記事詳細
ジャニス ウォンが生みだす“食べられるアート”のクリエイションに迫る!
ザ・リッツ・カールトン大阪では、 1月31日(木)より4 月30日(火)まで、「アジアベストレストラン 50」にて、2013、14年に2年連続でアジア最優秀ペストリーシェフに選ばれた世界的ペストリーシェフ、ジャニス ウォン氏とコラボレートしたデザートコースがイタリア料理「スプレンディード」にて提供されています。
アーティストでもある彼女が作り出す、“edible art(食べられるアート)”をテーマにした美しい皿盛りデザートはその見た目だけでなく、これまでのデザートの概念を覆すような素材選び、食感、味覚、温度の組み合わせで、彼女のデザートバーのあるシンガポールや東京で多くのゲストを魅了しています。
そんな情熱と遊び心にあふれたジャニス ウォンの最先端デザートを大阪で愉しむことができるのは今回が初めて!
今回は、ザ・リッツ・カールトン大阪のためのひと皿を含む、季節感あふれる5皿と3皿のデザートコースが用意されています。
さらに、様々な受賞歴を誇る館内「ザ・バー」のミクソロジスト里美保子さんによる、シャンパーニュ「ペリエ ジュエ グラン ブリュット」を使ったミクソロジーカクテルと共に、ひと皿ごとにペアリングを愉しむこともできます。
先日このコラボレーションュコースのプレス発表会にお伺いしてきたのですが、ジャニスがクリエイトするデザートの域を超えた“食べられるアート”の素晴らしさはもちろん、一瞬にしてジャニスの素晴らしく聡明な人柄の虜になってしましました。
【ジャニス ウォン プロフィール】
シンガポール国立大学で経済学を学んだ後、パリの名門料理学校「ル・コルドン・ブルー」に入学。
卒業後は世界中の有名レストランで技を磨き、ピエール・エルメ氏、オリオール・バラゲ氏などに師事。
シェフであり、アーティストでもある二面性を活かし、edible art(食べられるアート)という食とアートの融合を一つのテーマとして、五感で楽しめる新たなデザート体験を提案。
2007年にデザートとお酒を深夜まで楽しめる「2am:dessertbar」をシンガポールにオープン。
2016年には新宿に「ジャニス・ウォ ン デザートバー」をオープン。
2013、14年に英国「ウィリアムリードビジネスメディア」主催「アジア ベストレストラン 50」にてアジア最優秀ペストリーシェフに選出。
東大よりもランクが上といわれるシンガポール国立大学で経済学を学んだという異色のバックグラウンドを持ち、見るもの全てに興味や関心を抱き、感度が高く好奇心の塊のようなジャニス。
農産物が全くないシンガポール出身の彼女は、特に日本の素材に対してとても関心が高く、未知の素材が彼女のインスピレーションの源になっているのだそう。
ユニークな素材が豊かな日本は彼女にとっては‘宝の山’であり、人生の全てをかけても全てを使い尽くすのは無理な存在。
“ピュアイマジネーション”無垢な状態で素材に向き合い、取り入れ、デザートに仕上げることに喜びを感じているとのことでした。
日本の農業、農家に強いパッションを感じていて、これほど素晴らしい素材が豊かにあるのだから、世界はもっと日本の素材を使うべき!と熱く語るジャニス。
日本のパティシエの皆さまのなかにも自分が使っている素材のルーツに興味を持ち、産地や農家に足を運ばれる方が最近は増えてきています。
作り手と使い手。互いが互いのクリエイションに興味を持ち、理解を深め、尊敬しあうことで、高めあっていける世の中になることが望まれます。
「なぜシェフとアーティスト、二足のわらじで活躍することになったのか?」という質問に対しては、両方に興味を持っているからというストレートな答えを。
あらゆることがキャンバスになり、五感で愉しんでもらうことを心がけているのだそう。
季節感のある素材にこだわり、スイーツとセイボリーの境界を超えた新たなデザートを創造し続けています。
今後は日本の素材のプロモーションにもさらに力を入れていきたいとのこと。
これまでに高知県の直七、和歌山県の梅、熊本県の栗、北海道のヨーグルトなどを手がけています。
デザートに仕立てることで外国人にも食べられるようにアレンジできるのが魅力で、およそスイーツとは縁遠い、こんにゃくや干し芋、魚介類などにも興味があるのだそう。
今回のメニューの中にも、高知の直七を使ったチョコレートアイスや北海道の新玉ねぎを使ったタルトなどが登場しています。
ザ・リッツ・カールトン大阪のために考案されたデザート「5テイストチョコレート」のデモンストレーションもしてくださいました。
ひと工程、ひと工程ずつ丁寧に解説をするジャニス。
このデザートにはチョコレートに合わせて、「甘味」「苦味」「塩味」「旨味」「酸味」の5つの味覚を合わせており、その全てを五感で感じ、心に刻まれるようにと創造されています。
ミクソロジストとインスピレーションしあい、完成させていくことにも、大変愉しみを感じたのだそう。
彼女は自分で作ったものを自分で食べるのも大好きで、私達にサーブされたお皿を一眼レフで撮影したり、私達が食べたり彼女を撮影する様子を逆にスマホで撮影し、SNSに投稿するなど、自由なパッション溢れるアーティスティックな一面も垣間見せていました。
今回コラボカクテルを担当されたのは、ザ・リッツ・カールトン大阪「ザ・バー」にて活躍するミクソロジストの里美保子さん。
地元の果実やハーブなどユニークな素材でオリジナリティ溢れるカクテルを創り、女性らしい繊細さも感じられる彼女の作る唯一無二のカクテルのファンが多いのだそう。
ジャニスとのコラボに関しては大変光栄な機会だと感じ、デザートというひと言では表現できない感性に合わせ、カクテルも限界まで追求されたとのこと。
全てにペリエ ジュエ グラン ブリュットを使ったミクソロジーカクテルとデザートとのマリアージュを見事に確立されています。
それでは、5皿のマリアージュデザートコースの詳細をご紹介させていただきます。
レストランでは口頭での説明のみだそうなので、ぜひこちらのテキストを参考にしながらお愉しみください!
【ジャニス ウォン デザートコースメニュー】×<ペアリングカクテル>
【ストロベリートマト】
“旨味”をテーマにしたデザート。カツオと昆布の出汁をたっぷりと含んだトマトのピクルスに、ジャスミンティーとタイムのゼリーを被せたトマトのムース、揚げたタピオカ、オリーブオイルを閉じ込めたイチゴ、パウダー状のエクストラバージンオリーブオイルを合わせています。
<甘味酒>
「ストロベリートマト」は、鰹節や土佐酢などを使用し、“旨味”をテーマにしていることから、日本料理をイメージ。カクテルは、日本料理に合わせるように、日本酒をベースにしています。また、一杯目なので、スパークリング感も味わっていただきたいと思い、トニックウォーターを入れて。その上に合わせたエスプーマは、甘酒、フレッシュクリーム、「ペリエジュエグランブリュット」を染み込ませたマルガリータソルトを合わせたものです。
【ホワイトアスパラガス小夏】
ホワイトアスパラガスと日向夏を使ったデザート。白いチーズのようなトッピングは、ヨーグルトを沸騰させた際にホエーと固形部分に分かれる固形部分で、桜チップでスモークし香りを付けています。さらに、ディル、花苞をトッピング。
<オラン ジュエ>
デザートと同じく柑橘とハーブを使ったカクテル。ライチのリキュール、オレンジジュース、薬草のリキュール(ペルノ)で作ったジュレの上に、「ペリエジュエグランブリュット」を注いで完成させます。活けるように加えたエディブルフラワーで、華やかな見た目を演出。最後に、「ペリエジュエグランブリュット」のシャンパンはお客様の前で注ぎます。
【ストロベリー カプレーゼ】
トマトのカプレーゼをイチゴで表現。土台はイチゴミルクのアイスクリーム、その上に泡立てたふわふわのラズベリーゼリー、桜の香りをうつしたタピオカ、フレッシュイチゴと白ワインビネガーを染み込ませたイチゴの2種類のイチゴ、ハーブリキュール シャルトリューズのゼリーをトッピング。横に添えられている白いパウダーは、ブラータチーズにトンカ豆の香りをうつして液体窒素でパウダー状にしたもの。まわりのソースは、イチゴのコンソメ。
<グラムール ジュエ>
デザートと同じくストロベリーを使ったカクテル。ワインの一種である「リベブラン」とストロベリーピューレをシェイクし、そこに「ペリエジュエグランブリュット」を注いで作っている。さらに、ヨーグルトエスプーマを加え、最後に自家製のストロベリーシュガーチップを飾っています。シュガーチップは半日間フードドライヤーにかけたオリジナルです。
【スプリングオニオンタルト】
タルトの中には、キャラメリゼした新玉ねぎ、上には香草のパン粉、イタリアンパセリとセージ。タスマニアマスタードを使ったアイスクリームが横に添えられています。まわりの黄色いソースは、ゆずとマスタードのジェル。
<スパイス カルーア>
香りの強い玉ねぎや香草を使ったデザートに合わせて、カクテルにもスパイスを加えて。まず、「ペリエジュエグランブリュット」に醤油をインフュージョンさせたスプレーをカクテルグラスにかけて香り付けをしています。そこに、カルーアミルクとラー油をシェイクしたものを注ぎ、最後にピスタチオのパウダーをかけて。甘味のなかに辛味も感じていただけるユニークな味わいです。
【5テイストチョコレート】
ザ・リッツ・カールトン大阪のために考案されたデザートで、人間の5つの味覚すべて味わえるチョコレート。スモークチョコレートクリーム、チェリーの入ったチョコレートゼリーは「甘味」と「苦味」、すべてのチョコレートに共通する味覚「甘味」と「苦味」に加えて、塩キャラメルソースは「塩味」、赤味噌のチョコレートは「旨味」、直七を使ったすだちのチョコレートアイスは「酸味」、マレーシアのカラマンシージェルをトッピングした塩チョコレートのガナッシュは「塩味」と「酸味」が感じられます。
<ソルティー>
「ペリエジュエグランブリュット」、グレープフルーツジュース、アブソルートウォッカ、シロップ、抹茶を使ったカクテル。自家製の「ペリエジュエグランブリュット」を染み込ませたマルガリータソルトをグラスの縁にあしらっています。カクテルのみだと苦味を、塩と一緒に味わうと苦味に加えて甘味も楽しめます。
どのデザートも、それぞれのパーツの味覚がくっきりと描き出されていながらも、全層を一緒に食べるとそれらが見事に渾然一体となり、今までに経験したことのないような新たなる味わいが誕生します。
サクッ、ふわっ、ぷちっなど食感のコントラストもはっきりとしていてリズム感があり、また温度差のあるパーツが溶けあい、最後まで食べ飽きることがありません。
ひと口ごとに現れる未知のワールドを、五感を研ぎ澄まし、紐解く愉しさ。
スイーツとセイボリーの域を超えた独特の世界観を体現したデザートと、その世界観に寄り添い、引き立てるミクソロジーカクテルとの初体験のマリアージュを、ぜひこの機会に味わってみてください!^
ジャニスがチョコレートを手がけ始めたのは2014年から。
チョコレートと相性のよいユニークな素材を探すのが好きで、バーベキューポークやチリパウダー、口の中で弾けるキャンディーなどを使ったこともあるのだそう。
ザ・リッツ・カールトン大阪のグルメショップの奥にある、高級感溢れるチョコレートショップにも、宝石のように美しいトリュフショコラが24種類並んでいます。
ベーシックな味から他にはない素材の組み合わせまで、バラエティ豊かなフレーバーは年に4回新しい味が登場し、入れ替えがあるので初めての方にもリピーターの方にも大人気です。
その中にジャニスも使ったことのある素材、「弾けるキャンディー(POPPING CANDIES)」もラインナップ(画像右上)
トリュフショコラ1個からも購入可能ですが、2個入り、4個入り、6個入り、12個入りなどのギフトボックスもあります。
ジャニス ウォンのコラボレーションデザートコースを堪能した後に、ぜひチョコレートショップにも足を運び、お気に入りのフレーバーを見つけてみてください!
「世界的ペストリーシェフ ジャニス ウォン × ミクソロジスト 里 美保子 コラボレーション デザートコース」
提供期間:1月31日(木)~4月30日(火)
提供時間:11:30~14:00/18:30~22:00
価格:3皿のデザートコース 6,500円(カクテルセット+2,500円)
5皿のデザートコース 9,500円(カクテルセット+4,000円)
場所:イタリア料理「スプレンディード」
予約:電話 06-6343-7020
WEB https://www.ritz-carlton.co.jp/information/1267/
※掲載情報は 2019/02/08 時点のものとなります。
- 5
キュレーター情報
スイーツコーディネーター
松本由紀子
スイーツコーディネーター&ライター。
一般雑誌、菓子専門誌、TV、ラジオ、webサイトと多岐にわたり、ライター&コメンテーターとしてスイーツ情報を発信。スイーツ関連メーカーのコンサルティングを務め、商品開発、コラボ商品の企画、マーケティングに携わる。スイーツ講座(定期/単発)の講師も務める。
10名のパティシエの珠玉の一品!を集約したDVD 『Sweets美術館』をプロデュース&出演。
http://www.amazon.co.jp/Sweets美術館-2012-松本由紀子/dp/B00BPJSFF2
百貨店催事やイベントをプロデュースし、「スイーツコーディネーター松本由紀子セレクション」なる冠催事を展開。
*2012年11月~:フランスフェアー@JR大阪三越伊勢丹
*2014年2月:サロン・デュ・ショコラ@JR大阪三越伊勢丹
*2015年2月:アムール・デュ・ショコラ@大阪高島屋
*2015年10月~:松本由紀子セレクション@阪急うめだ本店
ORIGINE KOBEの広報を務める。
http://r.gnavi.co.jp/ippin/article-2060/