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洋食レシピにも大活躍、手土産にもぴったり
最近顆粒状のインスタント出汁よりも出汁パックを使うという方が私のまわりでも増えているように思います。和食がユネスコの世界遺産に登録され、「うまみ」という言葉が海外でも使われるようになりました。お出汁専門店もできて、インスタント出汁よりも自然な風味で無添加のだしパックの方が今の時代にあっているのかもしれません。
そんな中ずっと昆布と鰹節で出汁をひていた私ですが、あるときとても美しいパッケージのだしパックをいただきました。それは1868年創業の静岡県焼津の鰹節メーカー「やいづ善八」さんの商品でした。
レトロモダンなデザインの薄ピンク色の箱は「荒節」、優しいイエローの箱は「枯節」。シンプルでおいしい料理に定評のある料理家冷水希三子さんのレシピブック付きです。
一つの袋に入っている2つのだしパックで400mlの出汁が取れますが、なぜ2つ入っているかと言えば、200mlという少量の出汁取りたいときには1パック使えばよいということ。一人暮らしの方や、お料理のベースにちょっとだけ出汁を使いたい時に便利です。
このだしパックに魅了されたきっかけは、レシピブックにあった洋食メニューを作ってみたら驚くほど美味しかったこと。それは野菜のポタージュ。ベースに「荒節」の出汁を使ったところ、味わいに奥行きがでました。スモーキーな出汁の香りが立ち上り、ほんのちょっとの塩だけで野菜の味が引き立ちました。これまで鰹節と言えば茶色っぽいカビをまとった「枯節」しか知らなかったのですが、あらためて「荒節」の実力に驚きました。オリーブオイルや生クリームなどとの相性がよいのも「荒節」の特徴です。
一方「枯節」はそのまま飲んでも美味しいクリアな味。なかなか味が決まらなかった煮物やお吸い物が美味しくなりました。優秀なだしパックを味方につけると料理の腕が格段上がったような気がします。
使い方は他のだしパックと同様に水に入れて沸騰したら火を弱めて5分煮出すだけ。
とは言え料理の準備中、うっかりぐらぐらと沸騰させ続けてしまった!なんてことありませんか?でも「やきつべの出汁」は沸騰させてしまっても味が崩れません。
さらに開封してから時間が経っても風味が変わりにくい。それは「かたうおいろり」(堅魚煎汁)と言って奈良時代以前には調味料として使われていた鰹の煮汁を飴状に煮詰めた”鰹エキス“で鰹節をしっかりコーティングしているからだそうです。
「やきつべのだし」はしまっておく必要がないくらい見た目も美しく、料理好きの友人へのプレゼントとしても大変喜ばれました。まずはレシピブック付きのお試しセットをおすすめします。
※掲載情報は 2018/12/17 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードプランナー&フランス語通訳
勅使河原加奈子
東京都生まれ。学習院大学文学部フランス文学科卒。ワイン専門商社勤務後、フランス人シェフ招聘ビジネスに7年半関わり、2000年フードデザイン&イベントプランニングCREMA設立。フランス人シェフの招聘を続ける傍ら、ハチミツ専門店のMD企画、ホテル・レストランのオープン・リニューアルのアドバイス、洋菓子専門誌編集、フランスわさび栽培コーディネート、百貨店内フードショップMD企画、仏レストランブランドの商品開発のアドバイス、洋包丁輸出コーディネートなどを経て、食イベントの企画制作、レストランのHP制作、食の撮影コーディネート、イベントのPRコーディネートなど食全般の仕事に携わる。同時に料理・ワイン・製菓・製パンに特化したフランス語専門通訳者および翻訳家(翻訳本「ジョエル・ロブションのすべて」)としても活動。2011年秋以降、地方創生、地方食材のリサーチとフランス人シェフへの紹介、国内外での燗酒の普及にも携わる。