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「喜ぶ顔が見たいから」夫婦で営む小さなチーズケーキカフェ
「あそこのチーズケーキが美味しいらしいよ」。まだ徳島に引っ越してきて間もない頃、
車で田宮街道(徳島市)を走っている最中に夫が教えてくれました。
大通り沿いに店を構える小さなカフェ「ぐるりと。」。正直うっかりしていたら見逃してしまう控えめな佇まいです。その店名は一度耳にすると、頭の中をぐるりぐるりと……忘れられません。
先日、少し時間が出来たので、夫と生後4カ月(当時)の娘をベビーカーに乗せて、お店をはじめて訪ねました。入口の扉を開けると、そこはまるで別世界。
お店の目の前は商業施設やマンションが多く立ち並び、車がひっきりなしに通るような大通りなのに、店内に入ると静かに時が流れ、ホッとする雰囲気。
この空気感だけで、まだ何も食べていないのに心が満たされている自分がいました。
しかし、目当てのチーズケーキは絶対に食べて帰らなくては……!昼過ぎだったので、バーガーと珈琲とチーズケーキのセットを注文しました。
この時、バーガーはラスト2つでギリギリセーフ。ハロウィン仕様の粉糖アートにほっこり。元々チーズケーキ目当てでしたが、このバーガーとコールスロー、野菜ジュースがどれも本当に美味しくて、また食べたくなる感激の味でした。
それにふと思いました。夫と会話がこんなに弾んだのはいつぶりだろう(笑)
日頃、お互い仕事やら育児やらで、バタバタと最低限の会話、というか連絡事項しか話していなかったような気がしますが、この空間にいると今度の休日の話とか家族の将来の話とかワクワクするような話が自然と湧いてくるのです。
ゆったりと会話を楽しんでいる間に、いよいよチーズケーキが登場しました。
見た目がチーズケーキというよりか、まさにチーズ!外国の絵本やアニメに出てきそうな見た目にキュンとします。
それはきっと私だけではなく……隣の席のカップルも一眼レフでパシャパシャとチーズケーキを撮っていました。
そして、その味わいは想像と期待を軽く超えてしまうほどの美味しさでした。とても滑らかで口溶けがよく、コクがあるのに全然しつこくない。
サクサクのグラノーラがとても良い食感のアクセントになっているし、土台のビスケット生地はキャラメルのような香ばしさがあり、チーズの美味しさを引き立ててくれています。
チーズがあまり得意でない夫も「うん。これなら食べられる。」と言って、私のチーズケーキにまで手を出してしまうほどの美味しさ。「やめてよ、食べないでよ!」と私も本気で奪われたくないほどの美味しさ。大勢の人を虜にしてしまう理由がわかりました(ちなみに食事管理に気を使うプロサッカー選手にもこのチーズケーキのファンが多いそうです)。
すっかり「ぐるりと。」ファンになった私は後日、限定の「マロンチーズケーキ」が販売されると知り、買いに行ってきました。
テイクアウト予約で完売してしまったそう。電話で事前予約しておいて良かったです……。
栗がゴロゴロ入っていて、秋の味覚を美味しく堪能できました。マロンチーズケーキは今年はじめて販売したそうですが、期待を裏切らない味にただただ脱帽です。
女性店主に話を聞いたところ、「普通のチーズケーキ1種類しか出していないのに、何度も通ってくださる方が大勢いて、そういった方たちに“恩返し”がしたい。そんな思いで、このマロンチーズケーキが誕生しました」と話されていました。
7年前、女性1人でオープンした小さなチーズケーキのカフェ。
5年前からは夫婦で店を切り盛りするようになったそうです。チーズケーキ作りは独学だそうで、「元々、甘いものがお好きだったんですか?」と聞くと、「いいえ。私、甘いものが苦手なんです」と笑った女性店主。
「夫が甘いものが好きで、味見は全て夫に任せています」「食べてくれる人の喜ぶ顔が見たいんです」と話す女性店主に、私は1人の女性として母親として、ただただ尊敬するばかりでした。
この女性店主も5歳と3歳の2人のお子様を育てるお母さん。「子どもが小さいからすぐに家に帰らないと行けなくて。もっとチーズケーキを作れたらいいのですが……。完売してしまう日は本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」と。女性店主の優しい人柄が、「ぐるりと。」の優しい空間と優しい味を作り出しているのですね。
絶品チーズケーキは全国からお取り寄せも可能ですので、是非、「ぐるりと。」のHPをご覧になってみてください。ゆっくり時間をかけて大切な人と味わっていただきたい、そんなチーズケーキです。
※掲載情報は 2018/10/23 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フリーアナウンサー
坂本洋子
神奈川県相模原市出身、東京都在住。地方局のアナウンサーを経て、2014年に独立。7年間の局アナ時代に取材したラーメン店は50軒以上、話を訪ねた農家は100人以上。その他グルメ取材を数多くこなす。JA広報誌の食コラムを2年間担当。2013年に結婚。夫はFC町田ゼルビアトレーナー・大沼理貴氏。ジュニア野菜ソムリエやフード・ライフコーデイネーターの資格を持つ。2015年に第1子、2018年に第2子を出産。現在は『お取り寄せ』にはまり中。常に美味しい情報を得るため、アンテナを張り巡らせている。