「白いイチゴは美味しいの?」その秘密にせまります!

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インスタ映え!ブームで終らない白いイチゴの魅力

「白いイチゴは美味しいの?」その秘密にせまります!

“白いイチゴ”は美味しいんですか?
MasterBerryのニックネームで活動している以上この質問はよくあります。
個人的にはやっぱり赤が好き~~!!

「白いイチゴは美味しいの?」その秘密にせまります!

しかしここ数年、日本では「白いイチゴ」の引き合いが強くなってきています。
僕が市場にいたころは、百貨店やケーキ屋さんから注文をうけたときだけ必要な数量のみを産地に発注するだけでした。白いいちごの需要は、使う人しか買わないが従来の流通でした。
それが、最近ではSNSで紅白のイチゴをパフェやタルトにしたり白いイチゴのタルトを有名タルト店が企画したりとどこでも手に入るようになりました。

「白いイチゴは美味しいの?」その秘密にせまります!

そこで今日は白いイチゴの秘密にせまります。
・なぜ、白いのか?
・白いイチゴはどうやってできたの?

なぜ、白いのか?

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そもそも、「白いイチゴ」とは何?
白いイチゴには明確な定義はありません。実は、イチゴは植物学上、「果実的野菜」に分類されていて果物ではなく野菜!なぜなら、イチゴは木ではなく草に実るからなんです。
イチゴの実の正式名称は「花托(かたく)」っていうんですが、イチゴの種のつぶつぶが果実でつぶつぶの中に種があるんです。

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そもそも、イチゴには「赤いイチゴ」と「白いイチゴ」という分類はないんです。つまり、白イチゴとは“見た目”で呼びやすいから、こう呼ばれているんですね~。果実が白いまま完熟するイチゴを「白イチゴ」とくくっているだけなんですね。

 

イチゴ業界は品種名と品名違う場合があります。例えば「あまおう」は品種名ではなく商品名で、あまおうの品種名は「福岡S6号」なんです!
「あ=赤い ま=丸い お=大きい う=うまい」
甘いイチゴの王様を目指したネーミングと、大きくて果肉も赤いイチゴがマッチング!海外にもたくさん輸出されております~。

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「白イチゴ」が流行っている理由もマーケティングの一種とだとおもいます。「赤いイチゴ」が甘くておいしい、一方で、「白イチゴ」はまだ熟していないという“固定概念”をどう逆転して売るか、そこには開発した種苗メーカーの並々ならぬ努力があったと思います。

白いイチゴはどうやってできたの?

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イチゴが赤い理由は、果皮に“アントシアニン”という色素が含まれているからなんですが、アントシアニンには光に当たることで赤色が促進するので、イチゴの果実が日陰で大きくなると色が薄くなります。

 

だから「白イチゴ」が白い理由は、イチゴを日陰で育てているからって思っている人が多いと思いますが、それは間違い。これはイチゴの遺伝子的な要因で、光が当たってもアントシアニンが合成されないか、されにくい性質をもっているからなんです。

 

白イチゴでも品種によって大きくかわります。白く種が赤い、うっすらピンク、果肉が真っ白、若干赤い部分出ているなど、もともと、イチゴの品種には、“果皮のアントシアニン濃度が濃い品種(赤い品種)”と“アントシアニン濃度が薄い品種(オレンジ色の品種)”があります。

どうやってアントシアニンが発現しない「白イチゴ」が生まれたかというと、実は「品種改良中の“突然変異”」だったんです。その突然変異が出た苗を隔離して増やし安定させることで白いイチゴを栽培し出荷できるのです。

 

日本で最初の白イチゴは、山梨県の種苗会社ミヨシアグリテックの「初恋の香り」。僕が市場で仕事をしているときもこの白いイチゴを扱っていました。「初恋の香り」が流行ったことで、全国各地で白イチゴの品種改良が進んだんだと思います。

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最近では果実が白いイチゴ品種が数多く誕生しています。「初恋の香り」という商品名の意味は、イチゴの色が“初恋をしたときの頬や持ちに似ているから”だそうです~~。そんな初恋してみたかった~~。

 

■主な白いイチゴ
〇雪うさぎ 〇天使の実 <佐賀>
佐賀県の唐津市で栽培されている白イチゴ。
〇あその小雪 <熊本>
あその小雪は、熊本県阿蘇中央高校の農業食品科の先生と学生が、12年かけて品種改良した品種。
〇淡雪いちご <鹿児島>
淡雪いちごは、「さがほのか」というイチゴの突然変異として誕生したイチゴ。
〇ゆきおとめ〇ホワイトプリンセス〇ミルキーベリー(栃木iW1)<栃木>
果実が白く、とちおとめよりも粒が大きいのが特徴、品種名は“栃木iW1”で、「ゆきおとめ」「ホワイトプリンセス」「ミルキーベリー」の3種類の名前での商標登録。
〇初恋の香り 〇ホワイトベリー <山梨>
初恋の香りは日本で初めての白いイチゴ。
〇パールホワイト 〇真珠姫 <奈良>
パールホワイトは奈良の農家さんが育苗した品種で白いイチゴのなかで一番白い品種。

 

「白いイチゴ」は約20年前のデビュー以来進化を続けています。これからさらに品種改良や苗が安定して美味しくなっていくでしょう。まだまだ楽しみな「白いイチゴ」、食べるときに産地や品名を覚えて食べるのも面白いですね。

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※掲載情報は 2019/01/30 時点のものとなります。

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Master Berry

料理家

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生鮮流通の仕事を一通り経験しているスキルは、素材選びにおいて誰にも負けません。ベリー専門の輸入商社の代表を7年経営、その後生鮮の流通を理解した人間のマーケティングが必要と思い今までの経験を活かしたフリーランスの料理家&Photographerを始めました。​素材、生産地、料理などの食に関するプランニングを専門にしております。

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