東京大学が開発したハラール認証チョコレート「Hanan Chocolate」

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「思いやり」がコンセプトのチョコレートプロジェクト

東京大学が開発したハラール認証チョコレート「Hanan Chocolate」

「ハラール」(ハラルともいう)とは、ムスリム(イスラム教徒)の人たちにとって「許されるもの」という意味で、食品や日用品、日常的な行為まで広く使用される言葉ですが、食品で禁じられているものは、豚や犬、お酒などがありますが、他にも厳しい基準が色々あります。

 

せっかく日本に旅行に来ても買えるお土産や食品がない!という問題を解決するために、羽田空港や成田空港などハラール認証を受けた商品を扱ったコーナーが設置され、銀座や御徒町、浅草などの海外旅行者が多いコンビニエンスストアやスーパーなどではハラール商品コーナーを設けるなど近年、大手スーパーや飲食店などでもハラール認証商品や飲食メニューを扱うようになってきています。2020年に東京で行われる国際大会を前に、このような「ハラール産業」「ハラール市場」が拡大しており、注目されています。

 

そこで、東京大学では、イスラム文化研究の成果として、ハラールについて考える機会や異文化に配慮することが大切だという思いからハラール認証を受けた「ハナーンチョコレートプロジェクト」を立ち上げ、2018年1月より東京大学のコミュニケーションセンターや売店、オンラインストアなどで販売を開始しています。「思いやり」を意味するアラビア語にちなんで「ハナーン」という商品名にしたそうですが、ムスリムが安心して手に取れるようにという思いと、まずはお菓子からイスラム教への理解を深めるきっかけにしてほしいと開発に携わった特任准教授の後藤絵美先生のコメントがとても印象に残りました。

 

ただ、ハラール認証を受けるには、そう簡単なことではありません。細かく厳しい基準があり、それらをクリアしているかどうか様々な審査を行い、世界各地に認証機関や認証制度があり、マレーシアでは政府系機関が認証を行っている場合もあり、処理や製造、輸送など多くの項目が示されています。認証する団体により手法が異なるため、やや複雑な点がありますが、東京大学では日本アジアハラール協会より認証を受けていて、原材料である乳化剤と砂糖の認証を取得するのに時間がかかったそうで、乳化剤は大豆由来のものを使用し、砂糖は動物の骨炭などを使用しないで作っている砂糖を探すのに大変苦労されたとこのチョコレートを製造した製菓会社の方の開発秘話が東京大学のホームページで紹介されていました。

 

このチョコレートはホワイト、ミルク、ビターの3種類入っていて中でもホワイトチョコレートの味わいは私のお気に入りです。形もそれぞれ異なり、包装デザインも可愛くてパッケージの中には猫をモチーフにしたポストカードが1枚入っています。(イラストは4種類あるそうです)イスラムの方のお土産用としてはもちろん、ハラールについて、そして世界の人たちへ思いやりの気持ちを考えるきっかけづくりとして一般的なプレゼントとしても素敵な商品だと思います。

※掲載情報は 2018/10/07 時点のものとなります。

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キュレーター情報

小針衣里加

日本フードバランス協会代表

小針衣里加

2012年 日本フードバランス協会を設立し、代表に就任。バランスのよい食事を実践するための食べ方、選び方、調理法、 栄養学、美容、ダイエットなどについて学ぶ食の資格「フードバランスアドバイザー講座」の講師を務め、誰でもすぐに実践できる内容に定評がある。2003年より主宰している,おもてなし料理教室、有名シェフによる 料理教室「シェフズクッキング倶楽部」のプロデュースも行う。資格講座、料理教室、食・美容に関するカルチャー講座など年間70回以上の講座や教室を開催し、瞬時に満席になり、リピーターも多い。

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