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知ったら納得の歴史ある最中。「大願成就」の深い意味とは
最近、私のパワースポットになっている場所が東京都港区にある。今年の夏に和歌山放送さんに出演させていただいた際も、少し話題に触れさせていただいた。それが“忠臣蔵”で有名な「泉岳寺」だ。「泉岳寺駅」は知っていたが、「泉岳寺」に行ったことが一度もなく、今年初めて行ってお参りをしたところ、その日にうれしい知らせが届き、再びお礼参りへ。
ゆっくりと泉岳寺を回っていると、このお寺は「すべてのことに勝つ」という願いが込められた、「勝守」のお守りが有名とのこと。色は赤、白、紫の3色で、私は白の「勝守」をいただいた。今回は、この縁起良い歴史と深いつながりのある“大願成就”の最中をご紹介したい。
最中のご紹介の前に、少し「泉岳寺」について簡単に説明をさせていただきたい。実はこれを知っているかどうかで、最中の意味がより一層納得感を持つからだ。
「泉岳寺」には、忠臣蔵の赤穂浪士が眠っている。赤穂浪士とは、元禄15年12月14日(1703年1月30日)、主君の浅野内匠頭長矩(あさのたくみのかみながのり)の敵討ちのため、吉良上野介義央(きらこうずけのすけよしなか/よしひさ)を討った旧赤穂藩士47名のことだ。みごとにその想いを成し遂げたものの、翌年2月4日、幕府により切腹を命じられるというストーリーで浄瑠璃や歌舞伎にもなっている。
主君の浅野内匠頭長矩(あさのたくみのかみながのり)がお預けになり、切腹した場所が田村屋敷跡。今回ご紹介する最中の新正堂さん。実は、この跡地にあることから語り継がれるようにとの想いを込めて「切腹最中」と命名。大正時代から続いている。ちなみに、六本木ヒルズは同じく赤穂浪士の毛利家屋敷跡なのだ。
夏からどこかのタイミングでご紹介したいと思っていたため、写真が夏のお抹茶茶碗であることをお許しいただきたい。「切腹最中」は子供の握りこぶしくらい。普通の最中に比べ、大きめだ。最中の皮から、すでに餡がこぼれそうに姿を見せているのが印象的。
次の写真のように半分に切ると、中には求肥が餡に負けないくらいの存在感で出迎えてくれる。純度の高い砂糖を使用した餡は、求肥の美味しさにちょうどよい甘さにおさえてあり、バランスがよい。この「切腹最中」の販売当時、求肥は入っていなかった。その後、改良を行い、現在はもちもちの求肥入りの「切腹最中」に。
私はおやつの時間に、母と半分ずつ。食後だったこともあり、半分がちょうど良かった。母がお友達にお茶受けに出したところ、この貫禄ある最中に皆さんびっくりしていたとのこと。美味しくて、皆さん全部完食し、珍しい形の最中とお腹を満たす大きさに満面の笑みを浮かべていたとのこと。
今年も残すところ、2か月。一息ついて気を引き締め、“大願成就”を願うエールを込めた手土産に。
皆様の願いが叶うことを、この最中に込めて。
※掲載情報は 2018/11/07 時点のものとなります。
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キュレーター情報
発酵料理研究家/観光連盟アドバイザー
高橋香葉
「日本人の体を健康できれいにするには、日本伝統文化の発酵食が一番良い」として発酵料理の研究に取り組む。テレビ、雑誌、書籍などを通じて、発酵食品の良さを伝える普及活動を行っている。
日本で初めて、米麹と醤油をあわせた新調味料「しょうゆ麹(醤油麹)」の作り方とレシピを公開し、発酵業界に新しい風を入れた。その活動は、フードアクションニッポンアワード販促部門を受賞。その後、読売新聞にて「オンリーワン」として掲載された。
現在は、日本全国を回り、全国の発酵食品だけでなく温泉巡りをし、日本の伝統文化を勉強している。
自治体の観光連盟アドバイザー、特産品開発審査委員などを歴任。市場調査から、販売戦略、プロモーションなどのマーケティング講師も行っている。フードアナリスト協会「食のなでしこ2016」。
主要著書:
◎「しょうゆ麹と塩麹で作る毎日の食卓」(宝島社)
◎リンネル特別編集「しょうゆ麹で作る毎日のごちそう」(宝島社)
◎「知識ゼロからの塩麹・しょうゆ麹入門」(幻冬舎)
◎おとなのねこまんま555(アース・スターブックス)等