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神戸老舗ベーカリー発!素朴で最高にやみつきになるパイ
神戸で知らない人はいない『フロインドリーブ』、なんと大正時代から続く老舗ベーカリーです。『フロインドリーブ』はドイツ出身のパン職人・故ハインリヒ・フロインドリーブさんが開業したお店。第一次世界大戦の捕虜として日本にやってきたフロインドリーブさんが、戦後そのまま日本に残り、日本にドイツパンを広めた第一人者、かの敷島製パンの初代技師長でもあるお方です。NHK朝の連続テレビ小説「風見鶏」のモデルとしても知られています。
元々はハンター坂にあるお店が本店で、私も小さい頃から両親に連れられよく通いました。ただ、悲しいことに多くの人に親しまれた店舗は1995年の阪神大震災で全壊してしまいました。あの時は、実家の両親ともう、このままなくなってしまうのかと本当に心配しましたが、多くの人が再開を願った甲斐があったのでしょうか、現在は旧神戸ユニオン教会をリノベーションしてカフェが併設された店舗が本店になっています。
今回ご紹介したいのは『フロインドリーブ』の看板商品、ハート型パイのギフトボックス「スイートハート」。こちらのパイ、大きいサイズを「大ミミ」、小さいサイズを「小ミミ」と呼び、多くの神戸っ子が小さい時からおやつに食べていた“愛されパイ”です。私にとってはパンを買いに訪れるたびに、ねだって買ってもらった思い出のパイです。もともと「大ミミ」はドイツの伝統的なパイ菓子だそうで、縁起が良いとされる豚の耳をモチーフにしたパイ。豚の耳からの「大ミミ」、「小ミミ」という商品名に繋がっているなんて、なんだか意外な感じがしたのは私だけでしょうか。
ご紹介するギフトボックスの「スイートハート」は程よいサイズの「中ミミ」サイズのパイが詰められています。「大ミミ」は大きすぎてどうしても割れやすいのが難点。では「小ミミ」だとどうかと言うと、これだと小さすぎて、特別感が薄れてしまう。
そこで私が選んだのが「大ミミ」より食べやすく、「小ミミ」より見栄えがする「中ミミ」のパイが詰められたギフトボックス「スイートハート」。プレゼントで差し上げるのにはいちばんバランスが取れていてお勧めです。
シンプルなパイは、バターの香りがほっこりする逸品。材料もシンプル、素朴なパッケージ、無駄なものを全て削ってできた、シンプルイズベストの商品。この絶妙なバランス感覚が、甘いけれど甘すぎず、固さはあるけれど固すぎない、そんなベストバランスの味を生み出したのかもしれません。
この時代にして、商品はすべて手仕上げ、バターの湯せんひとつから職人の手作業で行っています。ハートの形をしたパイは型にはめず、職人が1つ1つ手作業で成型していくので、どれも微妙に形が違うのが特徴、手仕上げの温かみがあるせいでしょうか、どれも愛しく感じてしまいます。お店は神戸のみ、この特別感がまた通いたい、その原動力になっている気がします。
※掲載情報は 2018/09/07 時点のものとなります。
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キュレーター情報
茶ムリエ/メンタルコーチ
宮原昌子
綜合商社勤務を経て結婚。上海に住んだことをきっかけに、上海で中医学・中国茶を学び、飲むこと・食べることが毎日を健康で楽しく過ごすことになると実感。
帰国後、中国茶専門店にて通訳・バイヤー・コーディネート等を手掛け、2004年より茶ムリエとして活動。自宅サロン主宰・企業や団体へのセミナー講師・雑誌やテレビ等の茶の監修・執筆業など多岐にわたり活動後、広州へ転居、華南農業大学茶学部の聴講生となる。
帰国後、クリニックに勤務、心のケアを実動で学び、心理学・コーチングを学ぶ。中医学と茶の理論に加え、心理学とコーチングを掛け合わせた独自のメソッドで、自己治癒力を高める方法・セルフケアのアドバイスを行うと共に、体質にあった茶の選び方を提案している。悩みを明確に整理し、本当にやりたいことの目標・プロセス設定で目標達成をサポートするコーチングセッションは、自信を持って自分らしく生きていけると好評
上海医薬大学 推拿科卒業
中国労働省和社会保障部公認資格 高級茶藝師・評茶師
銀座コーチングスクール GCS認定コーチ
監修本:別冊Lightning vol.53「ペットボトルのお茶の本」 枻出版社