記事詳細
紹介している商品
戦国時代に武運を上げたお菓子を、今なお守り続ける老舗
クリスマスも終わり、街中の雰囲気が一気に年末年始へと変わってきた。年末年始に初詣に行く場所や、帰省する予定なども決まってきている頃だろう。
毎年、首相が参拝に行く場所は、1 月 2 日の伊勢神宮。日本で一番格式が高いとされ、天照大神を祭っているところだ。伊勢神宮には「おかげ横丁」というところがあり、赤福や伊勢うどんなどをいただくことができるだけでなく、いろいろなお土産も売っている。東京で例えると、浅草寺の仲見世通りのような感じだ。
伊勢神宮というと赤福がとても有名。今回、私がご紹介したいのは、同じ三重県にあり、知る人ぞ知る老舗笹井屋さんの「なが餅」だ。赤福さんは宝永 4 年(1707 年)創業。笹井屋さんは、天文 19 年(1550 年)創業と、その歴史は戦国時代までさかのぼる。当時は「武運のながき餅を食うは幸先よし」と言われ、出世する縁起物として、親しまれていたという。
私は、小学生の頃、家族で夏休みになると三重県に親戚と旅行に毎年行っていた。その際に、旅行の帰りに毎年買っていたのが、この「なが餅」なのだ。
北海道産の小豆を独自の製法で炊き上げ、国産のもち米でついたお餅に包んでいる。それを平らに伸ばし、焼いても柔らかさを保つところに工夫を。きつね色にほんのり色ついた「なが餅」は、一口いただくと香ばしいさが広がる。お客様に出すなら右の写真のようにしても。また、会社などの手土産にするなら、左の写真のように個包装されているので配りやすい。
お餅の部分が多いため、甘すぎず、あっという間に 1 個食べてしまう。小さい頃は一度に何本も食べてしまっていた。お餅は、しっかりと焼き餅の香りと歯ごたえがあり、控えめに挟まった餡がアクセントになり、絶妙なバランス。これが戦国時代からの、伝統ある本来の味を継承しつつも、より良いものへと磨きあげてきたのが笹井屋さんなのだ。
私は伊勢神宮に参拝に行った時、「おかげ横丁」で赤福とお抹茶のセットと、伊勢うどんを食し、手土産には「なが餅」と決めている。戦国時代から続いているなが餅は、知っている人しか知らない三重県の名物のひとつ。長く愛知県に住み、伊勢神宮に行ったことのある友人ですら知らない。そのため、この歴史ある「なが餅」を手土産に勧めると、とても喜ばれる。
自分への手土産に。
会社や取引先への年始のご挨拶に。
新年の幸先が良いこと間違いなしだ。
なぜなら、「武運のながき餅を食うは幸先よし」なのだから。
※掲載情報は 2018/12/26 時点のものとなります。
- 10
キュレーター情報
発酵料理研究家/観光連盟アドバイザー
高橋香葉
「日本人の体を健康できれいにするには、日本伝統文化の発酵食が一番良い」として発酵料理の研究に取り組む。テレビ、雑誌、書籍などを通じて、発酵食品の良さを伝える普及活動を行っている。
日本で初めて、米麹と醤油をあわせた新調味料「しょうゆ麹(醤油麹)」の作り方とレシピを公開し、発酵業界に新しい風を入れた。その活動は、フードアクションニッポンアワード販促部門を受賞。その後、読売新聞にて「オンリーワン」として掲載された。
現在は、日本全国を回り、全国の発酵食品だけでなく温泉巡りをし、日本の伝統文化を勉強している。
自治体の観光連盟アドバイザー、特産品開発審査委員などを歴任。市場調査から、販売戦略、プロモーションなどのマーケティング講師も行っている。フードアナリスト協会「食のなでしこ2016」。
主要著書:
◎「しょうゆ麹と塩麹で作る毎日の食卓」(宝島社)
◎リンネル特別編集「しょうゆ麹で作る毎日のごちそう」(宝島社)
◎「知識ゼロからの塩麹・しょうゆ麹入門」(幻冬舎)
◎おとなのねこまんま555(アース・スターブックス)等