留米大学の山岸晶一教授。マクロビオティックの実践者には、昔から砂糖の代わりにみりんを活用している人もすくなくありません。

 

地元である愛知県碧南市を中心にみりんの美味しさを発信している、みりんスイーツ研究家の安藤ゆりえさんは、杉浦みりんの大ファン。「他の味醂と比べると、熟成期間が長いので、酸味の角が取れてまろやかなんです」、「特に好評なのは生キャラメルとプリン!黒蜜の代わりに、あんみつにかけても美味しいんですよ」とのこと。

三代目杉浦嘉信さん

爺ちゃんが残した幻のレシピで作る“艶”みりん。杉浦味醂の「純米本みりん」

三代目杉浦嘉信さんは、大学卒業後も家業は継がず、バルブ絶頂期にワンレンボディコン、「しもしも~!!!」と懐かしの言葉が響き渡る大都市東京で就職。
しかし二代目であるお父様が体調を崩され、しぶしぶ地元に戻ったのだそうです。家業に魅力を感じていなかった当時は、杉浦みりんでも量販店向けの糖類添加のみりんを製造していました。創業主である爺ちゃんがつくっていたみりんとは別物になっていたということも、嘉信さんが碧南市を離れた理由なのかもしれません。

 

地元に戻り家業をにわかに継いだものの、資金繰りに追われ、地元の先輩たちの商品を眺めながら、どんなふうに自分らしいみりんをつくっていったらよいのか、苦悩する日々が続きました。

爺ちゃんのレシピ

そんなある日、偶然倉庫から爺ちゃんのレシピを発見したのです!
実は、嘉信さんのお爺様は45歳という若さで他界しており、嘉信さんはお爺様の生前を知ることもなく、お爺様がつくられていたみりんを口にしたこともありませんでした。

 

しかし、爺ちゃんのレシピでみりんを仕込んでみると、濃厚でうま味も甘味もたっぷり。
「よし、このみりんを杉浦みりんの味として極めていこう」と決意したのだそうです。
爺ちゃんがつくりだしたみりんのブランド名は、「愛桜(あいざくら)」。愛知県に住む誰もが愛する桜の花をイメージし、誰からも愛されるみりんを世に伝えたいとの思いが込められています。

爺ちゃんが残した幻のレシピで作る“艶”みりん。杉浦味醂の「純米本みりん」

岐阜の問屋倉庫を移転する際に、偶然蔵から発見されたのがこの看板。実に艶っぽく、華やかな甘さのみりんを表現していると思いませんか?
爺ちゃんはかなりの酒豪だったそう。きっと色男だったに違いない!大正時代にこんな華やかな看板をつくるなんて、やるなぁ~。
爺ちゃんはきっと、旨味が濃く豊かな甘みが広がるみりんを、三代目である嘉信さんにつくらせようと初めから考えていたのではないでしょうか。

 

少しだけ東京で人生の修行をさせ、その後は碧南に戻って爺ちゃんの味を再現する、そんなシナリオを描いて天へと旅立っていたのではないでしょうか。
「愛桜」が嘉信さんによって再び世に出るまでのお話を聞きながら、そんな風に感じました。

三年熟成本みりんの誕生

爺ちゃんが残した幻のレシピで作る“艶”みりん。杉浦味醂の「純米本みりん」

※右が三年熟成

 

みりんは、もち米と米麹、焼酎で仕込み、通常は三ケ月でしぼります。しかし杉浦みりんでは、その倍の半年寝かせます。半年寝かせることで、米麹の酵素の分解が頂点に達し、仕込み桶はドロドロになり、オリが大量に溜まります。このオリがろ過の工程でフィルターに詰まると、大変なことに。

 

でも三代目は「オリも旨味のうち」とおっしゃいます。オリもまるごと使い、ろ過を繰り返すことで、ようやく完成。まるごと使い切るなんて発言、もしかして三代目もホールフードの仲間?!

 

今回紹介する「古式三河仕込み愛桜純米みりん(三年熟成)」は、先ほどの説明の通り完成したみりんを、静かに三年熟成させたものです。

 

一年物と飲み比べると、そのコクも甘味も、同じ材料から作られたとは思えないほどです。長期で熟成させることで、みりんに含まれる糖分とアミノ酸が結合すると、メラノイジンという反応がおこり濃い褐色になります。このメラノイジンは抗酸化成分であり、活性酸素を抑制する働きがあることも報告されています。

 

三代目嘉信さんは、古代米の紫黒米でつくる「SAKURAアモーレ」なる商品も販売しています。ネーミング、素晴らしいですよね。爺ちゃんのDNAがしっかりと受け継がれています。どうですか?そんなネーミングをしてしまう、色っぽい三代目嘉信さんにも会いたくなってきませんか?

 

みりんの品質は、飲んで比べるべし。私はそう思います。
「みりんって飲んでいいんですか?」、よく聞かれます。そんな時は、「飲めないようなみりんを料理に使うんかーい!」と私は叫びます。
みりんは日本の発酵甘味料です。嘉信さん、2020年までにみりんBarをやらないかなぁ。『味醂Bar愛桜』。年齢制限がないのならば、私ママに立候補します!

 

古式三河仕込愛桜純米本みりん3年熟成(500ml) ¥1,003(税込)

※掲載情報は 2019/02/12 時点のものとなります。

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キュレーター情報

タカコナカムラ

料理家/フードディレクター

タカコナカムラ

山口県の割烹料理屋に生まれる。
アメリカ遊学中にWhole Food(ホールフード)に目覚める。
日本の伝統食・発酵食、乾物料理の第一人者として、数多くの商品開発や、オーガニックカフェのプロデュースに関わる。
現在、食と暮らしと環境をまるごと学ぶ「タカコ・ナカムラWhole Foodスクール」を主宰。

通信講座(がくぶん)では、
「野菜コーディネーター」「発酵食スペシャリスト」
「AGEフード・コーディネーター」など食と美や健康に関する講座を多数監修。

一般社団法人ホールフード協会 代表理事

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