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私の大切な「洋食器入門書」に登場したリーシェイプとの出合い
『ある日、仕事で百貨店の洋食器売り場をまわっていたら、突然あるブランドのティーカップが目の中にとびこんできた。見慣れているはずのその柄が、なぜかその時どこか特別なものに見えた。
手のひらで包んでみた。すっぽりと収まる。口元に近づけてみた。ほんのりぬくもりすら感じる。取っ手を握ってみた。予想もしなかったほどバランスがいい。ライトにかざしてみた。光が透けて見える。カップの内側を見た。つるんとなめらかで、ライトの光がキラキラと反射している。真横からながめ、底をひっくり返し、しばらくの間興奮していじっていたが、どうしても欲しくなり、レジへ走った。
それが私の本当の洋食器入門だった。』
(今井秀紀、『洋食器を楽しむ本』昌文社、1999年、10頁-11頁)
今から約20年前、当時のロイヤル・ドルトン・ジャパン(のちにフィスカース ジャパン株式会社)マーケティング本部長、今井秀紀さんの著書『洋食器を楽しむ本』は、私自身が洋食器の持つストーリー性(作られた時代背景や、作り手の想い)に夢中になるきっかけとなった、私にとっての「洋食器入門書」であり、とても思い入れのある本です。
初めて、上記の引用文の箇所を読んだとき、今井さんが洋食器に触れたときの興奮が、まるで自分が体験しているかのように鮮明に思い浮かび、読みながら私もドキドキした記憶があります。
そして それと同時に、私は直感で、これはウェッジウッドの「リーシェイプ」かな、と思いました。その直感は間違っていませんでした。
紅茶にもコーヒーにも使える優秀なカップといえば、リーシェイプ
「リー」というのは、ウェッジウッドで販売されている、紅茶・コーヒーのどちらでも使うことのできる兼用カップ&ソーサーのシェイプのことです。
リーシェイプのカップ&ソーサーの使い心地は、本当に秀逸。大きさもちょうど良く、持ったときのバランスもしっかりしています。また、柔らかい曲線美と、豊かな機能美を感じとることができるこの形状は、どこかぬくもりを感じることができ、それこそが、リーシェイプの最大の特徴と言っても良いような気がします。
お料理教室でも、このリーシェイプのカップ&ソーサーを使用することがあります。先日、レッスン用のカップの整理整頓をしていたのですが、このリーシェイプの魅力に改めて惚れ惚れとしてしまいました。
リーシェイプの柄は、ウェッジウッドの定番ともいえる、愛らしい「ワイルドストロベリー」から、重厚感あふれる「フロレンティーン ターコイズ」まで、多彩にラインナップされています。すべて同じ柄で選ぶのも良いですが、ウェッジウッドならではの幅広いデザインのバリエーションを楽しむように、1客ずつ異なる柄のリーシェイプのカップ&ソーサーを買いそろえるのも粋だと思います。
「ワイルドストロベリー」
「フロレンティーン ターコイズ」
これからの季節、「読書の秋」や「秋の夜長」のお供として、ティーカップかコーヒーカップのどちらを買おうか悩んでいる、という方がいらっしゃれば、まずはウェッジウッドのリーシェイプを手に取ってみてはいかがでしょうか?
※掲載情報は 2018/09/29 時点のものとなります。
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キュレーター情報
料理家/西洋陶磁史研究家
加納亜美子
洋食器を中心とした高級食器シェアリングサービス「カリーニョ」や、食器の魅力を伝えるため「おうちレストラン」をコンセプトとした会員制料理教室「一期会」を運営。洋食器輸入代理店とのコラボレーションイベント、百貨店文化サロンでのセミナー講師、レシピ開発、商品開発、WEB雑誌へのコラム執筆など、多岐にわたり活動中。