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防腐剤なしのこだわりで、味をひたすらに追求した水羊羹
「水羊羹には、俺はこだわりがあるんだ。冬でもこたつに入って昔から食べていたくらい、味にはうるさいぞ」。と、ある有名な会社の社長がいつも言っていた。先日、その方のお誕生日が近い日に会食でご一緒することになり、そっと水羊羹を持参。料亭の方にお願いをして、〆に出していただき召し上がってもらった。社長はじっと水羊羹を見つめ「どこのや?」と一言つぶやくと、その後、何も言わずにすぐに完食してしまった。今回は、水羊羹好きを黙らせたえがわさんの「水羊かん」をご紹介したい。
水羊羹は、冷蔵庫で冷やし、夏にいただくイメージが強い。ところが越前福井では冬に食べる習慣がある。そのため、冬や春のこの時期の催事でも”北陸フェア”などに置いてあることを、みなさまご存知だろうか。丁稚奉公の里帰りに手土産に持ち帰ったことから「丁稚羊羹」と呼ばれていたという説もあるとのこと。
箱を開けると、水羊かんを切り分けるヘラがついている。愛知県出身の私は、これを見て赤福を思い出した。赤福にも、同じように取り分けやすいように、ヘラがついている。
艶やかでと瑞々しい水羊羹が姿をあらわした。このつやつやとした光は食欲をそそる。なめらかな表面は、早く冷やして食べたい気持ちにさせる。
食べてみると、しっとりとした上品な甘みが口に広がった。これは、特上の黒砂糖を原料としているからだろう。舌触りにもあずきあんの存在を感じることができるのが、他の水羊羹と違うところと言える。防腐剤を一切使わずに、丁寧に仕上げたこだわりが、この水羊羹にはあった。水羊羹好きをうならせ、黙らせてしまったのも、うなずける。
パッケージにも「第22回全国和菓子大博覧会 名誉総裁賞受賞」と書かれているが、この他にも同じ博覧会で「内閣総理大臣賞受賞」している。福井県観光連盟推奨の「福井県観光連盟会長賞受賞」するなど、その味はお墨付きだ。
夏になると出回る水羊羹。しかし、越前福井えがわの「水羊かん」は11月~3月までの期間限定。夏には販売をしない。
是非、秋になったら”知る人ぞ知る越前福井の歴史”とともに、手土産におすすめだ。
ほとんど知られていないからこそ、手土産に選ぶ価値がある。きっと笑顔になってくれること、間違いなしのおすすめ。
なぜなら、実際に水羊羹にこだわりのある社長を笑顔にさせたのだから。
※掲載情報は 2018/10/24 時点のものとなります。
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キュレーター情報
発酵料理研究家/観光連盟アドバイザー
高橋香葉
「日本人の体を健康できれいにするには、日本伝統文化の発酵食が一番良い」として発酵料理の研究に取り組む。テレビ、雑誌、書籍などを通じて、発酵食品の良さを伝える普及活動を行っている。
日本で初めて、米麹と醤油をあわせた新調味料「しょうゆ麹(醤油麹)」の作り方とレシピを公開し、発酵業界に新しい風を入れた。その活動は、フードアクションニッポンアワード販促部門を受賞。その後、読売新聞にて「オンリーワン」として掲載された。
現在は、日本全国を回り、全国の発酵食品だけでなく温泉巡りをし、日本の伝統文化を勉強している。
自治体の観光連盟アドバイザー、特産品開発審査委員などを歴任。市場調査から、販売戦略、プロモーションなどのマーケティング講師も行っている。フードアナリスト協会「食のなでしこ2016」。
主要著書:
◎「しょうゆ麹と塩麹で作る毎日の食卓」(宝島社)
◎リンネル特別編集「しょうゆ麹で作る毎日のごちそう」(宝島社)
◎「知識ゼロからの塩麹・しょうゆ麹入門」(幻冬舎)
◎おとなのねこまんま555(アース・スターブックス)等